増原恵吉の発言 (国際労働条約第八十七号等特別委員会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○増原国務大臣 ただいま議題となりました国家公務員の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び概要を御説明申し上げます。
 この改正案は、結社の自由及び団結権の保護に関する条約(第八十七号)を批准することとするに際しまして、国家公務員の団結権に関する規定を改正いたしますとともに、これに関連して所要の規定の整備を行ない、あわせて、国家公務員の人事管理に関する責任体制を確立するため、中央人事行政機構の改編整備を行なおうとするものであります。
 現行の国家公務員法のもとにおきましては、職員体団の役員は、すべて職員の中から選任すべきものとされ、職員でない者が職員団体の代表者となることが認められず、また、消防庁の職員は警察職員等と同様その団結が禁止されているのでありますが、これらの点は、職員の自由な団結及びその代表者の自由選出等条約の保障をしようとする団結権の原則に沿わないものと認められますので、この際、条約の趣旨に適合するように現行制度を改正するとともに、これに関連して職員団体に関する所要の規定を整備することといたしました。また、今後における当局と職員団体との間に正常な労働関係を維持確立するためには、職員団体について期待される自主性、責任性の確立と対応して、当局側についてもその人事管理に関する責任体制を整備する必要があるのにかんがみ、この際、従来から責任関係に明確を欠くきらいのありました中央人事行政機構を改編整備することといたした次第であります。
 以下、改正案の主要な点についてその概要を簡単に御説明いたします。
 まず、職員団体に関する一節を第九節として新たに設け、職員団体に関する事項で現在国家公務員法中服務事項として規定されているもの及び人事院規則で規定されているもの等をまとめてこの節に法定することといたしました。第一に、職員団体の定義を設け、その目的及び性格を明確に規定し、第二に、職員の団結権について規定いたしました。ここで従来と異なります点は、条約の趣旨にかんがみ、警察職員等団結を禁止される職員のうちから消防庁の職員を除くこと、及び管理もしくは監督の地位にある職員または機密の事務を取り扱う職員とこれらの職員以外の職員とは、同一の職員団体を組織することができないこととするほか、次に述べる登録制度との関係において、その身分について係争中の離職者等の職員団体加入及び職員でない者の職員団体の役員就任が否定されることのないように改めることであります。第三に、職員団体の登録制度及び職員団体の交渉につきまして、その手続及び要件等必要な事項を法定することといたしました。新たに法定されることとなるものの内容は、現在人事院規則で定められております事項とおおむね同様でございます。第四に、公務員は、本来その職務に専念すべき義務を有している基本的性格にかんがみ、職員団体の業務にもっぱら従事することができないものといたしましたが、所轄庁の長が相当と認めて許可を与えた場合においては、職員としての在職期間を通じて三年をこえない範囲で、登録された職員団体の役員としてその業務にもっぱら従事することができることといたしました。なお、この法律施行後二年間は、経過措置として従前の例により登録された職員団体の業務にもっぱら従事できることといたしております。
 次に、人事行政機構の改正でありますが、新たに内閣総理大臣を中央人事行政機関の一つとし、現在人事院の所掌とされている国家公務員の能率、厚生及び服務に関する事務の一部並びに大蔵大臣の所掌とされている退職手当及び特別職の国家公務員の給与に関する事務等を所掌するほか、各行政機関が行なう人事管理に関する方針、計画等に関し、その統一保持上必要な総合調整を行なうことといたしました。これに伴い、これらの事務について内閣総理大臣を補佐する総理府総務長官は国務大臣をもって充てることに改め、総理府総務副長官を一人増員するとともに、その事務を担当する部局として総理府に人事局を設置することといたしました。
 なお、人事院につきましては、若干の所掌事務を内閣総理大臣に移管することといたしましたほかは、すべて現行どおりこれを存置することといたしております。
 この法律案は、以上の趣旨に基づきまして、国家公務員法及びその他の関係法律の改正を行なうとともに、必要な経過措置を規定いたしたものであります。
 何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛同あらんことをお願い申し上げます。

発言情報

speech_id: 104804313X00219650406_007

発言者: 増原恵吉

speaker_id: 2549

日付: 1965-04-06

院: 衆議院

会議名: 国際労働条約第八十七号等特別委員会