田中榮一の発言 (体育振興に関する特別委員会)
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○田中(榮)委員 私は、今回、冬季オリンピックが札幌に選定をされましたことにつきまして、関係者に対して心から感謝の意を表する次第でございます。
去る四月二十六日、ローマにおきまして、強敵であるカナダのパンフが候補地として立候補しておったのでありますが、当初においては、カナダのパンフが相当有力である、札幌は少し悲観的であるというような予想を裏切りまして、北海道の札幌市が三十二票の大量得点をいたしまして、パンフを十六票の差をもって、ただ一回の投票によって最終的に決定をされましたことは、これは、ただいまここでごあいさつがございました地元の原田札幌市長さんをはじめ、特にこの札幌市に誘致のために先行をされておりました岩田氏そのほかの方々の、現場における大活躍が功を奏したものであることはもちろんでございまするが、本札幌市が冬季オリンピックとして立候補いたしましたのは、すでに遠く昭和十年、一九三五年、いまから約三十年前でございまして、すでにその当時から、札幌としては、ぜひともわが市において冬季オリンピックを行なってもらいたいという地元の熱望があったのでございます。幸いにも昭和十三年、一九三八年でございましたが、IOCにおいて、オリンピック冬季大会は札幌市において行なうという決定を見たのでありますが、時たまたま国内のいろいろな事情からいたしまして、ついに開催することができず、その決定を返上いたしたことは、まことに残念であったのでありまするが、自来、地元並びに北海道の有力の方々、あるいは冬季オリンピックに対して非常に熱心な先輩各位の、熱心なる誘致運動がようやく功を奏して、今回このような成果をあげたものでありまして、すでになくなられました先輩をはじめとして、関係者並びにそのほかの方々に、今回の札幌決定に対しまして、私どもは心から敬意と感謝のことばをささげたいと思うのでございます。
そこでまず、今回の決定に際しまして、これから準備としていろいろのごとが行なわれるのでございまするが、先ほど原田札幌市長からお話がございましたように、今回札幌にきまったということは、一昨年の東京大会が、非常に好成績で世界的に好感を持たれて終わった。日本の受け入れ態勢及び施設がまことにりっぱであったということ、それからまた、日本に来られた選手、役員その他の方々が、日本国内の歓迎の状況についてきわめて好感を持っていたというようなこと、そうしたことやら、前回札幌がせっかく決定をされて、ついにそれが実らなかったというようなこと、そんなことが今回の決定の一つの原因であったと思うのでありまするが、私は、せっかく札幌市が冬季オリンピックに選定された以上は、東京大会に寄せられたる世界各国の人々の期待と信頼を絶対に裏切ることのないように、東京大会以上の好感を持ってこれを迎えてもらえるような、りっぱな施設と受け入れ態勢をひとつやっていただきたいということを、まず希望をいたしたいと思うのであります。
そこで、まず施設の点でございまするが、スケート場といたしましては、まず四百メートルのトラック、それから少なくとも一万人くらいを収容できる屋内スケート場、それからアイスホッケーのリンクといったようなものが、まず施設として必要ではないか。現在、真駒内においてこうした施設をつくるという予定はされておるのでありまするが、大体、オリンピック冬季大会は一九七二年でございます。その前にプレオリンピック大会、要するに前夜祭というものが、これは各国の慣例としまして、その前年に、参加各国の希望国家の選手が集まって、足ならし、場所ならしという意味におきまして、その競技場で大会を行なうのが慣例になっております。それからその前の年に、国内の競技をその場所で行なうということも、慣例になっておるやに聞いておるのであります。一九七〇年にその国内競技をそこで行なう予定になっておるのでありまするが、そういたしますると、すべての施設、スケート、スキー、こうしたものは、どうしても一九七〇年の夏もしくはおそくも秋ごろまでに、すべての施設が完成をしていないと、おそくなるんじゃないかと思うわけであります。ことにスキー場は、相当優秀な世界の選手が参りますが、大倉山にジャンプ台をということですけれども、これは、現在のジャンプ台ではとても設備が不完全で、これも全部改修するとか、これをこわして新設するとかなんとかしなければその目標に合わないのでございますが、いま申し上げたように、少なくとも一九七〇年の夏もしくは秋ごろまでにすべての設備が完成して、いつでも使えるという態勢に置かないと、冬季オリンピックとしての完全な態勢を整えたというわけにはいくまいと思っておりまするが、これに対して文部当局として、まだ組織委員会も開かれておりませんし、また、準備等も全然進んでいないようでありまするが、目標としては、そういう目標を置かねばならぬと私は思うのであります。それに対して、文部当局としてはどのような御見解を持っているか、まずそれをお伺いしてみたいと思います。