坂田英一の発言 (本会議)

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○国務大臣(坂田英一君) 先般政府は、林業基本法第九条の規定に基づきまして、昭和四十年度林業の動向に関する年次報告及び昭和四十一年度において講じようとする林業施策を国会に提出いたしましたが、以下、その概要を御説明いたします。
 第一に、最近における林産物の需給、林業経営の態様等、林業の動向について、特に三十九年以降を中心といたしまして申し上げます。
 まず、林産物の需要の動向について見ますと、近年わが国経済の成長に伴って、需要の増大と需要構造の変化を来たしております。すなわち、建築の増加、パルプ生産の進展等に伴う木材需要の増大と薪炭需要の激減であります。木材に対する需要は、経済の成長に伴い引き続き増加し、三十九年には、前年の四%増に当たる約七千百万立方メートルに達しております。これに対しまして、国内における木材生産の動向を見ますと、三十九年は、前年の一%増に当たる約五千二百万立方メートルとなっており、伸び悩みの傾向を示しております。このような木材需要の増大と国産材の供給の伸び悩みを反映いたしまして、三十九年におきましても、米材、ソ連材等外材の輸入が増加し、その結果、外材の供給量は一千九百万立方メートルをこえ、木材供給量の二七%となり、前年の二五%をさらに上回ったのであります。御承知のとおり、わが国の森林は、国土の六八%に当たる二千五百十万ヘクタールという広大な面積を占めているのであります。しかし、その開発は必ずしも十分でなく、生産性の高い人工林は、全森林面積に対し五〇%程度は造成可能と認められるにかかわらず、二九%にすぎない現状であります。しかも、最近における造林の状況を見ますと、停滞の傾向を示しております。したがって、林業生産の増大をはかるためには、林道の開設による森林の開発及び造林による資源の造成を一段と推進する必要があるのであります。
 次に、林業経営の動向について申し上げます。
 わが国の林業生産を担当している経営体は、きわめて多様であります。すなわち、国をはじめとして、都道府県、市町村、林家、会社などがあります。これらにつきましては、それぞれ経営上の諸問題が存しているのでありますが、わが国の林業生産の大半をになっております私有林経営の状況について申し上げます。
 私有林経営は、主として約二百七十万戸の林家によって行なわれています。その経営規模はきわめて零細でありまして、五ヘクタール以下の経営規模を持つ林家が全林家の九一%を占め、全林家の平均規模は二・四ヘクタールとなっております。このように、経営の基盤は脆弱であります。さきに申しましたとおり、林業生産は伸び悩みの傾向を示しているのでありますが、これは、最近における一般経済の停滞、木材価格の横ばい、林業労賃の上昇等、経済的な諸要因によるところも多いと思われますが、基本的には、生産基盤の未整備、規模の零細性、資本装備の低さなど、林業構造上の問題に基因するものと思われます。したがって、林業亜産の増大をはかり、あわせて林業経営の安定をはかるためには、林業構造の改善が必要となるのであります。
 次に、林業生産のにない手である林業従事者について申し上げます。
 林家のうち九四%が農家であり、また、林業労働者の約八〇%は農民、特に山村の農民であります。この山村の農民の流出が近年著しくなっておりまして、その結果、林業労働力は不足するとともに、その労賃も上昇を見ております。したがって、今後林業の発展をはかり、あわせて林業従事者の地位向上をはかるためには、労働環境の改善、労働条件の不利の是正が必要であります。
 以上申し上げましたのが、最近における林業の主要な動向であります。
 第二に、「林業に関して講じた施策」について申し上げます。
 これは最近、特に三十九年度以降において、政府が林業振興上実施した主要な施策を述べたものであります。
 第三に、「昭和四十一年度において講じようとする林業施策」について、その概要を申し上げます。
 政府といたしましては、ただいま御説明しました林業の動向を考慮し、林業基本法に定められた基本的方向に従って、諸施策の推進をはかることといたしております。
 四十一年度において講じようとする林業施策の主要なものといたしましては、
 まず第一は、林産物需要の動向に応ずるよう林業生産の増大及びその生産性の向上をはかることであります。このため、林業に関する基本計画の定めるところに従って、まずその生産基盤の整備拡充をはかることとし、従来から実施している林道のほか、新たに農林漁業用揮発油税財源の身がわり事業としての峰越し連絡林道の開設など、林道の整備拡充につとめるとともに、造林補助内容の充実等、造林に関する諸施策を推進し、また、素材生産の合理化のための機械導入に対する助成措置等を講ずることといたしております。
 第二は、林業構造の改善を積極的に推進することであります。このため、三十九年度から開始いたしました林業構造改善事業促進対策を昨年度に引き続き計画的かつ強力に実施するとともに、林業機械の導入、国有林野の積極的な活用、分収造林の促進、入り会い林野の近代化等の諸施策を講ずることといたしております。これに関連いたしまして、本国会に、入会林野等に係る権利関係の近代化の助長に関する法律案を提出する予定であります。
 第三は、林産物の需給の安定、流通の合理化等をはかるための施策を充実することであります。このため、林産物の需給及び価格の動向を把握する体制を整備し、流通の合理化及び外材輸入の適正、円滑化等の施策を推進することといたしております。
 第四は、林業従事者の養成確保をはかることであります。このため、教育訓練の実施、充実につとめ、林業従事者の養成確保をはかるとともに、林業労働力対策の実施、社会保障の拡充等、林業労働に従事する者の福祉の向上につとめることといたしております。
 第五は、林業金融の拡充及び林業税制の改善をはかることであります。このため、農林漁業金融公庫資金の各事業に対する融資ワクの拡大等、林業金融の充実をはかるとともに、林業構造改善事業において林地の交換分合をした場合の課税の特例等、林業に関する税制の改善を行なうことといたしております。
 以上のほか、最近における山村の動向にかんがみ、山村振興対策を推進するとともに、森林の持つ公益的機能を増進するため、保安林の整備、治山事業の拡充をはかることといたしております。
 なお、この文書におきまましては、農林省所管の事項にとどまらず、各省所管事項をも含め、林業に関する施策全般について記述いたしております。
 以上、昭和四十年度林業の動向等に関する年次報告及び昭和四十一年度において講じようとする林業施策について、その概要を御説明いたした次第であります。(拍手)
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 林業基本法に基づく昭和四十年度年次報告及び昭和四十一年度林業施策についての発言に対する質疑

発言情報

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発言者: 坂田英一

speaker_id: 7800

日付: 1966-03-08

院: 衆議院

会議名: 本会議