松野頼三の発言 (決算委員会)
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○国務大臣(松野頼三君) 共和製糖及び東洋果糖に対する開発銀行、農林公庫及び農林中金からの貸し付けについては、すでに、本委員会はじめ両院の各委員会において、しばしば審議の対象となり、政府は、その責任において調査し、結果を御報告申し上げる旨お答えしておきました。
農林省及び大蔵省としては、前回の本委員会審議終了後直ちに調査に着手し、鋭意調査を行なってきたところでありますが、その調査結果の取りまとめを終了いたしましたので、ここに御報告申し上げる次第であります。
調査の実施にあたりましては、まず、開発銀行、農林公庫及び農林中金に対し所要の調査を行ない、報告すべきことを求め、政府は、その報告を審査するとともに、みずからも実地調査を行なったものであります。
なお、調査の過程において、三機関に対し補足調査を指示する等の必要が生じましたため、当初の予定より若干日時を要することとなりましたが、各関係者の積極的な協力を得ることができ、政府としては、できる限りの努力を行なったものと考えております。
次に、今回の調査の結果を要約して申し上げたいと思います。
まず、細島コンビナート工場建設に対する融資の経緯について申しあげますと、昭和三十八年秋ごろ、農林省としては、粗糖輸入自由化後の事態に対処するための精製糖企業の合理化、イモでん粉の主産地である南九州の畑作振興等の観点から細島コンビナート工場建設を推進する方針を定め、三機関は、この方針に即し共和製糖及び東洋果糖が行なう工場建設について、所要の融資を行なったものであり、これを融資対象として取り上げましたことは妥当であったと考えられます。
ところが、粗糖輸入自由化後今日までの糖業事情ははなはだ深刻なものがあり、このような事態に対処して政府が講じた諸施策も、結果において十分効果を発揮したとは言いがたく、また、農林省で種々検討を重ねていたブドウ糖大型合理化工場構想も、結論を得られないまま現在に至っております。細島の精製糖工場の建設は完了いたしましたが、ブドウ糖・果糖工場の建設がまだ完了いたしていない事情には、このように砂糖、ブドウ糖をめぐる情勢がきわめて困難であったことが一つの原因であります。
共和グループの細島コンビナート工場建設の計画は、このような情勢のもとにおいて二転三転せざるを得なかったのでありますが、しかし、共和グループの企業としての責任も無視することはできません。このような大規模の建設計画を一貫して遂行する企業としては、安易に過ぎる面があったと言わざるを得ないと考えられます。
融資に当たりました三機関においては、それぞれの立場において種々努力をしてきたところでありますが、特に農林公庫及び農林中金の貸し付けにあたっての審査のあり方、債権保全措置等については、結果的には種々の問題が指摘されるところであります。しかし、この貸し付けにつきましては、甘味コンビナート工場建設という新しい事業に対する政策的融資でありましたこと、建設過程における糖業事情の急激な変転等の諸点を十分考慮に入れて判定する必要があるものと考えております。
農林公庫及び農林中金の貸し付け金が、結果的には精製糖部門等に流用され、また、農林中金が企業採算の悪化に伴い逐次運転資金の融資を増大してまいりましたことにつきましては、融資機関として、今後において十分慎重な配慮を払うとともに、債権の確保に十全を期し、その業務の改善についても、今後よく検討する必要があると考えられます。
また、本件に関する行政庁の指導には、情勢の変転が急激であったとはいえ、的確さを欠く点があったものと思われます。したがって、今後情勢の推移に即応し、金融機関に対し適時適切な指導を行なうことにつとめるとともに、糖価問題及びブドウ糖対策について、さらに検討を深め、的確な方針を確立する必要があると考えられる次第であります。
調査内容の詳細につきましては、事務当局より御説明申し上げることといたしたいと存じます。