藤枝泉介の発言 (本会議)
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○国務大臣(藤枝泉介君) 政治資金規正法及び公職選挙法の一部を改正する法律案について、その趣旨とその内容の概略を説明申し上げます。
御承知のとおり、政府は、選挙制度審議会に対し、選挙区制その他選挙制度の根本的改善の方策について検討をお願いしてきたところでありますが、同審議会は、去る四月七日、最近の政治情勢にかんがみ当面緊急に措置することを要する事項として、政治資金の規正及び連座制の強化等を中心とした「政治資金の規正等の改善に関する件」について、政府に答申をいたしました。
政府といたしましては、この答申に基づき、その趣旨を尊重して、政治資金規正法及び公職選挙法に所要の改正を行なうこととし、この法律案を提出した次第であります。
次に、この法律案の内容について説明申し上げます。
まず、政治資金規正法の改正についてであります。
第一に、政治資金の寄付の制限についてでありますが、まず、寄付の総額につきましては、個人のする寄付にあっては最高額を一千万円とし、会社その他の団体のする寄付にあっては最高額二千万円、最低額五十万円の範囲内において、それぞれ団体の規模に応じて制限を加えることといたしました。この場合、会社のする寄付につきましては、資本金のほか収益をも基準とし、労働組合等のする寄付につきましては、その組合員数に応じて十段階に区別して制限することとし、その他の団体のする寄付については、その規模等を表示する尺度を求めることがきわめて困難であるため、一律に前年の支出額の十分の三に相当する額を限度とすることとしたのであります。また、制限額昭和四十二年六月二十二日の範囲内において寄付をする場合には、政党及び政治資金団体に対する寄付については制限を設けないこととし、それ以外の政治団体または個人に対する政治資金の寄付については、同一の者に対し、年間五十万円をこえてはならないことといたしました。
次に、国または公共企業体と請負契約の関係にある者及び日本開発銀行等四政府関係金融機関から融資を受けている中小企業以外の会社のする寄付につきましては、請負契約額、融資額の比重がきわめて低いものを除いて、一般の場合の二分の一に制限することといたしました。また、国から補助金等の給付金の交付を受け、または資本金等の出資を受けているいわゆる特定会社その他の特定の法人のする寄付につきましてもこれを禁止することといたしましたが、これらの場合において、国と関係のない地方公共団体の議会の議員または長の候補者等に対してする寄付については、適用を除外することといたしております。
なお、地方公共団体と請負契約関係にある者、地方公共団体から補助金等の給付金を受けている会社その他の法人等のする寄付についても、国の場合に準じて、制限ないし禁止することといたしました。
さらに、欠損を生じた会社のする寄付、匿名及び他人名義の寄付並びに外国人等のする寄付につきましても禁止するとともに、寄付のあっせんにつきましては、寄付者に威迫を加えたり、賃金、下請代金等から天引きして寄付を集めることのないよう措置することといたしました。
以上の政治資金の寄付の制限と関連して、その違反者に対する所要の罰則規定を設けることといたしております。
第二に、政治団体の届け出並びに収支報告及びその公表等についてであります。
すなわち、政治団体の届け出があったときは、その内容を公表して、これを国民に周知することとするほか、会計帳簿及び収支報告書に記載すべき内容等について改善、合理化を加え、政治資金公開の趣旨を徹底することといたしました。
第三に、政党等の定義についてであります。
今回の改正によりまして、政治資金の寄付に関しましては一定の制限が加えられることとなり、かつ、政党本位の政治活動の推進をはかるため、政党に対する寄付と政党以外の政治団体に対する寄付を区別して制限することとなりますので、政党と政党以外の政治団体との区別を明確に規定することといたしました。
また、政党中心の資金調達を容易にするため、各政党について一の団体を限って政治資金団体を設けることを認め、これに対する政治資金の寄付については、政党と同様の取り扱いをすることといたしました。
このほか、党費、会費及び政治活動に関する寄付等につきましても、その内容を明確にして、規制の合理化をはかることといたしております。
以上申し上げましたほか、これらの改正に伴いまして、個人または法人が寄付を政党または政治資金団体に対してした場合には、その寄付金について課税上の優遇措置を講ずるとともに、その他必要な関係規定の整備を行なうことといたしております。
次に、公職選挙法の改正について申し上げます。
第一は、公職の候補者等の寄付の規制についてであります。
すなわち、公職の候補者等が選挙区内にある者に対してする寄付は、政党その他の政治団体または親族に対してする場合及び公職の候補者等がもっぱら政治上の主義または施策を普及するために行なう講習会等において必要やむを得ない実費の補償としてする場合を除き、全面的に禁止することとしたほか、公職の候補者等がその役職員または構成員である会社その他の団体がこれらの氏名を表示し、またはこれらの者の氏名が類推されるような方法でする帯付についても、政党その他の政治団体に対してする場合を除き、一切禁止することといたしました。また、後援団体のする寄付等の禁止期間を延長するとともに、後援団体以外の団体で特定の公職の候補者等を推薦しまたは支持するものについても、後援団体に関する制限に準じて制限を設けることといたしました。
第二は、連座制等についてであります。
いわゆる連座制につきましては、選挙運動の実態にかんがみ、数個に分けられた選挙区の地域における選挙運動または多数の選挙人が属する職域または組織を通じて行なう選挙運動を主宰した者をも連座対象者の範囲に含めるとともに、公職の候補者または総括主宰者等と意思を通じて選挙運動をした公職の候補者の父母、配偶者、子または兄弟姉妹については、公職の候補者と同居の有無にかかわらず、連座対象者の範囲に含めることとし、同居している父母、配偶者、子または兄弟姉妹については、公職の候補者と意思を通じているものと推定することといたしました。
また、選挙犯罪を犯し罰金の刑に処せられた者については、当該選挙犯罪がきわめて軽微なものである場合を除き、裁判所が情状により公民権を停止しない旨を宣告することができる制度を廃止することといたしました。
その他、昨年実施された永久選挙人名簿制度の運用の実態にかんがみ、選挙人名簿の登録回数を増加する等その合理化をはかることといたしました。
以上がこの法律案の要旨であります。(拍手)
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政治資金規正法及び公職選挙法の一部を改正
する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する
質疑