愛知揆一の発言 (外務委員会)

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○愛知国務大臣 私は、具体的な沖繩の問題ということとも関連することと思いますけれども、一九七〇年代というのは、日本にとりましても、非常に大きく発想の転換をすべき十年間ではないかと考えておるわけでございます。それは東南アジアのみならず、世界的な状況の変化が流動的で、どうなるかということについてはいろいろな見方もございましょうけれども、われわれとしてなすべきことは、やはり終局的にはそういった緊張が起こらないようにするということについては、一つには、それらの地域の民生が向上し、かつ安定し、将来にそれぞれの希望が持てる、そういう環境を着実につくり上げることではなかろうかと考えるわけでございます。幸いにしてと申しますか、現状のようなスピードで日本の経済力その他の力がついてまいりますれば、たとえば一九八〇年には、前にも申し上げましたように、日本の総生産というものが相当高度に達し得る。ここ数年来の状況から見ると、多少控え目に見ても、五千億ドルくらいのGNPになるのではないか。DAC、UNCTADその他でかねがね要請されておりますように、GNPの少なくとも一%くらいは、先進諸国は発展途上国に対していろいろの意味で協力をすべきものであるということが要請されておりますが、かりに一%ということをとれば、一九八〇年には五十億ドルという数字が自然に出てくるわけでございます。ところで、ひるがえって現状はどうかといえば、〇・五%程度ということになっておりますから、これを年を追うごとに比率を上げながら、また基準になるGNPが増加してまいりますれば、一九七〇年から八〇年ごろまでの間の十年間を考えてみますと、その間になし得る寄与の額というものは相当巨額なものであって、現状からはちょっと予想を越えるような規模も考えられるのではないかと思います。
 幸いに、こういう考え方、そういう発想は、私だけではございませんで、関係各省庁、政府部内におきましても、相当積極的な、意欲的な考え方が盛り上がってまいりましたことは、先般のアジア開銀の総会において福田大蔵大臣からも意欲的な数字をあげての意見の表明がありましたし、あるいはまたエカフェの総会において木内国務大臣が日本政府代表として表明いたしましたことも、一連のつながりがあるわけでございまして、こういう面で権威あるところのいろいろの国際機構ができております。たとえばASPACもその一つでございましょうし、東南アジア開発閣僚会議もそうでございましょうし、あるいはエカフェもそうでございましょうし、こういうふうな平和的な目的でもって地域的な協力をする。日本としてもなし得る限りの協力をする。具体的な構想を練りながら、地域協力の構想に応じ得るような、平和的で効果的な援助を展開していく。そして日本のような平和憲法を持つ国として、軍事的な協力ということはかりそめにも考えない、こういう考え方を定着させながら、主として経済の面、技術の面あるいは文化の面において積極的な協力をしていくということが、とりもなおさず直接に民生の安定につながっていく。そこから矯激な考え方あるいは国際的な紛争を起こすような発想というものもできるだけ未然に防止することができるのではなかろうか、こういうふうに考えるわけでございまして、その間にはそれに応じたような反応も必ず出てくるに違いないし、またそれを起こしていきたいということで、力によって他国に脅威を与える、あるいは脅威を与えるどころではない、具体的な紛争が起こるようなことが未然に防止されるような、まあ一面から言えば、夢みたいなロマンチックなことばかりを言うとおしかりを受けるかもしれませんが、先ほども仰せがございましたように、一つの政治のビジョンとしてこれを持ちながら、具体的に着実に進めていくということに大きな期待をかけていくべきではないか、私はそういうふうに考えておる次第であります。

発言情報

speech_id: 106103968X01919690514_015

発言者: 愛知揆一

speaker_id: 34728

日付: 1969-05-14

院: 衆議院

会議名: 外務委員会