愛知揆一の発言 (外務委員会)

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○愛知国務大臣 ASPACにつきましては、申すまでもないところでございますけれども、先ほど申しましたように、平和的な相互協力関係で、いろいろの問題を隔意なく意見を交換するし、あるいはこういうプロジェクトが適当ではないかというものがあったならば、これをそれぞれフリーに提案をし、そして討議をして、みんなが合意するようなものであるならば、それを実現の道に乗せていこうというのが従来からの考え方でございまして、まず第一に、私は、具体的な提案ということはともかくといたしまして、基本的には、従来からASPACが持っておりました性格というものをますます明確にする。たとえば世上、あるいはある人たちといってもよろしいかと思いますが、ASPACというものは軍事同盟にするつもりであろうというような説が行なわれておりますけれども、今回は日本が議長国の番でございまして、伊東の川奈で六月九日から三日間総会が行なわれる。その準備のためにすでに五回か六回常任委員会というものを東京で開いておりますが、この常任委員会には東京駐在の各国の大使が常任委員として出席をいたしておりまして、今回の総会の準備のためにもいろいろの案を出しております。その間を通じて私もみずから観察し、みずから議事運営に当たっておりますけれども、このASPACを軍事同盟化しようなどという意見はどこの国からも全然出ておりません。われわれとしては、ここまで育て上げてまいりましたこの性格というものは、あくまで平和的な相互協力である、こういう考え方が定着しておりますので、このASPACが軍事同盟化するというようなことは絶対に予想されません。また、かりに観念的な問題として万々一そういうような意見があり得たとしても、これは特に主催国とし、あるいは多くの協力国との合意がいま申しましたようにできておるのでありますから、私といたしましても、日本政府といたしまして、ASPACのこうした性格というものは今後とも大切に育て上げていこう。そして実は日本の一部にもそういった懸念に基づく言動をされる方もありますけれども、事実においてさような御心配は全然ない。のみならず、こういうものを育て上げることによって、先ほど申しましたような考え方が創造されていくのである。またぜひそういうふうにしていきたい、こういう気持ちでリードしてまいりたいと考えております。
 それから、具体的な提案というものについては、いま申しましたような、いわば次元の高い託し合いといいますか、意見交換からしますと、やや次元が低いようにも思われるかもしれませんが、たとえば日本側といたしましては、かねがね、太平洋をめぐる国々が多いものですから、たとえば国際的な海難救助、海洋関係の相互連絡を強化するということは、人道的な立場から見ましても非常に望まれていることでございます。また日本に対する期待も非常に大きいものでありますから、日本といたしましても、関係省庁と十分協議をいたしまして、そして海難救助等を中心にする、そういうふうな海洋の面での協力関係というものを、どういうふうに組織をつくり、どういうふうにお金がかかり、どういうふうな相互連絡の方法をとったらいいかというようなことを含めた一つの提案をして、そして各国でも十分相談をしてもらいたい、こういうふうに考えておりますのが一つの例でございます。そのほか、農業関係、肥料関係あるいは軽工業関係等にわたりまして、それぞれの立場で各国代表からいろいろの提案が過去においてもあり、その中においては、すでに何々センターというようなことで、関係参加国の知能を結集いたしまして、具体的な成果をあげつつあるものもございます。また文化面においてもそうでございます。
 しかし、相対的に言えば、先ほど申しましたアジア開発閣僚会議というようなものもあり、エカフェというようなものもあり、あるいはアジ銀総会というようなものもあり、多くの機構がございますから、あまり具体的な問題は、ASPACとしては積極的に提案するというよりは、関係国がほかの機構ではなかなか取り上げるのに適当でなかったり、あるいは便宜が少ないというようなものを取り上げるというような姿勢でやっていこうというのが、大体現在の空気のように私は観察いたしております。また、そういうふうに運営していってしかるべきではないかと考えております。

発言情報

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発言者: 愛知揆一

speaker_id: 34728

日付: 1969-05-14

院: 衆議院

会議名: 外務委員会