田邊誠の発言 (懲罰委員会)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○田邊委員 私は、日本社会党、日本共産党・革新共同、公明党及び民社党を代表いたしまして、本件は懲罰事犯と認められないので、懲罰事犯にあらずと決すべしとの動議を提出いたします。
議員小林政子君の本年四月二十六日、物価問題等に関する特別委員会における発言は、議員の当然の権利としての発言権に基づくものでありまして、何ら懲罰の対象となるものではありません。すなわち小林君の発言は、第一に、物価政策に対する政府の無策を追及し、この基本に関連をして田中総理の政治姿勢をただしたものであります。
特に、田中総理の日本列島改造論が打ち出されて以来、土地の高騰は著しいものがありまして、この政治責任を追及することは当然なことであり、これが小林君の質問の本旨であります。
そして、この日本列島改造計画の中心である一日行動圏としての新幹線、高速道路の通過地域の土地の買占めは目に余るものがあります。この中には、その通過を事前に情報として知り、あらかじめ土地の買いあさりをしているといううわさが流布されておるのも確かであります。
その一例として、上越新幹線の通過地点における疑惑を解明しようとしたのもまた当然のことでありまして、われわれとしてもうかがい知れるところであります。したがって、このような列島改造計画を持ち出し、その推進に当たってきた田中総理と親友の間柄にある人が、その前後に新幹線ルート付近に土地を買っているというこの事実と総理との関係があるのではないかという疑問に対して問いただすことも、また必要なことであろうと思います。したがって小林君の発言は、その本質におき、その趣旨においても、現在国会に課せられておる物価問題に対する政府の施策に対して国民を代弁する立場で行なわれた発言であります。われわれは小林君の発言は当然の権利として認めらるべきものと思うのであります。
自民党から出されておりますところの懲罰動議の中に、小林君の発言中にいろいろな不穏当な字句がある、こういうことがいわれておりますけれども、議員の発言中幾らかの不十分な点あるいは若干の前後の事情の不明な点がありましても、これは当然その間の事情を解明をすれば事足りるのであります。当日の委員会におけるところの質問時間等の制約の中から、小林君の発言の中におけるこれら不十分な点は、当然質問技術上の問題として許容さるべきものであり、物価特別委員長のとった措置においても明らかなとおり、これは当該委員会において処理され得るものでありまして、これを懲罰にかけるごときは断じて許すべきでないと思うのであります。私は、このような懲罰動議が出されまするならば、今後における国会における発言の制約として重大なものがあると考えておるわけでありまして、われわれはあくまでも自由な立場に立って国会の審議に参加し、そして与野党を通じ政府の施策の改善を求める立場から、われわれはこれを認めていかなければならぬと考えておる次第であります。
今回の懲罰動議を出したことに対して、われわれはこれを断じて許すことはできません。したがって、小林君の発言は前後の事情を照らし、その内容をつまびらかにいたしましても、懲罰事犯にあらずとわれわれは考えておるわけでございますから、この意味から本件に対しては、懲罰事犯にあらずと決すべしとの動議を提出する次第であります。