小澤太郎の発言 (本会議)

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○小澤太郎君(続) そのために予算委員会における審議も一時中断したのであります。ドル切り下げ、円の変動制移行は、日本経済に相当な影響を及ぼすものであり、政府は現在すでに輸出関連中小企業等に対する金融の拡大等、適切な措置を実施しつつありますが、この際、政府が冷静に各国の動向を注視し、国益を守り、国際協調をはかる上で万全の措置をとることを期待するものであります。
 政府が国際通貨の激動に対処して、変動相場制を持続しながら、円の実勢価値を掌握し、さらに国際通貨安定策を検討しつつある今日の段階では、四十八年度予算を組みかえようとする野党の要求は、非現実的であり、(拍手、発言するもの多し)また全く無理な話であります。
 それよりも、一刻も早くこの予算を成立させて、国際収支の改善に全力を注ぐとともに、中小企業対策等必要な措置を適時適切に行ない、さらにその必要が生じた場合には補正予算を組むというやり方のほうが、より賢明にして現実的だと思うのであります。(拍手)
 次に、私は、昭和四十八年度予算のおもな内容を二、三あげながら、賛成の意見を述べたいと思います。
 まず第一は、社会保障の充実であります。
 予算額から見ましても、四十八年度の社会保障関係費は二兆円をこえ、一般会計における構成比も一四・八%とふえておるのであります。
 内容的には、高齢化社会に対応する老人対策に重点が置かれております。いわゆる五万円年金の実現、物価スライド制の導入、また、福祉年金の引き上げとその扶養義務者の所得制限の大幅緩和等、各種年金の改善と並んで、老人医療の無料化の拡充、老人ホーム等に対する助成の充実等、老人福祉対策が積極的に推進されておるのであります。
 また、老人対策以外の社会保障の政策としては、医療保険制度の改善、難病奇病対策の充実、遺家族援護、生活扶助基準の大幅引き上げ等をあげ得るのであります。
 第二は、社会資本の整備であります。
 一般会計の公共事業関係費は二兆八千億円をこえ、歳出総額のほぼ二割を占めるに至っております。その上に財政投融資の伸びを見込みますと、四十八年度における公共投資の伸びは画期的なものと言い得るのであります。
 また、機構面で、国土総合開発庁の新設と国土総合開発公団の発足が予定されており、計画としては、道路整備、漁港整備、土地改良の各事業について、それぞれ新規の長期計画が策定されることになっております。
 さらに特筆すべきは、昭和四十八年度においては、住宅及び生活環境施設の整備に力点が置かれているということ、税制の整備とあわせて、土地対策を積極的に進めているという点であります。
 第三は、文教予算の充実であります。
 教育の向上をはかるには、何よりもまずりっぱな教育者を得ることが重要でありますが、四十八年度予算においては、国公立の小中学校教員の給与改善のための特別経費が計上されております。
 これはわが党のかねてよりの主張に基づくものでありまして、処遇の改善と人材の確保という目標に一歩踏み出したものと言い得るのであります。(拍手)
 なお、ほかに注目すべきものとしては、教員の海外派遣の大幅な拡充、私立学校に対する経常費補助を前年度より四四%と大幅に増額していること等をあげることができます。
 第四は、租税負担の軽減合理化がはかられたことであります。
 すなわち、中小所得者の税負担の軽減をはかるため三千百五十億円の減税、産業関連の租税特別措置の改廃及び交際費課税の強化による百五十一億円の増収、そのほか福祉対策、公害対策、勤労者財産形成、住宅対策、中小企業対策に資するための減税を行ない、国税、地方税を通じて四十八年度減税額は四千六百億円となっておるのであります。(拍手)
 四十八年度予算の内容については、以上のほか、公害防止及び環境保全対策の拡充強化、農林漁業及び中小企業の近代化、地方財政対策等がその特色と見られるのであります。
 以上、昭和四十八年度予算は、一貫して国民生活の充実を目ざして、社会資本の拡充、福祉優先へ大きく転換を実現したものであり、まさに適切妥当なものであります。(拍手)
 次に、四党提出の予算編成替え動議について申し上げます。
 私は、四党が共同提案を行なわれた御苦心には敬意を表するにやぶさかではありませんが、前年度の予算審議に際し、日本共産党を除く三党が共同で提案された案の内容に比べて、著しく具体性を欠いた提案であることを、まことに残念に思うのであります。(拍手)
 言うまでもなく、予算は、国や政府関係機関の活動を、金額の面で国会が規制する形式であります。にもかかわらず、組み替え案には、予算について何らの数字が掲げられておらないのであります。(拍手)
 円の変動相場制移行により予算編成の前提がくずれたから、予算を組み替えるべきであるとの御提案でありますが、しからば、年間を通じて経済成長率はどの程度と推計され、予算規模はどの程度にすべきだとお考えでしょうか。遺憾ながら、それさえ、何ら数字をもって明示されておらないのであります。(拍手)
 また、国民負担の軽減を主張しながら何らの明確な計算もなく、より高い福祉が実現されるかのごとき印象を与えることも、無責任といわざるを得ないのであります。(拍手)次に、政府原案を大企業優先のインフレ予算ときめつけ、国民生活優先の政策に置きかえよという御提案でありますが、すでに述べましたように、政府原案は、限られた財源で国民福祉の向上に最重点を置いて編成されたりっぱな予算であり、その御提案は断じて承服するわけにはまいりません。(拍手)
 以上の理由により、私は、政府提出の四十八年度予算三案について賛成し、野党四党提出の予算編成替え動議には反対するものであります。(拍手)
 最後に、予算審議の過程で特に問題となった、いわゆる平和時における防衛力の限界について申し上げます。
 これはもともと、衆参両院を通じての日本社会党議員の要求に端を発して、防衛庁が誠心誠意検討を急ぎ、予算委員会劈頭においてこれを公表したのでありますが、その後日本社会党は態度を一変させて、これを撤回しなければ予算の審議に応じないという主張に変わったことは、私どもの全く理解に苦しむところであります。(拍手)
 しかし、政府が誠意をもって防衛力の限界を示したことは、従来、野党側のためにせんとする宣伝によって、わが国の防衛力が無制限に拡大するのではないかとの一部の疑惑を一掃したことは、政府の勇断によるものでありまして、私は、心からこれを評価するものであります。(拍手)
 以上をもって、私の討論を終わります。(拍手)

発言情報

speech_id: 107105254X01619730313_013

発言者: 小澤太郎

speaker_id: 34169

日付: 1973-03-13

院: 衆議院

会議名: 本会議