金子満広の発言 (本会議)
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○金子満広君 私は、日本共産党・革新共同を代表して、田中内閣不信任決議案に対して、賛成の討論を行ないます。(拍手)
田中内閣が成立して十四カ月、いまや庶民政治、庶民内閣などの宣伝は完全に消え去り、そこにあらわれたものは、国民生活を破壊し、国の現在と未来をますます危険に導く、おそるべき田中内閣の素顔であります。
アメリカ従属、大企業本位の政治の実態が、いかに無慈悲、残酷なものであるかは、今日、国民の前に展開されている事態を見れば、一目りよう然であります。(拍手)
田中内閣は、この十四カ月、一体何をしてきたでしょうか。
まず、田中内閣の第一の罪として指摘しなければならないことは、日本列島改造の看板で、大企業本位の超高度成長政策を強行して、国民生活を破壊してきたことであります。
田中内閣のもとで、物価の値上がりは空前なものとなり、政府統計でも、この一年間に消費者物価は一二%、卸売り物価は一六%と、この二十年来かつてなかった記録的な上昇を示しているのであります。それにもかかわらず、総理は、物価安定を求める国民の声に耳をふさぎ、国鉄、健保をはじめ、公共料金の大幅引き上げを平然と強行したのであります。
さらに、大企業による土地の買占め、地価の暴騰は、北海道から沖繩に至るまで全国的な規模にまで広がり、勤労者はもちろん、地方自治体の必要な土地の取得すら絶望的な状態に置かれているのであります。公害は日本列島全域に広がり、国民の重要なたん白源である魚介類さえ安心して食べられない状態をつくり出したのであります。
総理、あなたは、こうした重大事態に直面しながらも、なお大企業本位の超高度成長政策をやめるどころか、臨時国会を開いてまで、あの悪名高い列島改造法、国総法の成立をさせようとしているのであります。もはや、このような政府の存在が、国民の利益と両立しないことは明白であります。(拍手)
第二の罪は、田中内閣の民主主義への挑戦の問題であります。
すでに明らかなように、この実態を浮き彫りにしたのは、ほかならぬ小選挙区制の問題であります。あらためて強調するまでもなく、田中総理が陣頭に立って強行しようと企てたこの小選挙区制が、国民のきびしい批判を受け、選挙のたびごとに凋落しつつある自由民主党を、選挙制度の改悪によって議席だけは確保しようとしたものであり、政治クーデターにもひとしい暴挙であり、議会制民主主義を根本から破壊するものであることは、いまさら多言を要しないところであります。(拍手)
民主主義への挑戦は、これだけにとどまらず、今回、明確な自衛隊の違憲判決があってもなおこれに挑戦し、防衛二法強行、四次防の促進を平然として推し進めているのであります。
さらに、国民に背を向けた悪法の成立のためには、野党の質疑を圧殺し、強行採決に次ぐ強行採決、通年国会制を唱えながら、会期延長に次ぐ会期延長という暴挙を次々に重ね、ついに田中内閣は、空前の会期延長をしたのであります。これが、憲法、国会法に対するあからさまな違反であることはもちろん、議会制民主主義の破壊であることは、いまや天下に明らかになっております。
これこそまさに民主主義の公然たる否定であります。再び暗黒政治への道を許さないためにも、私は、田中内閣の退陣を断固として要求するものであります。(拍手)
田中内閣の第三の罪は、日米軍事同盟の強化と軍国主義復活強化の道をさらに推し進めてきたことであります。
田中内閣は、歴代自民党内閣と同じく、アメリカ帝国主義のベトナム侵略を正義の自衛戦争だと称して、国民の抗議を無視し、日本の基地を提供し続けてまいりました。ベトナム協定が一月に締結され、アメリカの侵略の本質が一そう明らかになった後にも、日本をアメリカの戦争基地とする日米安保条約に何らの反省も加えず、米第七艦隊所属航空母艦ミッドウェーの横須賀母港化をはじめ、在日米軍基地の機能強化に全面的に協力してきました。
さらに、憲法違反の自衛隊の増強を強行し、県民の意思を踏みにじって自衛隊を沖繩に派遣するなど、日米共同作戦体制を新しい段階に推し進めようとしているのであります。
しかも、見過ごすことのできない問題は、核兵器の完全禁止を求めた参議院決議が自民党を含めて全会一致で採択された直後、さきの日米会談で安保条約の強化をうたい上げ、これに加えて、総理は、日本が米国の核のかさのもとにあることは将来も不変であるなどと公言したことであります。これは国会決議のはなはだしいじゅうりんであり、日本国民に対する許しがたい挑戦であります。
さらに、朝鮮半島などを日米共同の生命線とし、日米軍事同盟の利益を日本の主権に優先させてはばからない政府の態度は、今回の金大中氏事件によっても遺憾なく暴露されたところであります。
いまや、田中内閣の失政と悪業は枚挙にいとまがありません。田中内閣に対する国民の審判はすでに下っております。それは、多くの世論調査によっても明白であります。
田中内閣の不信任決議案をいま国会がここで審議している以前に、すでに国民は、田中内閣に対し、不信任の立場を明らかにしているのであります。
いまや、田中内閣の退陣を求める声は、天の声、地の声、国民の声となっているのであります。(拍手)
国民の利益を守るため、田中内閣の存続をこれ以上許すことはもはやできません。
総理、いまあなたが国民の利益に奉仕しようとするならば、ただ一つの道が残されています。それは、あなたがいさぎよく退陣することであります。
以上をもって、私の田中内閣不信任決議案に対する賛成討論を終わります。(拍手)