野間友一の発言 (本会議)
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○野間友一君 私は、日本共産党・革新共同を代表し、内閣提出の国民生活安定緊急措置法案及び自由民主党の修正案に反対する討論を行ないます。(拍手)
昨年来の物価の異常な急上昇、これと並行してつくり出された物不足は、生活保護者、年金生活者はもとより、労働者、農民、漁民、中小零細業者など、すべての働く人々の生活を耐えがたいまでの深刻な状態におとしいれております。今日の事態を招いた政府の責任はきわめて重大であります。(拍手)
田中内閣は、大企業が過剰流動性をかかえているまさにそのとき、金融をいたずらに緩和し、列島改造論で土地投機、商品投機をあおり立て、超大型インフレ予算を組み、国鉄運賃、消費者米価をはじめ、次々と公共料金引き上げの決定を行なったのであります。
しかも、大企業による砂糖、石けん、トイレットペーパー、建設資材などの売り惜しみ、価格つり上げに対して、買占め売り惜しみ法の適用すら行なわず、大企業の火事場どろぼう的な大もうけを放置してきたのであります。
今日の石油危機は、物価高、物不足と再生産の撹乱を一そう促進させていますが、その根本原因がアメリカ系大資本が支配する石油に依存する対米従属的エネルギー政策とアラブ政策に見られるような対米従属外交にあることは、国会審議を通じて明々白々となったのであります。(拍手)
しかも、田中内閣は、これらの失政に何らの反省も加えず、財界、大企業の石油危機対策に盲従し、大企業の価格カルテルを容認し、一切の犠牲を国民に転嫁する本法案を提出したのであります。
私は、ここに、本法案に反対する態度を断固として表明するものであります。(拍手)
その第一の理由は、政府の価格決定が必然的に物価の上昇を追認するとととなり、価格を値上げ前に戻せという国民の痛切な声を全く無視していることであります。
本法案によって政府がきめる標準価格、特定標準価格なるものは、すべて市場の実勢をもとにきめられるもので、今日の異常な物価高をそのまま反映するものとなることは明白であります。これは大企業の価格つり上げの追認にほかなりません。価格を値上げ前に戻すただ一つの道は、とれまで国民の目から隠されていた価格形成にメスを入れ、市場をまかり通ってきた大企業の生産費、仕入れ価格、輸入価格や膨大な利潤にメスを入れ、その原価計算を厳密に行なうことであります。大企業の不当な利潤を押え、国民だれもが納得できる適正な生産費、仕入れ価格や利潤を明らかにし、これを指示価格として厳重に守らせることであります。
さらに、この指示価格決定のために必要な資料を提出させる資料提出命令の権限を規定し、原価を広く国民に公表することが必要であります。
本法案には、これらの物価安定のための最小限の条件すら欠落しており、とうてい国民の期待にこたえるものとはいえないのであります。
第二の反対の理由は、国民の生活必需物資の優先的な安定供給が全く確保される保障がないことであります。
国民の生活に必要な物資を大量に生産し、在庫を大量にかかえている大企業に気がねをしている政府は、国民のために生産、出荷、輸入、輸送、保有などを大企業に命令することができず、わが党の命令権を認めよとの主張に一貫して反対してきたのであります。この態度こそ大企業の売り惜しみ、買い占めとともに、今日国民生活を深刻な状態におとしいれている元凶であります。
いま国民は、プロパンガスや灯油、砂糖、小麦粉などに困っております。特に心身障害者や老人ホームなどの社会福祉施設や生活保護世帯は塗炭の苦しみをなめております。だからこそ、わが党は大企業に対して命令できる規定を入れ、一般消費者、中小企業、農漁業者、公共交通事業、医療社会福祉事業、言論出版に関する事業については、特に必要な物資の優先確保を政府に義務づけることを主張してきたのであります。(拍手)本法案は、このような国民の切実な要求に何らこたえるものになっていないのであります。
第三の反対理由は、本法案が配給、割り当てなど、憲法第二十二条の営業の自由、第二十九条の財産権の保障など、基本的人権にかかわる重大な決定を行なうのに際し、国会の議決を行なわず、政令にまかせようとしていることであります。
今日のような経済危機に際して、国民生活防衛のために配給、割り当て制を導入することはやむを得ざる措置でありますが、この決定は、国権の最高機関である国会の議決によってこれを行なうのが当然であります。この当然の措置すら行なおうとしないことは、国民の基本的人権にかかわる重大事態を一片の政令によって行なおうとする田中内閣のファッショ的態度を明白に示すものであります。(拍手)
第四の反対理由は、本法案の国民生活安定審議会は、わが党をはじめ野党が一致して主張してきたものとは全く異なり、国民参加のもとに、大企業の横暴や政府の大企業への追随を何ら阻止する機能を持たないことであります。
すなわち、本法案による審議会は、総理大臣または関係大臣の諮問がなければ建議を行なうことができず、現行の物価安定政策会議総会が総理の諮問がないため二年間も開かれなかった前例を踏襲する危険があります。これは、諮問の有無にかかわらず、自主的、積極的に問題を内閣に提起するという、わが党をはじめ、野党各党が主張してきた審議会とは全く異質のものであります。また、消費者をはじめ、国民各層を民主的に代表するという民主的構成も保障されていないのであります。これでは、従来の自民党政府下の審議会と何ら変わらず、大企業本位の自民党政治をおおい隠すイチジクの葉の役割りをになわせられるだけだといわなければなりません。(拍手)
いまや、国民の前には、この重大な経済困難を前にして、大企業の利益を優先し、国民生活を犠牲にするのか、それとも国民多数の意思を反映して、大企業の横暴を民主的に規制し、国民生活を防衛するかの二つの道のきびしい選択が迫られているのであります。
日本共産党・革新共同は、断固として自民党・田中内閣の大企業奉仕の道に反対し、経済政策の根本的転換を目ざして奮闘する決意をここに表明します。(拍手)
なお、この法案の委員会審議において、わが党が抜本的修正案を提起する意思を委員長に表明し、
これで私の反対討論を終わります。