林百郎の発言 (本会議)

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○林百郎君 私は、日本共産党・革新共同を代表して、ただいま議題となっておる予算委員長荒舩清十郎君の解任決議案に対し、賛成の討論をいたします。(拍手)
 今日、国民が異常な物価の暴騰、物不足により塗炭の苦しみにあえいでいるとき、その諸悪の根源である大企業、大商社の代表を本院予算委員会に証人として喚問し、その実態を解明することは、いまや国民各界各層の一致した切実な声となっているのであります。
 しかるに、自由民主党と荒舩予算委員長は、国民のこの切実な要求に対し、あらゆる詭弁を弄し、挑戦し続けてまいりました。しかも、後に述べるごとく、証人喚問権は国会の持つ当然の権限であります。しかも、与野党の折衝の過程において、事態の打開のため、わが党はじめ野党が提案した、予算委員会の審議でその非が明白になっている企業及び業界代表を証人として喚問する、他の企業及び業界の代表者については、とりあえず参考人として呼ぶという提案に対してすら、これを拒否し、まるで抜き打ちにもひとしい暴挙によって予算委員会を開会し、一方的採決を強行したのであります。
 自民党のこのような暴挙が、議会制民主主義を根本から否定するものであることは明らかであり、民主主義を望む国民のとうてい許すことのできないところであります。(拍手)もはや、この事態は、自民党が人為的にたくらんだ物価つり上げによってかつてないばく大な利益をせしめた大企業を擁護し、これに癒着しておる醜悪な事態が国民の前に明らかになることをおそれた結果であります。(拍手)このことは何人も否定し得ないところであります。
 いまや国民は、この事態を次のようにきびしく批判しております。自民党は、なぜ、国民を苦しめ、暴利をむさぼる大商社をこれほどかばうのか。それは財界との癒着の深さを示す例証としか言えまい。自民党に責任ある与党としての感覚があるならば、断固、証人として喚問すべきである。さもなければ、自民党そのものに国民の疑惑が増していくであろうと。これはいまや圧倒的な世論となっているのであります。(拍手)われわれが本決議案に賛成する第一の理由も、まずここにあります。
 本決議案に賛成する第二の理由は、このたびの強行採決は、与党自民党が、憲法第六十二条が規定しておる国会における国政調査権の最も重要な機能である証人喚問権をじゅうりんし、大企業の利益と国政を癒着させ、議会制民主主義に挑戦する暴挙を行なったことであります。
 自民党の諸君は、証人喚問は立法府の行政権への介入であり、自由主義のたてまえからそれは認められないとか、また、まず最初に参考人として出席を求め、問題があるときにあとで証人に切りかえればよいなどと主張し、あくまで証人の喚問に反対し、大企業をかばおうとしております。しかし、諸君、議院の証人喚問権は憲法に明確に規定されております。衆議院規則第五十三条には「委員会は、議長を経由して審査又は調査のため、証人の出頭を求めることができる。」と規定されておるのであります。これを受けて、議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律も制定されておるのであります。証人喚問権は、国権の最高機関たる国会が行なう国政調査にとって重要な権能であることは、国民ひとしく認めているところであります。特に予算審議中に次々と明らかになった大企業の横暴、石油危機にあたって、これを千載一遇の好機として不当利益をあげるための指示を行ない、総理みずからも、悪徳商法の見本とさえ言い、だれが見ても反社会的行為を行なっている石油業者や、何十億円といわれる脱税を行なっている大商社、また、やみカルテルにより公正取引委員会から数回にわたって警告を受けている企業代表を、わざわざ参考人として意見を拝聴してからでなければ証人喚問はすべきでないなどというがごときは、憲法が保障する国会の証人喚問権をみずから放棄するものであります。(拍手)どのような口実もこれを正当化することはできません。そればかりではない。その参考人さえ、自民党は今日まで一人も呼んでないではありませんか。(拍手)
 さらに、自民党の諸君の言う、証人喚問は企業の自由を奪うなどというがごときは、まさに自由の美名のもとで大企業の横暴を擁護する独特の詭弁以外の何ものでもありません。(拍手)
 国民は、今日、自民党政治のもとで、悪徳企業により、生きることの自由すら奪われているのであります。いまこそ国会は、その持てる全機能を発動し、国民の生きる自由を守らなければなりません。これこそ国会議員に課せられた厳粛な責務であります。国民はそれを切実に望んでいるのであります。
 すでに、憲法制定以来、国会はいままで千三十三人の証人を喚問し、証言を行なわせている、こういう厳然たる歴史的事実があるではありませんか。いまや、自民党の諸君の証人喚問拒否の口実は、全く主権者たる国民を忘れた、大企業本位のためのものであり、国民の切なる期待を明らかに裏切るものといわざるを得ません。(拍手)
 本決議案に賛成する第三の理由は、このたびの自民党の強行採決は、国民が重大な疑惑を持ち、その解明を求めている大企業、大商社の物価つり上げのすべてのからくりを国民の前に明らかにし、物価を引き下げ、国民生活を守るための国会の活動、これに対する挑戦であり、そしてその道を閉ざそうとしているからであります。
 自民党が大企業の暴利の中からばく大な政治献金を受けていることは、もはや今日天下周知の事実であります。自民党がこの醜い姿が国民の前に明らかになることをおそれていることは、おおうべくもありません。しかも、悪徳商法で物価つり上げ、土地投機、買い占め、売り惜しみ、脱税で荒かせぎをし、公害をまき散らし、国民生活を破壊している大企業が、国民の恨みのこもった資金を与党自民党にみついでいるという実態に国民は深い疑惑と怒りを燃やしているのであります。(拍手)この国民の疑惑を明らかにすることは、民主政治の原則から見て当然のことではありませんか。(拍手)これは、石油危機をいいことにして、千載一遇の好機としてぼろもうけをしている石油企業が、国民協会を通じて自民党に多額の政治献金をしていることを見れば、一そう明らかであります。したがって、国会が国政調査権を発動し、この実態にメスを入れ、国民の前にすべてを明らかにすることは、国民生活を守るためにも当然のことといわなければなりません。
 大企業の利益を擁護し、それと癒着しての今回の予算委員会における証人喚問拒否の強行採決の異常な事態、いまや、事ここに至れば、自民党の諸君の口にする自由社会なるものの実態が、実はほんの一握りの大企業、大商社の飽くことなき利潤追求を守るための自由であり、そのためには、憲法で明記されている国権の最高機関である国会の権限と、議会制民主主義の原理をいかに踏みにじってもかまわぬたぐいのものであることが、一そう国民の前に明らかになったのであります。(拍手)
 以上、私は、自民党と荒舩清十郎君の暴挙を糾弾し、本決議案に対する賛成の理由を述べてきました。
 わが党は、今後あくまで国民の期待にこたえ、政府、与党自民党の大企業本位、国民生活破壊の実態を、国会を通じて国民の前に明らかにするために全力を尽くすものであります。そして議会制民主主義の擁護と国民生活安定のために一そう奮闘することをここに表明し、私の賛成討論を終わります。(拍手)

発言情報

speech_id: 107205254X01319740219_010

発言者: 林百郎

speaker_id: 17447

日付: 1974-02-19

院: 衆議院

会議名: 本会議