岡本富夫の発言 (本会議)

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○岡本富夫君 私は、公明党を代表して、ただいま提案されました予算委員長荒舩清十郎君の解任決議案に賛成の討論を行ないます。(拍手)
 現在、国民が一致して要求していることは、物価狂乱の異常事態を一日も早く解決してもらいたいということであり、その中でも、大企業の石油危機を利用した便乗値上げを阻止してもらいたい、そして、今日まで予算委員会をはじめ各常任委員会で追及された許すことのできない大企業の悪徳商法、さらには、公正取引委員会によって摘発された便乗値上げのやみカルテル等の実態に徹底してメスを加えてもらいたいということであります。
 国権の最高機関である国会は、国政調査権の有効な行使によって、この国民の要求にこたえる義務があるということは言うまでもありません。
 今日ほど大企業のモラルがきびしく問われているときはないでありましょう。過剰流動性を悪用した土地や株式、生活必需品への投機が一昨年以降しょうけつをきわめ、それが一段落したかと思えば、今度は石油危機を逆手にとっての買い占めや物の隠匿、価格のつり上げ、さらには大商社の利益隠匿、脱税等々、そのあくどいやり方は、多くを論ずる必要はないのであります。したがって、問題大企業の代表者を予算委員会へ呼ぶ資格、すなわち、参考人とするか、証人にするかは、国会が国民の負託にこたえることができるかどうかの分かれ道にあるということであります。
 荒舩清十郎君が行なった、問題大企業の代表を参考人とするための強行採決は、予算委員会の歴史の中で、一度たりともなかった強行採決という暴挙であるということであります。物価値上げの実態を解明してほしいという国民の切実な要求を、不法な強行採決によって踏みにじってしまったのであります。さらに、公正なる委員会運営の使命をになった委員長が、自民党の党利党略を、そのまま強行手段によって実現されたのであります。
 私は、今回の荒舩清十郎君のとった行為は、国民の代表として断じて許すわけにはいかないのであります。と同時に、荒舩清十郎君をこのような暴挙に走らしめた政府・自民党の姿勢もまた、きびしく糾弾しなければならないのであります。
 自民党の諸君、考えてみてほしい。今日の事態は、政府・自民党が長年強引に推し進めてきた、産業優先の高度経済成長政策によって、どん欲な利潤の追求をほしいままにしてきた大企業が、長年にわたる政府のインフレ政策によって物価高騰をはかり、石油危機にあたっていよいよその本性を露骨にあらわし、国民生活の深刻な不安を逆に利用した便乗値上げに狂奔したということは明らかであります。
 なぜ、政府・自民党は、みずからの姿勢を正すとともに、大企業の横暴をやめさせることに真剣に取り組まないのか、国民の疑問は政府に対する不信と怒りになっているのであります。国民は、大企業と政府・自民党の癒着があるゆえに、大企業の横暴に手をこまねいていると見ているのが真実でありましょう。もしもとの疑問に反論するならば、それこそ、証人喚問によってき然たる態度を示すべきであったことは道理なのであります。
 政府・自民党は、その主張である、まず参考人、もし十分でなかった場合は証人に切りかえるという方法が、一見、筋が通っているようでありながら、大企業の代弁者の態度であると非難される理由を冷静に分析しなければなりません。わが党の矢野書記長が、物価へはね返る商社の脱税問題を追及し、丸紅、トーメンなど、商社の不正行為を明らかにし、国税庁もその事実を認めました。にもかかわらず、商社側の言い分は、その事実はないとうそぶいているではありませんか。また、近江委員が追及した大企業の独占禁止法違反による勧告も、悪質大企業は、この二年足らずの間に三回、四回、多いところは五回も受けているではありませんか。このような事態が明らかにされているときに、証人を呼ぶ必要性を認めない政府・自民党の姿勢こそ、そのまま国民無視であり、現下のきびしい物価問題に目をつむる、あるまじき行為と断ぜざるを得ないのであります。(拍手)
 しかも、公明党をはじめ野党四党は、十四日、あまりにも政府・自民党のかたくなな態度に、国会審議の空白をおもんばかり、今国会において問題になった企業のみ証人に、他は参考人でもよいとするところの再提案をしたのであります。にもかかわらず、これに対して一顧だにもしなかったのであります。
 しかし、憲法六十二条には国会の証人喚問が定められ、これを受けて国会法にはその権限が付与され、さらには、議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律が制定され、必要があれば国政調査の一環として証人喚問の行使が明記されている以上、当面する事態から、その必要性を認めることには何らの疑点も差しはさむことができないのであります。
 今日の事態は、勇気ある決断がなければ解決できないことは言うまでもありません。私は、政府・自民党に対し、あくまでも国会へ証人として大企業の代表を呼び、物価問題の本質にメスを入れることを要求するものであります。(拍手)
 荒舩清十郎君は、かかる重大な問題に対し、委員長としてあるまじき態度をとったことを反省し、みずから辞意を表明すべきが議会人としての常識でありましょう。しかしながら、荒舩清十郎君は、今日まで何ら反省する姿勢を示していないのであります。
 私は、以上の理由をもって、荒舩清十郎君の解任決議案に賛成の意を表するものであります。この不名誉な記録は、将来、わが国会の歴史に長く残されることを荒舩清十郎君はよくよく知るべきであります。
 以上で解任決議案に対する賛成討論を終わります。(拍手)

発言情報

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発言者: 岡本富夫

speaker_id: 25930

日付: 1974-02-19

院: 衆議院

会議名: 本会議