安里積千代の発言 (本会議)

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○安里積千代君 私は、民社党を代表いたしまして、ただいま議題になっておりまする荒舩予算委員長の解任決議案に対しまして、簡単に賛成の討論を行ないます。
 今国会は、異常なインフレ、物価高に対処いたしまして、国民の政治不信や不満の高まる中に、この危機を突破して国民生活を安定せしめるために、かつてない重大な責任を負わされた国会であります。そうして、その施策の裏づけとなりまする予算の審議中であります。それだけに、予算委員長は、国民の期待にこたえ、審議が十分に尽くされるよう万全を期さなければならないと考えております。
 荒舩委員長は、ときに政府答弁の不明確さに対しまして明確な答弁を求むる等、積極的に熱意を示されたことのあったのも承知いたしております。これはそのような認識の上に立ったものと私は信じておりました。
 審議の過程におきまして明らかにされてきましたことは、今回の物価騰貴の原因は、政府施策の誤りや行政措置のまずさもさることながら、大企業が国民大衆の苦しみをよそに利益追求に狂奔し、買い占め、売り惜しみ、便乗値上げなど、あくどいやり方の中にその大きな原因があると見られていることであります。このことは、資本主義、自由主義経済の最も悪い面をあらわしておるものでありまして、このまま推移し、事態の進展を見まするならば、国民の怒りは爆発的に達するであろうことを私は憂うるものであります。(拍手)
 このような企業の実態を是正し、企業の社会的責任を確立するということは、インフレを阻止し、物価の高騰を抑制するためにきわめて重要な根本問題であると私は考えます。そのためには、くさいものにはふたをする、そういうことでなくして、その根源にメスを入れて、正すべきものは正さなければなりません。
 予算委員会におきまして、野党四党が関連企業の責任者を証人として喚問して、国民の手の届かないところで行なわれておる操作の実態を明らかにして、その責任を追及し、正しい国民の理解のもとに国民生活の安定の道を開くということは、今国会に与えられた大きな使命であり、議会制民主主義の実をあげる上においても必要な道であると信じます。
 しかるに、自民党は、国会に与えられた証人喚問の権限を回避して、参考人とすることに固執いたしまして、与野党間の意見の対立を見ましたことは遺憾であります。最終的には採決によって決すること自体は正当であります。しかし、それには時があり、道があり、対決の中にも妥協の道があったと考えております。事が重要であればあるほどそうであると考えます。
 野党は、国民世論にこたえるとともに、審議の円滑運営を願いまして、提案者の趣旨説明にも見られ、また、賛成討論の中にもあらわれておりまするように、一歩譲った提案を行なったにもかかわらず、与党はこれを受け入れなかったのでありますが、なお話し合いの機会があったにかかわらず、荒舩委員長は、与党の一方的意見と何らかの圧力に屈して、突如、委員会開会を宣言して、動議の趣旨説明も十分聞き取れないままに強行採決の挙に出ましたことは、私は多数決原理の乱用であると信じまするし、また、それ以外の何ものでもないと思います。(拍手)これによりまして、ますます大企業と政府・与党との不純な癒着の疑惑を国民に与えたこともいなめません。国会審議に対する不信感を高め、さらに自後の審議にも大きなわだかまりを残したこともいなめないのであります。
 荒舩委員長が真に委員会運営の円滑化と国民に対する責任を考えるのでありましたならば、あの強行採決は十分に避け得られたものだと信じます。したがいまして、この挙に出ました責任は、まさに委員長である荒舩清十郎君にあり、解任によってその責任を国民の前に明らかにすべきであると信ずるものであります。
 よって、本解任決議案に賛成の意を述べるものであります。(拍手)

発言情報

speech_id: 107205254X01319740219_014

発言者: 安里積千代

speaker_id: 18540

日付: 1974-02-19

院: 衆議院

会議名: 本会議