岩間正男の発言 (本会議)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○岩間正男君 私は、日本共産党を代表して、昭和四十九年度予算三案に反対の討論を行なうものであります。
 反対理由の第一は、本予算は、インフレ、物価問題の解決には何らの効果を持たないというものであるということであります。
 いま、国政が直面している最大の課題は、石油など資源の安定的確保と食糧自給度の向上と並んで、物価狂乱状態を鎮静し、国民生活防衛をはかることにあるにもかかわらず、本予算案が、この事態を招いた責任に何ら抜本的なメスを加えようとせず、依然として大企業の利益擁護、国民への犠牲をしいる予算案となっています。
 物価危機は峠を越したなどという政府の言明にもかかわらず、二月の東京の卸売り物価、消費者物価は、それぞれ前年同月に比べて、依然として三七%、二四%の異常高騰を続け、また、原燃料、資材不足、金融引き締め等による中小企業の相次ぐ倒産、失業、半失業の急増となっているのであります。しかも、石油の平均六二%という大幅再値上げが、電力、ガス料金や私鉄運賃の大幅引き上げなど、公共料金、諸物価値上げに一段と拍車をかけることは明白であります。しかるに、政府は、こうした異常物価の原因を海外物資の高騰や国内需要の増大、さらには労働者の賃上げにあるとし、買い占め、売り惜しみ、便乗値上げなど前代未聞の反社会的行為によってばく大な不当利得をかちとった大企業、商社に対しては何ら有効な規制を行なわず、臨時超過利得税構想すら骨抜きにするなど、大企業の利益擁護に狂奔しているのであります。しかも、予算案は、今日の悪性インフレの根源であり、国民の痛烈な批判にさらされている日本列島改造計画の野望を依然として捨てず、国債発行額もまた四十八年度補正後の発行予定額一兆八千百億円を上回る二兆一千六百億円の巨額を予定しているのであります。高速自動車道路には五千億円、国鉄投資額の半ばを占める新幹線建設には三千六百億円を投入し、産業基盤中心の公共事業費は、前年度の繰り延べ分を合わせると実に三兆円に近い巨額なものになっています。これでは、インフレ抑制など、期待できないことは全く明白であります。
 第二の反対の理由は、福祉重点を唱えながら、実際には弱者切り捨て、社会的不公正拡大の予算となっている点であります。
 老齢福祉年金の引き上げは十月以降ようやく月額七千五百円になるにすぎず、生活保護費も昨年十月の五%増を含めてもわずか二〇%にすぎません。これで政府はどうしてこの物価狂乱の中を生きよというのでありましょうか。鳴りもの入りで宣伝された二兆円減税も一兆四千五百億円、しかもその内容は、高所得者の累進税率は緩和され、給与所得控除の上限を撤廃するなど、国民の要望に反した高所得者優遇減税なのであります。
 また、いわゆる総需要抑制は、列島改造事業の推進をはかる一方で、国民生活に直結する公共事業には過酷なまでに削減を押しつけ、福祉水準を一そう引き下げる結果となっています。公共住宅建設は低家賃住宅を中心に四万五千戸も削減され、第四次下水道五ヵ年計画は見送られ、緊急を必要とする学校、住宅など生活関連公共施設の整備さえ不可能にしているのであります。
 さらに、インフレからの住民生活防衛のために乏しい財政を投入している地方自治体に対し、地方交付税法、地方財政法を無視して、一方的に交付税一千六百七十九億円の削減という地方自治破壊の暴挙を、わが党は断じて容認し得ないものであります。
 第三の反対理由は、こうした国民生活の破綻をよそに、政府が日米軍事同盟を堅持し、軍国主義の復活強化を進めている点であります。
 防衛関係予算は、実に一兆円を突破しており、これは前年度に比べて千五百七十六億円もの増額であり、総需要抑制から聖域として温存されていますが、これこそまさに不要不急予算の最たるものと言わなければなりません。
 また、日本独占資本の対外進出費は、一般会計の経済協力費六百五十九億円、さらに財政投融資、特別会計などを含めると、まさに総額一兆円規模のものであり、この膨大な予算を使って東南アジアなどで独占資本の新植民地主義的海外進出をはかる経費をふやしていることなど、きわめて重大であります。
 予算審議においては、国民福祉、社会保障、教育施設の拡充強化、学童給食対策、地方財政の窮迫など、国民生活の全般にわたって積極的な提案と要求が出されたにもかかわらず、政府・自民党はこれに耳を傾けようとはせず、あくまで国民に犠牲をしいる予算をそのまま押し通そうとしています。これこそまさに反国民的な立場以外の何ものでもありません。
 しかも、政府・自民党は、大企業の常軌を逸した不当行為を究明するためのわが党をはじめとする広範な国民の証人喚問要求に終始反対したのであります。
 さらに、大企業のぼろもうけに特別の税金をかけようという会社臨時特別税法なるものは、資本金が巨大な企業であるほど税金が少なくて済むという、本来の超過利得税構想とは全くかけ離れた大企業奉仕の甘い内容のものであり、超過利得の徴税にならないばかりか、大企業の過剰資金を吸収してインフレを抑制することにも何ら役立たないものであります。このことは、自民党と大企業の癒着の根深さをあらためて余すところなく国民の前に暴露しました。この一連の事実は、田中内閣にはもはや適正な予算の策定と執行は期待できないということをあらためて証明したものであります。日本共産党は、以上のような国民生活破壊の予算を、名実ともに国民生活防衛を最大の柱にし、四次防の中止、軍事費の大幅削減、列島改造計画の中止、公共投資の産業基盤中心から生活基盤中心への転換、福祉の向上、農漁業、中小企業への積極的な援助、自主的なエネルギー政策の確立、対米追随と新植民地主義的外交政策の転換など、政策の根本的転換への第一歩を踏み出す予算とするよう強く要求するものであります。以上の立場から日本共産党は、政府提出の四十九年度本予算案に反対することを明らかにして、私の討論を終わります。(拍手)

発言情報

speech_id: 107215254X01719740410_013

発言者: 岩間正男

speaker_id: 11835

日付: 1974-04-10

院: 参議院

会議名: 本会議