越智伊平の発言 (本会議)

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○越智伊平君 私は、自由民主党を代表いたしまして、昭和五十年度の公債の発行の特例に関する法律案に賛成の意を表するものであります。(拍手)
 周知のとおり、石油危機を契機として発生した一昨年来の世界経済の混乱は、各国の懸命な努力の結果、ようやく収束に向かいつつあります。激しかった物価騰貴並びに国際収支の問題も、総需要抑制の各般の施策により、おおむね鎮静化の傾向をたどっておるところであります。
 しかし、このようなインフレ克服の努力は、他面、経済活動の著しい低下を招くこととなったわけであります。財政もまた、このような景気の停滞を反映して大幅な歳入不足に陥り、厳しい財源難に直面しております。
 現在の情勢を考えれば、財政の円滑な執行が必要であり、また、財政が国民生活の安定向上に多くの責任を負っているのでありますから、このような状況のもとで、いま直ちに大幅な歳出の削減や一般的な増税を行うことは適切なものとは考えられません。
 このような事態を踏まえ、財源難に対処するため、臨時特例の措置として特例公債の発行を行うことは、やむを得ざる財政処理と申すべきであると考える次第であります。
 政府は、今回の特例公債が、財政法第四条第一項ただし書きに基づく公債と異なり、税収の不足を補うために発行されるものであるとの性格にかんがみ、満期までにこれを全額償還し、その借りかえは行わない旨を言明し、これに備えて、国債整理基金特別会計法に定める百分の一・六の定率繰り入れのほか、通常であれば、財政法上、その二分の一を繰り入れればよいことにされている決算上の剰余金について、その全額を公債の償還財源に充て、さらに不足する財源については予算繰り入れをもって対処することを明らかにしておられます。このことは、特例公債を発行せざるを得ない現下の財政状況のもとで、今後の財政運営に当たっての政府の節度ある姿勢を示したものと高く評価するものであります。
 また、特例公債の現実の発行を、税収等の実情を見ながら必要最小限にとどめるため、出納整理期限である五月三十一日まで発行できることとする規定を本法案に設けている点についても、政府の細心かつ慎重な配慮として、心から賛同するものであります。
 しかしながら、申すまでもなく、特例公債の発行は、財政法に定める公債発行の原則に対する例外であります。かかる公債を発行する財政が恒常化することは、財政の健全性の見地から見て問題があることは論をまちません。
 五十年度の歳入の落ち込みは巨額であり、これを回復するには、ある程度の期間がかかることはやむを得ないと考えるところでありますが、今後、税収を初めとする経常収入の増収を図り、同時に、歳出の内容を一瞬適正なものとするよう、その徹底的合理化を進め、また、公共料金等受益者負担の適正化を実現するなど、財政の立て面しの努力を重ね、特例公債によらざる財政にでき得る限り早く復帰することが肝要であります。この点については、今後の財政運営の最大の課題として、立法府も行政府も、強い共通の認識に立って努力してまいらなければならないと考えるものであります。
 以上、私は、今回の昭和五十年度の公債の発行の特例に関する法律案につきましては、今日の事態を踏まえた適切な措置として賛成の意を表明し、討論を終わります。(拍手)

発言情報

speech_id: 107605254X01719751205_007

発言者: 越智伊平

speaker_id: 11702

日付: 1975-12-05

院: 衆議院

会議名: 本会議