梶木又三の発言 (予算委員会)
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○梶木又三君 私は、自由民主党を代表いたしまして、ただいま議題となりました昭和五十一年度暫定予算三案に対し賛成の討論を行うものであります。
新年度予算は、提出後すでに二カ月を経過し、年度末の最終日に至るもいまだ本院への送付のめども立たず、暫定予算編成のやむなきに至りましたことはきわめて遺憾であります。政府においては現下の経済事情を考慮して、暫定予算という枠内にあっても景気対策に並み並みならぬ配慮をされてはおりますが、もとより暫定予算の性格上その効力には限界があり、本予算の早急なる成立が急務であります。日米間における資料公開問題で、本日の暫定予算、日切れ法案の処理を除き、国会審議は全面ストップし、そのために新年度予
算の成立が遅延いたしておりますことは、財政の国民生活に及ぼす影響の大なることを考えれば一日も猶予できません。国、地方を通ずる財政危機の打開のためにも国会はその使命を果たすべきであります。
以下、今回提案されました暫定予算について意見を述べてみたいと存じます。
御承知のように、昭和五十一年度本予算はこのような現状では成立まで相当の期間の財政の空白は必至でありますので、ここに国民生活への悪影響を最小限に食いとめるために暫定予算が編成、提出されたのであります。その期間は、五十一年四月一日から五月十日までの四十日間と相なっております。
暫定予算の編成は、その性格上、法律及び既定施策に基づく人件費、事務費、その他行政運営上必要最小限の経費が原則として計上されたほか、新規施策に係るものは、教育及び社会政策上特に配慮することが適当であるものを除き計上しない方針を貫いております。
すなわち、福祉の停滞を防ぎ、弱者対策という社会政策上の見地から、生活扶助基準等の引き上げ、社会福祉施設入所者の生活費等の引き上げ、失業対策事業の賃金日額の引き上げを行うとしておるほか、教育上の見地から国立大学の学生の増募、育英事業の特別貸与資金の引き上げを行うとしており、これら福祉及び教育政策に係る新規施策を新年度から措置せむとすることは、暫定予算といえども当然にこたえねばならぬ命題であり、政府の措置を妥当とするものであります。
また、公共事業関係費につきましては、五十年度補正後予算額のおおむね六分の一が計上されており、その枠内で積雪寒冷地の事業への配慮、さらに災害復旧の緊急性に対処するための所要額が計上されております。申すまでもなく、五十一年度本予算は、公共事業を拡充して、景気の回復と雇用の安定を図るため各般の施策を積極的に推進するものであって、暫定予算における公共事業費の増額計上は多少なりとも景気対策への配慮がうかがえるものとして、これを是とするものであります。
暫定期間における公債発行は五千億円となっております。五十一年度の公債発行額は、全体で七兆二千七百五十億円が予定されておりますが、財政危機下での公債の発行を円滑にするためには年度間を通ずる計画的な消化が必要であり、本来ならば金融が比較的緩む上半期、特に四月は資金余剰月であるので、もっと多量の公債発行を期待したかったのでありますが、暫定予算の性格上、建設公債を例年実績額の発行にとどめたのはやむを得ない措置であります。
次は、地方財政対策であります。
別途提案されております本予算案では、四月における地方交付税交付金は一兆二千百九十億円となっております。従来の暫定予算における交付金の算出は、前年度補正後の三税収入を算出基礎としており、これによると、この四月の交付金は約七千七百億円となり、最近における地方財政の窮状を見るとき、まことに影響甚大なものがあります。そこで、その影響を少しでも軽減するため、今回の暫定予算では、その算式の基礎となる税収を五十一年度三税収入見込み額を採用することにより千二百億円の増額を図り、八千九百四十一億円を計上しております。
このような新しい財政対策のほか、財政投融資二千四百億円、縁故債の消化を円滑にするための金融対策、資金運用部からの短期貸し出しなど財政事情の苦しい地方団体へきめ細い配慮をしたものと評価します。
以上、暫定予算の主な事項について意見を述べましたが、暫定予算は、その性格上必要最小限の義務的経費に限られている関係上、今日の国民的願望である景気の早期回復への期待感は遠のいた感じがいたすのでありまして、せっかく二年有余の長期不況からやっと景気は緩慢ながらも回復に向かっているとき、これ以上の経済政策の空白は避けるべきであります。もちろん、ロッキード問題はその真相の徹底究明に尽くすべきでありますが、それはそれとして、国会は一時休戦ではなく、予算委員会を初め各委員会の本格的審議を再開し、国会本来の姿に返り、本予算及び国民生活法案の審議を促進すべきことを要望いたしまして、私の暫定予算に対する賛成討論を終わります。(拍手)