高橋高望の発言 (大蔵委員会)

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○高橋委員 私は、民社党を代表いたしまして、ただいま提案されておりまする所得税法の一部を改正する法律案に賛成し、租税特別措置法及び国税収納金整理資金に関する法律の一部を改正する法律案に反対の討論をいたしたいと思います。
 民主主義発展の一段階として、複雑多岐にわたって起こる国民の声、要求をどのように整理し、またその先行順位、内容、程度等を考慮するかは、確かにむずかしい問題であることは私たちも十分に知るところであります。しかも、国際間に発生した経済環境に取り組むには、従来の姿勢によるばかりではいかんともしがたいものでもあります。
 このところのすべての国際問題は、わが国にとって、経済的な立場よりは支出を促されるものであり、少なくともかつてのように恩恵を受ける交渉はほとんどないと言っても過言でないと思われます。そして、この支出増を支える税に対して、わが国は、過去の積み重ねがそうさせたのではありますが、税は取られるものであっても支払うものであるとの立場はまだ十分に確立しておらず、いわゆるタックスペイヤーとしての心構えはできておりません。この抜きがたい税金ぎらいを前提の一つとして配慮する必要は十分にあります。
 いまここで過去を振り返るのみに多くの時を割くべきではありません。過去は現在から将来へと指針を立てるに必要な一つの資料にとどめます。
 さらに考えねばならぬ状況があります。それは十分御承知の与野党勢力接近下の国会運営であることです。昨年末、賢明な国民は、国政運営を与野党接近のもとで行うべしとの決断をなさいました。その意を受けて初めての今回の国会でありましたが、責任を踏まえて行動する野党に比し、与党並びに政府はどれほどの準備、心構えがあったでしょうか。そこに見られるのは、口でこそ新しい局面を唱えながらも、その中身は従来と同じく行政主導型の域を脱し得ずに、過去をなぞって与党としての責任ある行動、特に基本姿勢をとり得なかったと断ぜざるを得ません。したがって、国民が望む選んだ人によって行う政治ではなくして、勇気と知性を持った政治は今回も行われなかったのであります。
 私は、税制にあっても手探りの税制しかなかったと申し上げたい。国民はそうした手探りの税制の持つもどかしさにいら立ちを訴えているのであります。一見慎重に見え、思慮あるやに思えるこの手探りの税制は、その実、国民に焦燥と不安感を増大させ、そのまま政治そのものに不信感を持たせて、議会主義そのものにまで不信感を持たすに至ってしまうのでございます。
 今回の租税特別措置法の一部改正に当たっても、過去の手探り税制の弊害が露出し、政府としては、その改廃に当たって仕事をしたとの感触を持たれておりましょうが、それはあくまで小手先のことであって、何ら抜本的な改善策とは言いがたいものであることを知らなければなりません。
 法人税本税の中における金融機関に対する貸倒引当金に例を見るごとく、制度そのものを廃止してしかるべきものを依然として存続させる愚を続けてはならないと思います。銀行は、貸し出し先が企業であれ、個人であれ、必ず担保なり個人保証なりを要求し、その担保も、たとえば土地を担保の場合は、市価に比しせいぜい半分の評価しかせずに、十分過ぎる担保を取り、どう転んでも損のないような状況をつくり上げております。この企業にどうして貸倒引当金の配慮が必要でしょうか。もし銀行に引当金の必要ありとすれば、不正貸し出しか、行員の不祥事に対して備える、せいぜいこの点でございましょう。しかし、こうした社員、行員の不祥事による損害引当金など許されているところがほかにありましょうか。
 この種の例は一つにとどまりません。さらにはすでに多くの国民がこのことを知るところでもあります。税に対する不公平感の芽は、かくして生まれてくるのであります。
 私は、この討論に当たって要望を重ねていたしたいと思います。当大蔵委員会の権威を維持、高めるためにも、より率直な討論を願い、そのためには政府・与党が従来のかたくななからを破ってこの席に臨んでほしいし、今回はその姿勢に不十分さがあり、したがって、その案も当然のことながら不十分であることを改めて申し上げるところであります。
 最後に一言、協調とはその名のとおり、コオペレーションであり、一緒に作業するものであること、同調だけを求めるだけのものでないことを申し添えて、私の討論を終わります。(拍手)

発言情報

speech_id: 108004629X01419770325_015

発言者: 高橋高望

speaker_id: 24557

日付: 1977-03-25

院: 衆議院

会議名: 大蔵委員会