渋谷邦彦の発言 (外務委員会)

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○渋谷邦彦君 まず、本論に入ります前に、このたびの日中条約調印に当たりまして、大変な御苦労と努力をされました園田外務大臣に心からなる敬意を表したいと思います。
 きょうは多くをお尋ねする時間もありませんので、今後の日本の将来的展望に立った大まかなことを若干お尋ねをさしていただきたいと思っております。
 日本の将来にとっても非常に大きな重みを持つであろうこの日中条約は、非常に簡潔な中に、また一面から見るとバラエケィーに富んだそういう内容を持つものではなかろうかと受け取れるだけに、この条約そのものはその意味でも大事な成果であったろうと思います。アメリカを初めASEAN、あるいはソ連の衛星国家と言われているような国々においてすらも、今回の条約締結は好感を持って迎えられている。と同時に、あるいは日中を軸にした新しい世界の大勢という夜明けがこれから始まるであろうというような受けとめ方もできるわけであります。
 そうした環境を考えてみますと、国際的に孤立化するのではあるまいかというおそれを持っておりますソビエトの出方というものも私どもとしては決して軽視できませんし、また、政府当局においてもあらゆる観点に立って、大臣御自身がソビエトを訪問された場合にも、その点については重々日本の気持ちというものをお伝えになってきた。しかし、果たしてそれだけで十分な理解と認識が得られるであろうか。
 この条約で一番問題になりました覇権につきましても、確かにソビエトを対象にしているものではないという、こうした合意に基づいて取り交わされたはずではありましょうけれども、外電等が伝えるソビエトの日中条約に対する評価というものは依然として手厳しさというものが薄れていない。それは長年にわたる中国の対ソ関係というものによる影響というものが依然として尾を引いているということも言えるでありましょう。私どもが決して対ソというものをむき出しにして覇権問題を云々したわけではないことは重々認識もしているわけでありますが、そのように受けとめないソビエト。また、今後、先ほどのごあいさつにもございましたように、中ソ同盟が来年の四月で事実上何らかの形で廃棄されるという強い感触を受けられたということが現実化されてまいりましたときに、この中ソ関係というものはいままでに増して激化するんではあるまいか。となりますと、日本といえども、その置かれた立場というものは非常に微妙でありまして、こうむる影響というものは何らかの形であらわれてきはしまいかということをやはり心配せざるを得ないわけであります。
 その点についてかねがね外務大臣としての所信を伺ってはおりますけれども、今後恐らく激動する日ソ関係というものがどのような方向をたどるのか、今後の事態というものを静観しなければいたずらに論評も評価も加えることはむずかしいにいたしましても、やはり重大な問題でありますだけに、現在、外務大臣として、いままでの経過の中で、さらに今回の日中条約成立という段階を踏まえまして、今後どのような対ソ関係の施策をとられていかれるかという点についてまずお伺いをさしていただきたいと思います。

発言情報

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発言者: 渋谷邦彦

speaker_id: 50

日付: 1978-08-18

院: 参議院

会議名: 外務委員会