渋谷邦彦の発言 (外務委員会)

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○渋谷邦彦君 ソビエトが果たして日本の誠意というものをどう受けとめてくれるか、これは私ども大変疑問があるわけでございます。申すまでもありませんが、日ソ共同宣言が発出されましてからちょうど二十二年であります、日中共同声明は六年であります、この時間的な経過の開きというものは一体どこに阻害条件があったんであろうか。
 恐らく、日本政府としても、いろんな問題はあったにせよ、今回の日中条約調印に至るまでの経過と同じように努力もし誠意を持って北方四島の問題を含めた交渉に当たられてきた。もちろん北方四島の返還というものが最大のネックになっていることは、これはまごう方なき事実でありますけれども、その辺の隘路というものが開けなかったということも一つの理由でございましょう。ということを考えますと、果たしていま外務大臣がおっしゃったようなそういう誠意を持った日本の意向というものを、今後、果たしてくみ入れてくれるんであろうかという問題と、その反面に、先ほど申し上げたような新しい国際環境の成立ということを踏まえて、孤立化を恐れるソビエトといたしますれば、何とか早く日本との間における友好関係を結びたい、もうすでに善隣友好条約なるものはかねてからソビエトから提出されているわけでありますが、これは現状としてはわれわれとしてはのめないと私は思うんです。で、そうしたことがこれから非常に強く前面に押し出されてくるのではあるまいか。
 もし日本が何らかの形において同意をしないとするならば、これはきわめて常識だと思うんでありますけれども、いままでもそうであったように、恫喝外交の一環としてウラジオを中心とする海軍力の強化であるとか、あるいは四島における軍事演習であるとかというようなもろもろのいやがらせ、あるいは二百海里問題をめぐる漁業関係のこれからの進展に対してどういうような申し入れをしてくるか、あるいはいまシベリアという問題も話題に出ました。このシベリア開発もまだ具体的には進んでおりませんけれども、そうした経済協力を通じての要求というものを、日本が少々不利である――少々どころではない、あるいは日本の将来にとって大変マイナスになるかもしれないという、そういうような要求もあえて突きつけてくるかもしれない等々、頭の中ではそうしたことをいままでの歴史的な経過の中でやっぱりどうしても考えざるを得ない。そういうことを踏まえて、果たしてそれを乗り越えながら、いま申されたような方向に向かって日ソというものが新しい段階における条約の締結を基軸にした交流というものの可能性というものは十分考えられるのか、相当時間がかかるのか、あるいは絶望的なのか、こうした三つの観点の物の見方というものは当然迫られもするでしょうし、その辺の判断もしなければならない、こう思いますけれども、その辺はいかがでございましょうか。

発言情報

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発言者: 渋谷邦彦

speaker_id: 50

日付: 1978-08-18

院: 参議院

会議名: 外務委員会