中野四郎の発言 (本会議)
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○中野四郎君 ただいま議題となりました昭和五十三年度一般会計補正予算(第1号)外二件につきまして、予算委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
この補正予算三件は、去る九月二十六日本委員会に付託され、三十日に提案理由の説明を聴取し、十月二日から質疑に入り、本六日、質疑終了後、討論、採決をいたしたものであります。
まず、補正予算の概要について申し上げます。
一般会計予算の補正は、歳入歳出とも、それぞれ当初予算額に一千四百五十億円を追加するものであります。
歳入におきましては、昭和五十二年分所得税の特別減税による所得税の減収見込み額三千億円を減額し、前年度剰余金受け入れなどを計上するとともに、三千億円の公債を増額発行することにいたしております。
歳出におきましては、景気の回復を一層確実なものとし、国民生活の安定を確保するため、公共事業関係費の追加三千五百五十億円、文教・社会福祉施設等整備費、船舶建造費等の追加一千三十八億円のほか、構造不況業種・中小企業等特別対策費、経済協力等特別対策費、水田利用再編対策費など、合計七千百五十二億円の歳出追加を行い、他方、既定経費の節減、公共事業等予備費の減額、その他合計五千七百二億円の修正減少を行うことといたしております。
以上の結果、昭和五十三年度の補正後の一般会計予算額は、歳入、歳出とも三十四兆四千四百億円となり、歳入のうち、公債金の総額は十一兆二千八百五十億円、公債依存度は三二・八%となることになります。
次に、特別会計予算及び政府関係機関予算につきましても、一般会計予算の補正に関連し、それぞれ所要の補正を行うことといたしております。
次に、質疑のうち、主なものについて、その概要を申し上げます。
まず、経済の現状について、「現在のわが国の経済は、国際収支、雇用需給、財政収支の三つの点で大きな不均衡に苦しめられているが、経済の運営がうまくいっていると言えるのか」との趣旨の質疑があり、これに対して政府から、「円高ドル安により、輸出が鈍化して成長に悪影響を及ぼすなど問題はあるが、概してよくいっている」旨の答弁がありました。
次に、五十三年度の経済成長率目標七%の達成の可能性について、「今回の総合経済対策は、事業規模二兆五千億円と称しているが、その柱となる補正予算は、純増が一千四百五十億円にすぎず、これで果たして七%成長が達成できるのか。昨年度は輸出の下支えがあったが、今年度は輸出に全く期待することができず、結局、昨年と同様に第二次補正予算を組まざるを得なくなるのではないか。総理は、七%成長の達成に責任を持つと言うが、それはどういう意味か」との趣旨の質疑がありました。これに対して政府から、「国外的要因による成長の不足を補うため、総合経済対策を立て、補正予算を組んだものであり、これが着実に施行されることにより、七%成長は可能である。今年は昨年とは基本的に事情が異なっており、円の激変はないと思う。しかし、経済は流動的なものであるから、客観情勢の変化には、財政ばかりでなく金融を初め、あらゆる施策を機動的、弾力的に活用し、終局において七%成長を実現する」旨の答弁がありました。
次に、一般消費税導入の問題について、「来年度も引き続き積極型予算を組む必要があると思われるが、デフレ効果のある一般消費税を導入するつもりでいるのか」との趣旨の質疑に対し、政府から、「一般消費税については、必要の場合にはいかなるものを導入するかを研究している段階であり、今日の経済の客観情勢では増税の余地はないと思うが、来年度予算編成の際、諸般の情勢を勘案し、慎重に対処する」旨の答弁がありました。
次に、減税問題について申し上げます。
本補正予算の審議を通じて各野党より、さまざまの角度から一兆円の所得減税が主張されたのであります。すなわち、「今年の春闘相場は低く、その上国鉄運賃を初め各種の公共料金、手数料等の引き上げによる国民の負担増はきわめて大きく、個人消費が伸びないのは当然であり、減税が必要である。公共投資一本やりの景気刺激策では、一昨年も昨年も内需を喚起できなかったのであるから、ことしは、減税政策を併用すべきである。輸出の落ち込みは、政府の見通しよりも深刻であり、また、民間住宅建設は、公庫融資枠を拡大しても自力建設分の肩がわりになるにすぎず、したがって一兆円程度の追加需要を必要とするが、公共投資はもはや消化不可能であり、減税以外には方策がない」等の意見が述べられました。これに対して政府から、「公共投資の方が減税より景気刺激効果がすぐれており、同じ一兆円を使うなら公共投資を選ぶべきである。減税は、納税者以外には何らの恩恵を与えないが、公共投資は、雇用の機会を創出し、失業者を救済できる。公債依存度実質三七%という苦しい財政事情下にあるとき、この上赤字公債を増発し、インフレの危険を招くことはすべきでない。所得税負担の点から見ても、わが国の負担率は決して高くなく、減税の必要性はない」との趣旨の答弁がありました。
以上のほか、日中平和友好条約、緊急輸入、日米農産物交渉、国際通貨問題、円高差益の還元、エネルギー対策、雇用政策、有事法制及び奇襲対処問題等の国政の各般の事項にわたって熱心な質疑が行われましたが、詳細は会議録により御承知願いたいと存じます。
本日、質疑終了後、日本社会党、公明党・国民会議及び民社党から三党共同提案により、また、日本共産党・革新共同から、それぞれ昭和五十三年度補正予算三件につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議が提出され、趣旨説明が行われました。
次いで、補正予算及び両動議を一括して討論に付しましたところ、自由民主党は、政府原案に賛成、両動議に反対、日本社会党、公明党・国民会議及び民社党は、いずれも三党共同提出の動議に賛成、政府原案及び日本共産党・革新共同提出の動議に反対、日本共産党・革新共同は、同党提出の動議に賛成、政府原案に反対、新自由クラブは、政府原案に賛成、両動議に反対の討論を行いました。
次いで、採決を行った結果、両動議はいずれも否決され、昭和五十三年度補正予算三件は、多数をもっていずれも可決すべきものと決した次第であります。
以上、御報告を申し上げます。(拍手)
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