藤田高敏の発言 (本会議)

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○藤田高敏君 私は、日本社会党、公明党・国民会議、民社党、三党を代表して、ただいま議題となりました予算三案に対する動議につき、その理由及び概要を御説明いたします。
 まず、動議の主文を朗読いたします。
  昭和五十三年度一般会計補正予算、昭和五十
 三年度特別会計補正予算及び昭和五十三年度政
 府関係機関補正予算については、政府はこれを
 撤回し、左記要綱により速やかに組替えをな
 し、再提出することを要求する。
  右の動議を提出する。であります。(拍手)
 以下、具体的な内容は、すでにお手元に資料を配付したとおりでありますが、その中心要点は、申すまでもなく、一兆円規模の所得減税を実施するということであります。
 すでに御承知のとおり、政府の今年度当初予算は、国際収支の均衡と国内景気の回復を重点とし、成長率七%目標のもとに、全予算の三七%にも及ぶ異常な大型国債発行によって、公共事業偏重の政策を進めてきたのであります。
 しかし、その結果、国内需要は依然として停滞を続け、円高はさらに進み、輸出は減退し、七%成長はおろか、五%台を低迷しているというのが政府説明による現状であります。また、雇用情勢も一向に好転しないばかりか、企業の減量経営はますます進み、人減らしは一段と激しく、わけても、中高年齢者の雇用は深刻の一途をたどっております。
 政府は、過般のボン会議の基調の上に、九月初旬、総合経済対策を決定し、その柱として、今回の補正予算を編成したのでありますが、驚くことに、その内容は、相も変わらず公共事業一辺倒の財政支出構造であり、現状打開の対策としては、残念ながら毒薬になりましても良薬にはなり得ず、現状矛盾の拡大と不公平なひずみはますます広がるばかりであります。(拍手)
 したがって、私どもは、現在の憂うべき経済不況と雇用状態を踏まえ、円高による景気後退、国民生活の切り下げと雇用の悪化を防ぎ、国民生活全般にわたって、公平にして公正な政治を行う立場から一兆円規模の減税を提案した次第であります。(拍手)
 重ねて強調するまでもなく、当面の経済施策の切り札は、試験済みの公共投資の拡大ばかりではなく、いかにして個人消費と最終需要を拡大するかということであります。ここに、一兆円規模の減税を求める本動議提出の最大の理由があるわけであります。
 政府の主張によれば、この補正予算によって、現在時点における成長率五・七%程度をさらに一・三%上積みすることができると豪語しておるのでありますが、そのことはなかなか至難なことであります。なぜならば、この補正予算の審議経過からも明らかになってきたことは、政府は、われわれ野党の正しい政策批判に耐えかねて、予算の二次補正をほのめかさざるを得なくなった、このことの一事を見ても明白であります。(拍手)
 それは、今次補正予算の内容が示すとおり、事業規模では二兆五千億になると言っていますが、これを裏づけする財源のほとんどが当初の既定予算の振りかえであり、純然たる増加額は千四百五十億円であります。
 しかも、その千四百五十億円の中身たるや、どうでしょうか。政府は、ことしの当初予算の審議において、福田総理を初め大蔵大臣から、あれほどまでに厳格に国民に公約してきたところの、いわゆる赤字公債の償還が完了するまでは、前年度の剰余金は全額これを公債償還に充てるという財政再建上の公約まで弊履のごとく捨て去り、五十二年度の剰余金の二分の一に当たる六百四十億円を使用財源としてこの補正予算に計上しておるのであります。この公約違反は、ひとり村山大蔵大臣の不信任にとどまる問題でなく、いわば福田内閣全体の政治責任を問わなければならない重大な内容を含んでいるのであります。(拍手)
 第二に、この補正予算は、八千四百億と言われる住宅建設についても、それは公共住宅ではなぐ、個人マンションと個人住宅に期待する従来どおりの住宅政策であり、このような羊頭狗肉の公共投資では勤労国民のニーズにこたえる政策ではありません。そればかりか、最近の地価高騰への動きからくる土地買収費の要素を考慮に加えるならば、その効果を過大視することはきわめて危険であります。さらに加えて、この国会での政府答弁でさらに明白になった輸出の減退、輸入の増大によって、デフレ要因はますます強まり、その成長率はさらに減少することは必至であります。
 かかる補正予算の持つ救いがたい欠陥を補正し、国内需要の喚起、雇用の増大を図るためには、その決め手となる有効な政策は減税政策以外にはありません。いまや、減税要求は、エコノミストや専門家だけの主張ではなく、国民大多数の常識であり、OECDの強い期待でもあります。
 この至極当然な要求に対し、政府は、口を開けば、減税をやっても貯蓄に食われるとか財源がないと言うのでありますが、この主張は全然説得力を持ちません。なぜなれば、との見解は、最近の国民生活の実態からはなはだしく遊離した見解であり、また財政問題に対する政府の御都合主義に基づく見解であるからであります。
 たとえば、昨年の民間給与収入の伸びが物価上昇を下回り、実質所得は低下している事実からも減税は必要であります。わけても、ことしの政府の経済見通しにおける名目賃金のアップ率九・四%が五%台にとどまり、公務員給与に至っては三・八%どまりになった現状では、実質生活水準は高まっていないのであります。
 もう一つ減税要求を拒否する政府の姿勢で問題なのは、減税にこたえる財源がないと言い張ることであります。税の負担能力のあるところから公平に税金を取ろうとしない政府の態度こそ反国民的態度として厳しく糾弾されなければなりません。(拍手)
 その証拠に、たとえば、不況下とはいえ、円高差益を受けている企業を含め五十二年度の申告所得上位五千社の所得は、前年度対比で二一%も伸びているのであります。政府がそれほどまでに財源難を強調するのであれば、税制調査会が昨年十月、中期税制答申で法人税の引き上げの余地のあることを答申していることに対し、なぜ一顧だにしなかったのでしょうか。またさらに、当初予算審議においても、今次補正についても、われわれが、あれほどまでに強く要求しておる各種の不公平税制の是正と改革に、なぜ手をつけないのでしょうか。なすべき手だても順序も踏まずして、財源確保の手段として、一足飛びに悪名高い一般消費税の導入に手をつけようとするごときは、まさに本末転倒と断ぜざるを得ません。(拍手)
 このような福田内閣の怠慢は、現下の経済環境からも、絶対に容認できないところであります。
 政府は、公共事業のためなら、赤字公債であろうと何であろうと、無原則にどこからでも財源をひねり出し、減税となると見向きもしないこの態度は、国民に背を向けた許しがたい作為的行為であると言わなければなりません。(拍手)
 ともあれ、個人消費の拡大が今日ほど必要なときはないのであります。それにもかかわらず、春闘における賃上げはきわめて低い結果になり、加えて、国鉄運賃を初めとする多くの公共料金の引き上げによって、一兆六千億にも上る国民負担の増大が行われ、個人消費が伸び悩んでおります。このような悪条件を一日も早く解消して、最終需要を拡大し、単年度だけではなく、来年も、再来年にもわたって雇用創出効果の大きい減税政策を直ちに採用し、不況克服、雇用安定、中小企業及び農業経営の安定を願う国民の期待にこたえることを政府に強く求め、日本社会党、公明党・国民会議、民社党三党共同提案の予算組み替え動議に賛成されんことを強く要請いたしまして、私の提案説明にかえる次第であります。(拍手)
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発言情報

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発言者: 藤田高敏

speaker_id: 17200

日付: 1978-10-06

院: 衆議院

会議名: 本会議