江崎真澄の発言 (本会議)

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○国務大臣(江崎真澄君) 第一点は、中東諸国並びにメキシコ訪問の成果いかんと、こういうお尋ねでございます。
 私は、七月中旬から約二週間、第二回日本・イラク合同委員会に出席いたしました後、クウェート、サウジアラビア、アラブ首長国連邦など、いわゆる湾岸諸国を訪問して各国首脳といろいろ意見の交換をいたしたところであります。
 各国首脳の意見を結論的にまとめて申し上げまするならば、熱心な回教徒でありまするから、要するに、われわれに与えられたこの石油というものは神様の物だ。したがって、その石油を使って経済を繁栄させ、幸せになる、高度な技術を開発して近代化ができる国があるとするならば、その国々に油を提供することは神のおぼしめしであろう。ところが、それによって経済力を拡大し、高度な技術を開発した国が、またその燃料を供給した国に技術移転をしたり経済協力をしてくれることも神のおぼしめしだと思うがいかん、こういう一言に尽きると思うのです。
 そこで、イラクにおきましては、最近ソ連寄りをすっかり改めまして、いま現在自分たちは脱石油五カ年計画というものを計画しておる。五カ年で脱石油などということがとうていできるものでないことはよく知っておるが、本当に日本が技術協力をしてくれるならば、日本の技術、それからそのアフターケアのよさ、そういったものに信頼を置いておる。したがって、日本が油を必要とされるならば自分たちは幾らでも油の協力をしようではないか。非常に積極的な姿勢を現在大統領になられたサダム・フセイン氏などは表明をされておったところであります。私ども九九・八%石油を海外に依存する国としては、当然技術協力は積極的にしよう。これはもう言われるまでもなく大いに進んで協力をするということでこの合同会議に臨んだところであるというので、大いに意気投合したわけでありますが、その結果、とりあえず本年二百万トンの増量、これは従来は五百万トン供給でしたから、四〇%増であります。ちょうどフランスのバール首相がそのとき国賓として三日間来ておられました。これも来年から四〇%増にしたということでありましたが、技術協力の前提のもとに本年度三月までを目途に二百万トンを増量しようということで約束をしてくれたわけであります。その後イラクに政変がございましたが、現在事務的にこの問題は継続をしておりまして、大変その点では力強く思っておるわけであります。
 それからOPEC諸国の穏健派と言われるサウジアラビア、それからア首連等々におきましても、対日輸出についてきわめて好意的な姿勢を確認することができました。これは本当によかったと思いますが、これらの国々のもう一つの言い分は、節約をしてもらいたい。自分たちは地下資源として子孫に本来残しておきたいものをイランの政変以来増産をして消費国の需要にこたえておるではありませんか。それを節約もしないで、日本もその国の一つですよと言われたから、私なりに日本の節約状況は説明しましたが、いや個々のことを言っておるのではない。アメリカでも日本でも西ドイツでもわれわれの節約の要請に十分こたえもしないで需給のバランスを乱してしまう。本当に五%節約をやってくだされば需給バランスは乱れないじゃありませんか。需給のバランスが乱れるからわれわれ供給国としては値段を上げることにもなるし、どうぞ節約を続けてもらいたい、できるだけ私どもも消費国の経済に激変を与えないように増量しましょうと、こういう思想ですから、私はやっぱり節約を徹底することは今後といえども消費国日本の大きな命題であるというふうに思います。
 それから八月の中旬にメキシコなどを訪問しました。メキシコにおきましては、ポリテーリョ大統領を初め、オテイサ国有財産・工業振興大臣、あるいはモクテスマ経済発展計画調整委員長等々といろいろ話し合いをいたしました。これは油ごいというよりも、やはり関係を深めようということで出かけたわけでありまするが、メキシコ原油の対日輸出を明年以降開始するということで合意ができました。これは新聞等でも御存じのとおりでありまするが、八〇年から十年間にわたる長期契約で、とりあえず八〇年は一日十万バレル提供をしましょう、八一年からは増量を前向きに検討しようということで合意いたしました。さるかわり、わが方としても、鉄鋼プロジェクト、臨海工業地帯の開発、それから国鉄の電化――あの国は御承知のとおりアップ・ダウンの非常に多い国で、日本とやや地形も似ております。それからその他の日墨合弁事業の協力プロジェクト等についてもよく話し合いをしたところであります。
 この訪問を通じて私が気がつきましたのは、いま白木さんがおっしゃるように、産消対話というのはやっぱり必要なことである、これはもう言うまでもないことでありまするが、特に、通産大臣は毎年一遍ぐらいはやっぱり経済安全保障と言うならば中東なりそれぞれの産油国を訪問してコミュニケーションを深めることは本当に必要だということを痛感した次第であります。私が行っておりまする間にも、イラクにはバール首相が来ておりました。クウェートにはフランスの国防相、サウジにはアメリカのストラウス、ア首連にはジスカールデスタン大統領が給油に事寄せて四時間ぐらい話し合いをするというわけであります。大平総理にも私は帰りまして申し上げたことですが、機会を得てぜひひとつまた訪問をしていただくことができるようにお願いをしておるところであります。総理においても検討を願っております。
 さて、第二の灯油の問題でありますが、灯油の小売価格が、現在、八月の時点で、東京都内ですが、これは十八リットル当たりで配達が平均千四十円になっております。これは昨年の暮れに比較しまするというと約四〇%程度の値上げであります。ところが、御承知のとおり元売り企業による石油製品の値上げ、これは対外要因でありまするが、これは四五から五〇%程度外的要因で上がっておるわけであります。これは円ベースの変化も入れております。それから見ればまあまあ妥当な線をいっておるというのが今日の状況であります。
 灯油についての価格介入をなぜやめたのかという御質問もございましたが、これは御承知のように、A重油とか軽油とか灯油、これは中間留分と言っておりますが、非常に燃料として似ております。そこで、灯油だけが不当に政府介入によって安いということになりますと、軽油に灯油をまぜて使う、A重油と一緒にたいてしまうということになりまして、本当に冬の最需要期に灯油が要るというときにA重油や軽油より安い灯油が別なところに向けられるというようなことになりますと、これは需給を根本的に乱すことになります。したがって、市場の自然に任せる、やっぱり市場メカニズムに任せることが大切であるということで先ごろ政府介入をやめたわけでありますが、しかし、冬場に向けての灯油は北海道及び日本海側においては生活必需品であります。したがって、現在私どもは、上期においては石油供給計画上のいわゆる所要在庫水準、これは灯油の六百四十五万キロリットル、これは去年よりも多い在庫の積み増しをして最盛期に備えておるわけであります。特段の買いだめだとか買い急ぎなどする必要はありません。そういういわゆる仮需要が起こらない限り絶対不安はないと言って私ども約束をしておるところでありまして、十分これには責任を持って今後とも対処してまいりたいと思います。節約の大切なことは申すまでもございません。
 それから漁船、農業、運搬用燃油の供給確保の見通しいかん。
 これにつきましては、先ほど総理からもお答えがありましたように、やはり石油供給計画に近い量を確保することが何よりまず大切であります。上期においては、幸い積み増し分を除けば前年よりも相当量を輸入することができたわけであります。下期におきましても、中東等国際情勢は必ずしも安定しておるとは言いがたい状況ではありますが、しかし、穏健国を初め誠意を持って、サウジアラビアなども百万バレル、ア首連なども五十万バレル程度の増量をしながら今後需要にこたえようという姿勢を示しておってくれます。したがって、私どもも、この輸入量で、やや値段が上がりましたことはまことに遺憾なことでありまするが、そうかといって、この値が上がったことによって比較的いま量は順調に確保されつつあります。今後といえども、漁船、それから農業、運搬用燃料などに不足を来さないように十分責任を持ってこれらに対処してまいりたいというふうに考えます。(拍手)
   〔国務大臣栗原祐幸君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 108815254X00419790907_004

発言者: 江崎真澄

speaker_id: 3035

日付: 1979-09-07

院: 参議院

会議名: 本会議