中島武敏の発言 (本会議)
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○中島武敏君 私は、日本共産党・革新共同を代表して、大平内閣不信任決議案に対し、その提案理由には同意できない点もありますが、内閣不信任そのものに賛成の討論を行うものであります。(拍手)
大平内閣が、本院でかつてない少数支持という異常な成立をしてから六カ月、その悪政に対する国民の憤りの声はいよいよ高まり、国のすみずみに至るまで満ちあふれているのであります。
国民生活を破壊し、続出する汚職、腐敗をひたすら隠蔽し、わが国の命運を危険な破滅に導く大平内閣半年間の悪政を、国民は断じて許すものではありません。(拍手)
大平内閣不信任の第一の理由は、汚職、腐敗をあくまで隠蔽し、その根源である政、官、財癒着の醜い構造を温存しようとしていることであります。
ロッキード、グラマン事件に引き続いて、KDD汚職、税理士法買収事件、自民党浜田幸一前代議士の賭博事件など、底知れない政界の腐敗事件について、政界に追及の手は及ばないで幕引きされようとしていることに、国民は言い知れない憤りを感じております。(拍手)
KDD事件では、実に五十八億円にも上る巨額の交際費が使われ、国会議員の四分の一に当たる百九十名もの政治家に資金がばらまかれたのであります。税理士法買収事件でも同様でした。そして、きのう、東京地検は、贈賄の申込罪の成立は認められると発表し、この工作資金の賄賂性を認めました。にもかかわらず、いずれも政界への追及もされず、その人物が判明しているにもかかわらず、一切公表もされていないのであります。
第二次大平内閣の組閣に当たり、倉石法務大臣、後藤田国家公安委員長を任命したことなど、大平内閣が、収賄罪の被告人である田中角榮元総理の影を色濃く落としている腐敗内閣だという国民の批判は的中したのであります。(拍手)
浜田幸一賭博事件は自民党の汚職、腐敗の象徴であります。また、KDD事件は政界、財界、官界の醜い癒着を暴露したものであります。国会は、当然、これらの事件についてその全容を国民の前に明らかにする責任があるにもかかわらず、大平内閣と自民党は、浜田幸一前代議士及び服部元郵政大臣などの証人喚問をかたくなに拒否し続け、必死の真相隠蔽を行っていることは、断じて許せないことであります。(拍手)これこそ、大平内閣の綱紀粛正などということがいかに欺瞞であり、国会と国民を愚弄するものであるかを改めて明らかにしているのであります。(拍手)
金権腐敗政治を一掃するためには、事件の徹底解明とあわせて、企業、団体からの政治献金の禁止、高級官僚の天下り禁止など、抜本的対策こそ急務であります。それにもかかわらず、大平内閣は、これらには一顧だにせず、再発防止の意思も能力も全く有しないものと断ぜざるを得ないのであります。(拍手)大平内閣が金権腐敗政治の隠蔽内閣、温存内閣に堕落したことは、もはや天下に明らかだと言わなければならないのであります。(拍手)
大平内閣不信任の第二の理由は、大平内閣が日米軍事同盟を一層侵略的に強化し、軍事大国への道に国民を押しやろうとしていることであります。
大平内閣は、内閣成立と同時に、その直前に取り決められた日米防衛協力のための指針、ガイドラインの具体化を推し進め、現在、カーター政権の新戦略に加担して、日米軍事同盟の新たな強化に全面的に乗り出しています。
リムパックヘの公然たる参加に続いて、さきの日米首脳会談で、大平総理は、カーター戦略への全面協力と防衛費分担の増大を約束しました。また、防衛庁がその内部資料として国会にさえも提示しなかった中期業務見積もり、事実上の五次防について、カーター政権からの繰り上げ実施要求が出されるや、唯々諾々としてこの内政干渉に応じ、軍備縮小の国際世論と国民の要求に逆らい、自衛隊の大増強、軍事費の大幅増大という重大な約束をしてきたのであります。
イラン問題についても、大平総理は、石油よりも日米関係が重要、犠牲もあえて辞さずと述べ、カーター政権の力の政策、不当なイラン制裁の強要に同調しました。
しかも、大平内閣は、今回その行動範囲を中近東、イランにまで拡大する緊急投入部隊の沖繩基地使用を容認し、日米安保条約の適用範囲を無制限に拡大し、アメリカの危険な力の政策に加担、協力する道を進んでいるのであります。
わが国の安全と平和のためには、日米安保条約を廃棄し、非同盟中立の道を進むべきであります。(拍手)
わが党は、国民の安全を脅かし、わが国と世界の平和を危うくするこの道を断じて認めることはできないのであります。(拍手)
大平内閣不信任の第三の理由は、大企業に史上空前の利益を保障する一方で、国民生活を根底から破壊し、日本経済の危機をますます深刻にしていることであります。
「物価の安定こそは、国民生活の安定の基礎をなすものであります。」、これはわずか四カ月前の所信表明における総理自身の言葉であります。ところが、大平内閣が実際に行ったのは何であったでしょうか。平均五一%という電気料金の値上げを初め、ガス料金、たばこ定価、国鉄運賃、消費者米価など公共料金の軒並み値上げであり、郵便料金値上げ法定制骨抜き法案の国会提出だったではありませんか。(拍手)鉄鋼、セメント等々一連の大企業製品の便乗値上げに対し、生活二法の適用、価格Gメンによる規制など、わが党の提起にもかかわらず、物価は経済の自律性に任せるのが最も効果的であるなどとうそぶいて、便乗値上げを放任してきたことだったではありませんか。
いまや、国民生活と日本経済は危機に瀕し、再びスタグフレーションのどろ沼に投げ込まれようとしているのであります。
福祉と社会保障、教育についても同じであります。国民の強い反対で不成功に終わりつつあるとはいえ、健康保険制度の改悪は、五十年余の国民健康保険制度の歴史の中で、かつてなかった通院時医療費の一割本人負担、及び入院費の一日千円、保険料率の大幅引き上げなど、その改悪をごり押ししていることは、国民の命と健康を守る上から断じて許せないことであります。(拍手)
さらに、毎年F15やP3Cのわずか五機分を回せば、五カ年で実現できる四十人学級制実現の放棄であります。まさに福祉切り捨て、教育破壊内閣と言わなければなりません。
大平内閣が看板としていた財政再建についてはどうでしょうか。国債発行額は、減らされるどころか、逆に五十四年度実績より七千億円も増発され、国債費は、本年度五兆三千億円、来年度六兆五千億円とふくれ上がって、急増する軍事費とともに予算を先取りしているのであります。
さらに、大平内閣は、大企業優遇の不公平税制は温存したまま、みずからつくり出した財政危機を口実に、減税見送りによる実質大増税を国民に押しつけ、その上、一般消費税の受けざらである税理士法改悪を強行し、新たな大増税を計画しておるのであります。
不況とインフレの同時進行、第二次エネルギー危機の爆発、雇用不安の深刻化、低下する食糧自給率、破局的な財政危機等々、累積し、複合した日本経済と国民生活の危機に対して、大平内閣は何一つ有効な手だてを講ずることはできなかったし、今後もできないことは、もはや明白なことであります。(拍手)
以上、大平内閣をこのまま存続させることは、日本の平和と安全をいよいよ脅かし、国民生活をさらに破綻させ、金権腐敗政治の温存と政治不信を増大させる以外の何物でもありません。
総理、いまあなたに残されているただ一つの道は、あなたが潔く退陣することであります。私は、大平内閣の責任を断固糾弾し、大平内閣不信任決議案の賛成討論を終わります。(拍手)