渡辺武三の発言 (本会議)
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○渡辺武三君 ただいま提案されました大平内閣不信任決議案の提案理由につきましては、必ずしも同意できない点もございますが、私は、民社党・国民連合を代表して、賛成の立場から討論を行わんとするものであります。(拍手)
いまさら言うまでもなく、大平内閣は、その発足当初より金権腐敗体質を内蔵し、国民が期待する明るい清潔な政治とはおよそ反対の道を歩んできたことは否めない事実であります。
すでに公判廷にさらされているロッキード事件被告に対する同情論を初め、ダグラス、グラマン問題に絡む汚職解明の回避、ロッキード事件との関連に疑惑がある浜田前議員及びKDD問題に深い疑惑が持たれる議員などの証人喚問拒否などは、明らかにそれを証明すると言わなければなりません。こうした内閣の姿勢は、ついに鉄建公団不正事件や官庁の不正経理など、きわまりなき綱紀の弛緩を引き起こすに至ったのでありまして、まさに大平内閣の責任は重大であります。いまやすべての国民は、大平自民党内閣の腐敗政治を糾弾してやまないのであります。
私は、ここに改めて国民の意思を代表し、金権腐敗の大平内閣に対し、その政治的責任を明らかにするよう強く要求するものであります。(拍手)
大平内閣の第二の失政は、行財政改革を微温的に処理し、国民の期待に背くのみならず、国民に重大な政治不信を抱かせたことであります。
大平総理、あなたは、昨年の総選挙では徹底的な行政改革を公約されましたにもかかわらず、いざその具体化に及べば、官僚などの抵抗に屈して、公約とはほど遠い施策で当面を糊塗しようとするなど、あなたが何と弁明されようとも、国民の期待を大きく裏切ったことは事実であります。
いま思い返すに、大平総理は、財政再建に名をかりて一般消費税の導入をもくろみ、同時に、行政改革もこれに資するものと主張されましたが、その一般消費税が国民の明らかな意思により否定されたのでありますから、当然の成り行きとして、行政改革に政治生命をかけて取り組むべきであったのであります。(拍手)国民が大平内閣に期待したのも、まさにここにあったのでありますが、大平内閣は、あえて国民の欲するところをかわして、微細かつ形式的な行政改革で終止符を打たんとしているのであります。私は、改めて国民の声を代弁し、大平内閣の責任を追及してやみません。(拍手)
第三の問題は、当面最も積極的に取り組むべき物価問題、地価高騰対策など、国民生活の安定施策に対する無気力、怠慢なる態度であります。物価問題などでは、国民の生活実感にそぐわない統計上の数字をもてあそび、現状では先進国の中で優等生であるとの自負を持っておられますが、ひしひしと迫りつつあるインフレに対する国民不安にこたえる適切なる具体策を示そうとはされません。また、対前年比二〇%を超える地価の高騰は、まさに異常状態であるにもかかわらず、何らの対策も講ぜず、拱手傍観せんとすることは許されません。
かつての狂乱物価を招来させた要因の一つとして、先行した地価の異常高騰を抑制するために設けられた国土利用計画法を積極的に運用する方策があるにもかかわらず、あえてそれすらとろうとしないのは、一体どういうことなのでありましょうか。これまさに怠慢、無気力な大平内閣と言わなければならないのであります。(拍手)
私は、悪化する国民生活問題を放置する大平内閣の無責任ぶりを厳しく追及してやみません。
最後の問題は、わが国の安全保障、そのための国際的な平和環境づくりに対する大平内閣の対処についてであります。
御承知のように、わが国は平和な国際環境が確保され、各国との友好関係が保持されることによってのみ、経済を初め国民生活の安定、発展が保障されるのであります。換言をすれば、平和と友好によって生きるしか道がないと思うのであります。それだけに、国際平和のためには積極的な役割りを果たすと同時に、現実に展開されている厳しい実態に照らして、みずから負うべき安全保障上の責務を果たすことが重要なのであります。
幸いにして、長年の課題であった安全保障特別委員会が衆議院に設けられ、安全保障に関する国民合意の形成に資する道が開かれたことは高く評価するところであります。
しかしながら、独立国家としては、自国の主権に基づき自主的な安全保障政策の確立に最善の努力を尽くすのは当然であります。なお足らざるところを友好国との集団安全保障でカバーをするのもまた当然であります。
しかるに、歴代自民党内閣も、また大平内閣も、こうした自主的な安全保障政策を確立する努力を尽くさず、もっぱら政治的な妥協を続けることに終始してきたのであります。したがって、国際環境に変化が生じても、まず自主的にそれに対応することができず、アメリカの判断にすべて従わなければならない実態であります。国民の不満は、これによって独立国家としての誇りを傷けられることであり、それは合意形成を困難化させる要因でもあります。同時に、こうした自主性なき国家であっては、真の日米信頼関係も築き上げることができないと思うのであります。従来からの惰性に流れて、みずからの安全保障政策確立の努力を怠っている大平内閣を、どうして信任することができましょうか。(拍手)
私は、ここに強く不信の意を表明しつつ、大平内閣不信任決議案に対する賛成の討論を終わります。(拍手)