広瀬秀吉の発言 (議院運営委員会)

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○広瀬委員 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま議題になりました航空機輸入に関する調査特別委員会の存続を強く主張する立場において意見を申し述べたいと思います。
 いま、与党自民党の方はもう役割りが済んだということを一つの理由に挙げております。そしてまた裁判が進行している、こういうことで、これも結論に近づきつつあるのだからもうそれに任したらどうか、こういう二つが大体自民党の理由になっておると思うのでありますが、その理由に対して私どもは断じて承服できない、そういう立場で意見を申し上げる次第です。
 まず第一は、これは五十一年の二月二十三日の本会議においてロッキード問題に関する決議というものが国会で、この衆議院で、そしてまた続いて参議院において行われました。そのときの決議を皆さんもう一遍よく思い出していただきたい。このロッキード事件というものが国民感情に与えた影響はきわめて甚大である、こういうことであります。したがって、この真相を徹底的かつ迅速にやらなければいけない、こういうことが言われておるわけであります。
 しかも、それを受けまして、ロッキード問題に関する調査は、主として国会においては予算委員会を中心にやられたわけでありますが、実は予算委員会で予算を人質にとったような形でという表現が適切であるかどうかは別といたしまして、自民党は予算がそのことの審議のために制約されるということ、こういうことで、ぜひひとつロッキード問題に関する調査特別委員会ということにしてくれまいか、そういう形で、そしてその形が五十四年の一月三十日には航空機輸入に関する調査特別委員会、こういうように発展をして、ずっとそれから存続をされてきた、こういう経緯、そしてその決議の中でも、徹底的に調査をし、その真相を解明することを目的にしてということが常にうたわれてきた。この種の決議において徹底的に真相を解明するということがうたわれるということは珍しいわけで、それだけ国会は、そして衆議院は、この問題を重視をして政界浄化の最も大きな柱として委員会がずっと存続をしてきた、こういうことであります。
 ところが、九十一通常国会におきましてこれが審議が余りされぬではなかったかということを理由にされたのでありますが、これは全く事実を曲解するもはなはだしい、まさに木を竹と言いくるめるような、白を黒と言いくるめるような、そういう種類の議論であると私は思うのでありまして、私どもがやはり真相を究明する、解明するということを言うならば、これは当然関連を持った疑惑の中にある人たちを国会に証人として喚問をして質問をし、疑惑を国民の前に解明をしていくというのが当然であります。
 ところが、そのことに対して自民党は全体を挙げて反対をして、ついにそれが実現をしない、こういうような形のまま推移したわけであって、たまたまこの委員長を与党が握るというようなこともありまして、委員会開会にも熱心ではなく、また証人喚問に対しては自民党全党を挙げて反対をしてきた。こういうようなことの中でこれが実現をしなかったのであって、今日の現状というのはまさに真相解明にほど遠いものがある。真相解明の立場から言うならば、これは中途半端そのものである、これから真に迫ったところにいくべきである、こういうことであります。
 特に疑惑の中にある児玉ルートなんというのは、その健康を理由にして一度も国会に出てこなかったし、あるいはまた小佐野ルートの問題等につきましても、その問題は、特に航空機輸入特別委員会に一度もそういう疑惑の中にある人たちが出席をしてこない、こういうようなことがありまして、この委員会の運営が非常に困難をきわめた責任はまさに自民党にあるのであって、その自民党がまさにみずからの過ち、みずからの不明を他に転嫁をするような形において、この委員会が開かれることもなかったというようなことを理由にして廃止を主張するというのは、サギをカラスと一言いくるめるようなたぐいのものであると言わざるを得ないわけであります。真相解明を妨げ、そして委員会を開かないできたのは、挙げて自民党の責任であるということを強く主張しておかなければならないわけであります。
 その中でも、特に小佐野ルートにおいて二十万ドルの行方が不明である。ところがロッキード事件の裁判において、少なくともK・ハマダなる者、これはもう浜田幸一君と言ってもいいのでありましょう。その人がいわゆるラスベガスにおける賭博事件で大きな借金をした、その穴埋めにそれが使われたということが検事の冒頭陳述の補充、訂正という形において、権威ある検察当局からそういうことが行われておる。これは当然小佐野、浜一田幸一君を航空機輸入に関する調査特別委員会に証人として喚問をして真相を解明するということが必要であったにもかかわらず、ついにこれを猛烈な反対によって実現をし得ないで、国民に暗い影を残したまま今日そのことすら実現しないということは実にけしからぬことである。
 これは一例でありますが、そのほかにもわれわれが岸元総理あるいは中村長芳君、これは岸総理の秘書、同じく川部美智雄君、そういうような諸君も証人として喚問要求をしておりましたが、ついにそれも実現をさせなかった、こういうようなことがあるわけでございまして、まさに真相究明にはほど遠い、こういうことが言われるわけであります。したがって、これは当然存続してさらに疑惑解明を国民に対するわれわれの責任としてやっていくことが必要である、こう言わざるを得ません。
 第三に、参議院はやはりその良識において航空機輸入に関する調査特別委員会設置を今回決定をされました。まさにこれは参議院の良識と言うべきものでありましょう。そしてまた、われわれ衆議院もやはり良識の府であり、話し合いの場であり、そして議会制民主政治を守る立場においては全く同じだと思うのであります。衆議院の良識が今日ほど問われていることはない。この問題についてまさに衆議院の良識が疑われるような、今回その廃止という方向を与党が打ち出してくるということに対しては、私どもは、その衆議院の良識の名において、そしてまた議会制民主政治擁護の名において、断じてこれに賛成するわけにはいかぬ。あくまでも存続することが衆議院の良識を全国民に示すことであろう、このように考えるわけであります。
 さらにまた、鈴木新内閣は、和の政治ということを言っておるわけであります。これを真っ正面にうたい文句にされている。これはやはり国民の納得を得られる政治というのが基本になければならぬだろうと思う。その国民の意思を無視し、また、各派協議会において、あるいはまた議運の理事会において、野党側が一致してこの問題については存続をすべきであるということを主張したにもかかわらず、話し合いもまだ不十分のままに、そういう機関決定だというようなことのゆえをもって、これをごり押しに押し切ってくるということは、まさに和の政治なり、あるいは議会制民主政治の根本である話し合いの政治というものをみずから裏切るものであり、まさに新内閣の一番最初に掲げた基本的な政治姿勢というものが国民に疑いの目をもって見られるであろうということを、これは与党に対して警告を発しておかなければならぬというように考えるわけであります。
 私は、これらのことを通じて、断じてこの航空機輸入に関する調査特別委員会は存続すべきである。このことを国民も望んでおる。そして、そういうようなことを通じて、総理が言われる政界浄化という一つの大きな政治姿勢の問題として出しておられるものも、これが口頭禅ではなくて本当に実行の裏づけが得られるのであろう。そういうものをみずから否定をされる自民党のそういう態度に対して、私は心から国民を代表して遺憾の意を表せざるを得ない。したがって、私どもは、この問題についてここで採決で仮に敗れたとしても、われわれは、次の国会においても必ずこれを設置されるような要求はどんどん続けていく、こういうことを最後に強く求めて、私の意見表明を終わらしていただきます。(拍手)

発言情報

speech_id: 109204024X00219800718_007

発言者: 広瀬秀吉

speaker_id: 26157

日付: 1980-07-18

院: 衆議院

会議名: 議院運営委員会