園田直の発言 (予算委員会第四分科会)
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○国務大臣(園田直君) 同和地区の問題では皆さん方からしばしば活発に御意見なり御指導を賜っており、私の方でもいろいろ努力しているところでありますが、差別の問題は予想外に各所で頻発しておる。これは全く申しわけないことだと存じております。そこで、問題はいろいろありましょうけれども、私は大体三つに分けてその原因及び排除ということを考えなけりゃならぬと思います。
第一は、一番表面に出ておる公共事業を初めとするいろんな環境施設の問題でございます。この点はすぐ目につきます。そしてまた予算等でも努力をしておりますから大分いってはおりますものの、まだし残ったことがあるわけでございます。
第二番目に、もっと大事なことは、公共事業その他も大事ではあるが、その目的は、この地区というものをほかの地区と同等に、実質上、下から差別をなくしていくという目的でありますから——残念なことには、私が一番心配しておりますことは、ごく一例を挙げますと、同和地区の生活保護率は全国平均の四倍ぐらいだと思います。身体障害者の方も、同和地区の方には申しわけないが、率は多いと思います。罹病率その他もそうであります。かつまた、だんだん聞いておりますと、生まれる子供さんに平均体重よりも少ない子供さんが多いと。こういう地区の一人一人の方々の体力から、あるいは人間性から、これを押し上げる、また地区に住まわれる方々も自立自存の精神を捨てないでやってもらう。こうなってくると、私が引き受けておりまする福祉行政が一番大事でありますから、大事なことは、同和地区の福祉事業に対して具体的にいろいろ検討してやらなければ、これをこのままほうっておきますと、差別をなくする、なくすると言いながら、いつの間にかこういう制度から来る新しい差別をわれわれがつくりかねないことになる。これを非常に心配しております。
三番目に、一番大きな問題は、同和地区の方々及びこういう方々と交際をなさる一般国民の理解、それから教育、いろんな政治全体として考えなきゃならぬことは心の問題であると思います。
各所に頻発しておる差別の状況を見ますと、同和対策というのは、まだまだ根深いものがあり、これはなかなか大変で、八割はでき上がったなどという間違った考え方はもってのほかだと思います。
そこで、そのためには、第一は、同和地区の方にも、一般国民の方にもまず御理解の徹底を願いたいことは、いままでの差別がいわれなき差別であるということ。これはまさに歴史がつくった悲劇であり、その間違った歴史に乗っかっていつの間にか国民の感情が定着してきたものであって、同和地区の方と一般の地区の方とは何ら差別があってはならぬ。むしろ崇高な奉仕の精神でやってこられた方々であり、いわれなきものであるということ。
それから第二番目には、そのいわれなき差別というものを心から直していくこと。子供のけんかを見ておりましても、お互いに相手をののしる。ののしるために同和地区の方々の昔の古い名前を使ってののしり合う。こういうことはこれは非常に根深いものだと思います。
かつまた、北九州に近く起きました就職の問題等で、ああいう事件は一般の人も何か違うんじゃないかと思うし、それから地区の青年、こういう方々がそれに対して反発と怒りを感ずるうちはいいが、だんだんやっているうちに、おれたちは別物だということで自主自存の精神がなくなることは、これはもう大変なことであります。
したがいまして、子供さんの保育に対する特に心の問題、こういうことに政府は一体となって、総理が中心でありますが、総合的な対策を立ててやらぬと、これはなかなか公共事業と違って、予算を組めば済むというものじゃありません。こういうことをやったから直るというものじゃありませんが、時に触れ、折に触れ、気長にしかも熱心にやる。この三つのところに原因があると考えますので、今後そういう点に皆様方の御指導を受けながら努力をする所存でございます。