鈴木善幸の発言 (本会議)
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○内閣総理大臣(鈴木善幸君) 武田議員にお答えをいたします。
まず、最近のわが国経済の状況についてでありますが、物価が安定的に推移しているほか、これまで景気回復をおくらせてきた在庫調整もすでにほぼ終了していると見られることなど、経済環境も好転してきております。このため、五十六年度の実質経済成長率は四・一%程度になると見込んでおります。
五十七年度におきましては、多くの先進諸国において、本年後半にはインフレの収束と景気の回復が見込まれます。第二次石油ショック直後の五十五年度、五十六年度に比べ、高い成長を可能とする条件が整ってきていると見ております。
需要項目別に見ましても、個人消費については、物価の安定を基礎として、実質所得の増加により、相当程度伸びが高まること。住宅投資については、実質所得の回復等に加えて、住宅金融の充実、宅地供給の促進など、諸般の対策のきめ細かな推進により、今後回復に向かうと見られること。設備投資については、大企業はもとより、中小企業においても、内需の回復などを背景として増加テンポが高まることなど、景気の回復は着実に進み、五・二%程度の実質成長が見込まれると考えております。
今後とも、民間活力が最大限に発揮されるよう環境の維持整備を図るなど、景気の維持拡大に努めてまいりたいと存じます。
なお、地方財政につきましては、五十六年度の地方税収については、全体としてはおおむね見込み額を確保できるのではないかと期待いたしております。
五十七年度の地方税及び地方交付税につきましては、先ほど申し上げた政府の経済見通しによる諸指標などを基礎として、最も適切な方法により見積もりを行ったものでありまして、現段階では十分確保できるものと考えております。
税収見積もりの問題でありますが、これは見積もりの時点における利用可能な資料に基づいて、専門家たちが最大限の努力を傾注した結果であります。見積もりの時点で入手可能なデータには一定の限度がありますから、必ずしも結果が見積もりどおりになるとは限らないというのが過去の例でありますが、五十六年度の補正後予算における税収見積もりも、現段階において最善の努力を行った結果であることは御理解願いたいと存じます。
次に、地方自治制度をどう考えるかという観点からお尋ねがありましたが、私は、地方自治は憲法に基づく民主政治の基盤であり、国と地方公共団体はそれぞれの果たすべき役割りを踏まえつつ、相協力して国民の福祉の向上に努めていかなければならないものと考えております。
このためには、地方公共団体の自主性と自律性が発揮できるよう十分配慮する必要があると考えており、今後行政改革を進めるに当たっては、住民の生活に密着する行政は、できる限り住民の身近なととろで執行するという考え方に立って進めてまいりたいと存じます。
また、国と地方の税源配分の問題は、国、地方を通ずる事務の配分など、地方行財政制度全般のあり方と関連する問題でありますので、今後、各方面の意見を聞きながら十分検討してまいりたいと考えております。
最後に、住民税の減税についてでありますが、五十七年度の地方財政は、歳出の抑制合理化に努めることとした結果、ようやく収支の均衡を図ることができましたが、なお巨額の公債や借入金の残高を抱えている厳しい状況から考えれば、五十七年度において、住民税について大幅な減税を実施できる状況にはないと考えております。
残余の問題につきましては、所管大臣から答弁をいたさせます。(拍手)
〔国務大臣世耕政隆君登壇〕