河本敏夫の発言 (本会議)
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○国務大臣(河本敏夫君) 五十七年度の経済見通しはどうか、こういう御質問でございますが、五十六年度の経済の実績がようやく今月の十一日に判明したばかりでございますので、五十七年度は始まったばかりでございますから、全貌の見通しを正確にするということはむずかしい点もございますが、御参考までに五十六年度経済の特徴を申し上げますと、第一は、実質可処分所得が昨年はずっとマイナスであったということであります。
それから第二は、いまも御指摘がございましたが、中小企業の状態が相当悪くて、当初想定をしておりました中小企業の投資計画が相当大幅に減少しておるということであります。
第三は、昨年の秋以降、世界不況のために輸出貿易がずっとマイナスに転じておる。
この三つが、私は五十六年度経済の特徴であったと思いますが、それを受けまして五十七年度の展望をいたしますと、実質可処分所得は、ことしになりましてから物価が非常に安定をいたしまして二%台に安定をしておりますので、現在は若干のプラスに転じております。この状態はしばらく続くのではないか、このように判断をしております。
また、中小企業の投資は、昨年に引き続き現在も政府の想定よりも若干減少しておりますが、これはやはりアメリカの高金利のために、政府は金融政策をいま全然機動的に実行できない、こういう状況にもございますので、この点が今後どのようになるか、十分見守っていきたいと考えておるところでございます。
なお、世界経済につきましては、先ほど総理からも御答弁がございましたが、ようやくインフレは峠を越しましたし、石油の小康状態も続いておりますし、世界的に見た場合に、在庫調整がおおむね終了に近づきつつある、こういうこと等がございますので、アメリカの高金利問題はございますけれども、後半ある程度の回復に向かうであろう、このように言われております。そういたしますと、現在落ち込んでおります輸出も、マイナスがプラスに転ずるのではなかろうか、このように考えております。
そこで、先ほど五十六年度経済のことを申し上げましたが、これをGNPで申し上げますと、当初政府は二百五十五兆強のGNPを想定をしておりましたが、これが二百五十一兆強、約四兆円ばかり最終需要が落ち込んでおります。ただ、第四・四半期、これはこの一月から三月までのことでございますが、これは年率三・三%見当の成長でございます。政府の目標と約二%ばかりの差がございまして、これを最終需要で申しますと、約五兆円の差ということになります。ことしのGNPは二百七十兆強と想定をしておりますので、それに近づけるためには最終需要が一−三月の現状よりも約五兆増加することが必要である、このように考えられます。
そこで、とりあえずこの四月から、中央地方を通じまして約二十四兆の公共事業を八〇%弱、技術的に可能な限り最大限前倒しをいたしまして、民間の最終需要が拡大をするような誘い水にしたい、このような政策をいま進めておるところでございます。
幸いにいたしまして、政府の計画どおり、また期待をしておりますとおり、民間の経済がある程度力を回復いたしまして、最終需要が民間だけで拡大をするということになりますと、これはもう大変結構でございますが、もしそのとおりいかないという場合には、当然ある程度の財政資金の追加も必要でなかろうか、このように考えておりますが、現時点はもう少し様子を見たいというのが現在の段階でございまして、いずれにいたしましても、経済の実情に応じまして、有効で適切かつ機敏に対策を進めてまいりたいと考えております。
したがいまして、現時点におきまして、政策努力、政策の工夫いかんによりまして五%強の成長を達成するということは決して不可能ではない、これからの努力いかんにかかっておる、このように私どもは理解をいたしております。(拍手)
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