鈴木善幸の発言 (本会議)

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○内閣総理大臣(鈴木善幸君) お答え申し上げます。
 まず、行政改革に対する私の決意に変わりはないかとのお尋ねでありました。
 私は、行政改革と財政再建は、わが国の将来を確かなものにするため、避けて通れない国民的課題であると考えております。その達成のため全力を尽くすとの考えに変わりはございません。
 三公社問題について、臨調の答申に反対の動きがあるとのことでありましたが、御承知のとおり、まだ部会報告が出された段階でありまして、臨調で検討が行われている最中であります。政府としては臨調での検討を静かに見守っているところでありますが、答申をいただけば、これを最大限尊重していくという政府の基本姿勢に変わりはございません。
 次に、増税なき財政再建と五十九年度赤字公債脱却という二つの方針に変更はないかとのお尋ねがありました。
 財政再建を進めるに当たっては、たびたび申し上げておりますとおり、何よりも歳出の節減合理化を第一に考えてまいります。大型増税は念頭に置くことなく、行政の思い切った改革、歳出の見直し、その努力を最大限尽くし、それによって得た財源で特例公債発行の減額をやっていくことを基本に、最善を尽くしてまいります。六十年度から特例公債の支払いが始まるわけでありますから、五十九年度に特例公債依存の体質から脱却するとの方針は、政府の基本方針でありますので、引き続きその実現に向け最大限の努力をしてまいります。
 次に、歳入欠陥にどう対処しようとしているのかとの御質問でありますが、五十六年度の税収は七月上旬にならなければ確たることは判明いたしませんが、現状では、当初予算に対し一〇%台の減収が生ずることも懸念される状況にありまして、私としてもまことに残念であります。その処理でありますが、現行制度にのっとり、国債整理基金からの繰り入れを含む決算調整資金からの繰り入れによって対処してまいる所存であります。
 秋に臨時国会を開かなければ、景気対策、財政対策の上で困るのではないかとのお尋ねでありましたが、五十七年度に入ったばかりの現段階で予算補正の時期を申し上げることは困難であります。いずれにせよ、今後の経済情勢を慎重に見定め、必要があれば適切に対処してまいりたいと考えます。
 次に、サミットについてお答えいたします。
 今回のサミットは、きわめて厳しい国際経済情勢のもとに開催されたサミットでありまして、私は、世界経済が現在直面する諸困難を乗り越えて将来の展望を切り開いていくためには、われわれは、各国経済の活力の回復と自由貿易体制の維持強化という二大目標に向けて、強い決意を持って協力していくことが肝要であることを強調した次第であります。参加各国首脳とも、同様の問題意識を持って真剣な討議を重ねた結果、お互いに将来に向けての協力の姿勢を確認するとともに、科学技術、経済政策、通貨、貿易、南北問題、東西経済関係等につき、行動の目標を定めることができたことは大きな成果であったと考えております。
 なお、塚本議員御指摘の通貨問題につきましても、高金利問題も含め真剣な話し合いが行われた次第でありますが、実質金利の引き下げを達成するためにも慎重な金融政策を追求し、財政赤字の一層の抑制を達成することが必要であるということにつき、首脳間の意見が一致を見たところであります。また、特に国際通貨の安定が重要であるとの認識のもとに、今後各国通貨当局間で一層緊密な協力を進めていくことについて合意が得られたのであります。
 わが国といたしましては、今後サミットの諸合意を受け、経済の動向も踏まえつつ、いかなる協力が可能か、各国と真剣に検討してまいる所存であります。
 なお、ソ連の大規模な核実験の実施につきましては、私も報道により承知しております。もしもこれが事実とするならば、世界に向かって核軍縮を説く傍らで核の実験を進めているという言行不一致以外の何物でもなく、まことに遺憾なことと言わなければなりません。
 次に、いわゆる非核地帯の設置についてであります。
 わが国としては、一般的に適切な条件がそろっている地域において、その地域の国々の提唱により非核地帯が設置されることは、核拡散防止の目的に資し得るものと考えております。なお、非核地帯設置構想に関しては、その地域の政治軍事情勢など、地域的特性が十分に勘案されなくてはならないことは申すまでもありませんが、条件としては、たとえば核兵器国を含む関係諸国のすべての同意があること、特に当該域内諸国のイニシアチブを基礎とすること及び査察、検証を含む適切な保障措置を伴うことなどが必要であろうと考えます。
 次に、国連の平和維持機能の強化についてであります。
 これは私のさきの国連における演説でも触れたところでありますが、具体的には、たとえば世界及び各地域の軍事情勢を把握し、その実態を適宜公表するような機構の設置の可能性、国連の事実調査機能の強化の方策、国連が国際紛争に臨機に対応し得るような各国における国連平和維持活動への協力体制の諸態様、平和維持活動に関する国連による研修計画等について検討することなどが重要と考えられます。
 わが国は、国連の平和維持活動を国際の平和と安全の維持に資するものとして高く評価をし、これに対し従来より財政の分野で積極的に協力してきております。わが国としては、国連の平和維持活動にさらに積極的に貢献するために、従来から実施している財政面での協力に加え、いかなる形での協力がなし得るか、具体的検討を始めさしておるところであります。
 最後に、今回のいわゆる全日空ルートの判決に関連して一連の御意見がありました。
 私は、就任以来、政治倫理の確立と政治の浄化は、議会制民主主義を支える柱であり、国民の政治に対する信頼確保の基盤であるとしばしば申し上げてまいりましたし、今日もこの考えに変わりはございません。
 政治倫理の確立は、元来政治に携わる者個々人の自覚と良識にまつべきものであると思いますが、制度の面から一歩でも前進させようと考え、政治資金の明朗化を図るための政治資金規正法の改正や、選挙運動のあり方を規制する公選法の改正を国会にお願いして、その実現を見たところであります。先ほど御答弁申し上げたように、現在国会で御審議いただいておる参議院全国区制の改革も、まさにその一環の問題であるとの認識を持っております。
 いずれにしても、政治に携わる者は、私を含めて、政治を志した初心を忘れることなく、常に自粛自戒して努力をしていくことが肝要であると考えております。
 なお、今日の政局運営を他の人にゆだねているかのごとき御発言がありましたが、そのようなことは断じてないことを明確に申し上げておきます。
 次に、佐藤孝行議員の政治責任についてのお尋ねでありましたが、この問題は、あくまで議員個人が判断すべきことであって、他人が強制すべきことではないと考えております。いずれにいたしましても、国会議員の身分に関することでありますから、行政府の責任者である私が意見を述べることは適当でないと思いますので、御了解を賜りたいと思います。
 最後に、証人喚問の問題についてでありますが、この問題について、現行の議院証言法は、人権上の種々の問題があって、ここ数年来各党間で論議されていることは御承知のとおりであります。私は、自由民主党の総裁として、かねてから党執行部に対し、倫理委員会の設置と議院証言法の検討などを要請いたしておりますが、この問題は、まさに国会議員の規律に関することであり、国会の事項でございます。事柄の性質上、議院運営委員会や議会制度協議会において、各党間で御協議を願って結論を出すべきものと考えております。
 残余の問題につきましては、所管大臣から答弁をいたさせます。(拍手)
    〔国務大臣渡辺美智雄君登壇〕

発言情報

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発言者: 鈴木善幸

speaker_id: 1360

日付: 1982-06-21

院: 衆議院

会議名: 本会議