鈴木善幸の発言 (本会議)

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○内閣総理大臣(鈴木善幸君) お答えいたします。
 まず、軍縮に関連して、防衛予算に取り組む姿勢についてお尋ねがございました。
 御承知のとおり、防衛力の整備に当たっては、憲法及び基本的な防衛政策に従い、そのときどきの経済、財政事情等を勘案し、国の他の諸施策との調和を図りながら、質の高い防衛力を着実に整備することといたしております。
 五十八年度予算の編成に当たっても、このような基本方針のもとに、財政再建が緊急の課題であること、「防衛計画の大綱」の水準をできるだけ早く達成する必要があることなどを総合的に勘案しながら、防衛費についても慎重な検討を行い、わが国の防衛のために必要最小限度の経費を計上してまいる考えであります。
 改憲論にくみしない決意を聞きたいとのことでありましたが、鈴木内閣においては憲法改正を考えていないことは、これまで繰り返し申し述べておるとおりであります。
 次に、米ソ両国に対し、第一番目に核兵器を使用する国にならないという約束を取りつけるよう呼びかけるべしとのことでありましたが、核兵器の先制不使用については、全面完全軍縮の一環として、核兵器の生産禁止、貯蔵の削減等の具体的軍縮措置の裏づけがあって初めて実効性が確保できるものであると考えます。
 私は、国連軍縮特別総会において、このような考え方に立ち、核軍縮実現のためには、核兵器の大幅削減のため米ソを初めとする核兵器国が実効ある措置を積み重ねていくよう訴えた次第であります。
 次に、核の不使用決議についてでありますが、私としては、核兵器が二度と使用されることのないようにするためには核軍縮のための実効ある措置を一つ一つ積み重ねていくことが肝要であると考えます。
 かかる観点から、さきの国連における演説においても、米ソ間の戦略核兵器の制限及び削減交渉並びに中距離核兵器に関する交渉の実質的進展を訴え、また核実験の全面禁止の早期実現及び核不拡散体制の強化を訴えてまいりました。私は、このような着実な努力を積み重ねていくことこそが諸国民の願望である核の不使用を確かなものにしていくゆえんであると考えます。
 御指摘の核兵器の不使用決議等については、このような考え方に立って具体的提案の内容を十分検討した上で適切に対処していく所存であります。
 私としては、国連事務総長が、その国連憲章に定められた職責からして、軍縮条約の検証分野において重要な役割りを果たすことが適当であると考えます。したがって、将来の目標としては、国連の枠内で軍縮条約の検証を包括的に確保する国際的な検証機関の設置が望ましいと考えますが、現在世界各国のコンセンサスを取りつけ、直ちにこのような検証機関を設置することには実際上困難があると考えられますので、当面は、たとえば国連軍縮センターに条約の検証、履行に関する情報や知識を集積していくことから着手していくことが適当と考えます。
 なお、原爆に関する広報についてでありますが、世界軍縮キャンペーンに関する国連専門家グループ報告も、軍縮広報のための国連視聴覚ライブラリー構想を示唆しております。わが国は、同ライブラリーに広島、長崎を中心にわが国が保有する豊富な原爆関連資料が備えつけられるよう国連に対する働きかけを含め、かかる構想の実現を目指し、協力していく所存であります。
 私の平和に対する考え方で鈴木内閣をまとめ切れるかとのお尋ねがありましたが、鈴木内閣の各閣僚は、もちろん私の考えをよく理解されて、それぞれの所管行政に当たられております。
 次に、今回の判決と政治倫理の問題についてであります。
 先般来申し上げておりますように、私は、就任以来、政治倫理の確立と政治の浄化は議会制民主主義を支える柱であると考え、自由民主党総裁として、かねてから党執行部に対し、倫理委員会の設置と議院証言法の検討などを要請いたしておりますが、この問題はまさに国会議員の規律に関することであり、国会の重要な事項でありますから、各党間で御協議願うのが筋であると考えます。
 同様に、証人喚問の問題につきましても、現行の議院証言法やその運営のあり方について、いままさに国会の場で御論議をいただいているところであります。
 次に、今回の判決につきましては、厳粛に受けとめ、私も含め政治家各人は自粛自戒し、誠心誠意国政に精励し、国民の負託にこたえていかなければならないと考えております。
 また、佐藤孝行議員に対する辞職勧告問題については、先ほど御答弁申し上げましたように、行政府の責任者である私が意見を申し上げるのは適当でないと考えます。
 次に、日本の最高指導者ともいうべき政治家の出処進退について、米国などの例を引いて御意見がありましたが、日本と外国とでは選挙制度や政治的慣行も異なりますので、御意見として承っておきたいと存じます。御承知のように、アメリカは大統領制であり、国民の直接選挙でございますし、日本の総理大臣は議院によって選挙されるものであることは御承知のとおりであります。
 なお、自由民主党の運営のあり方についてあれこれ御批判をいただきましたが、自由民主党は、結党以来、政権政党として国民の負託にこたえ、国家、国民のため国政に精励し、国民の皆さんからも評価されていると信じております。今後とも国民の皆さんの御意見に謙虚に耳を傾け、その意見を酌み取り、努力してまいる所存であります。
 また、政治倫理に関して議員の資産公開法の制定や倫理法の確立、企業献金をめぐる政治資金規正法の改正などの御提言がありましたが、これらの問題は、いずれも政党政治のあり方に関する事柄であり、各党間で論議を尽くして結論を出すべきものと考えるものであります。
 最後に、情報公開法の制定についてお尋ねがありましたが、この問題は、目下臨時行政調査会において検討中でありますので、その答申を待って適切に対処いたしたいと存じます。
 以上、御答弁を申し上げます。(拍手)

発言情報

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発言者: 鈴木善幸

speaker_id: 1360

日付: 1982-06-21

院: 衆議院

会議名: 本会議