小杉隆の発言 (本会議)
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○小杉隆君 私は、新自由クラブ・民主連合を代表して、ただいま議題となっております公職選挙法の一部を改正する法律案について、提出者並びに総理及び関係大臣に質問をいたします。
本議案については、すでに参議院で、比例代表制と憲法とのかかわり合い、参議院の機能と役割りなど、いわゆる総論的な論議が行われましたし、また本院でも、先ほど来各党から質疑が行われておりますので、私は、観点を変え、できるだけ論点をしぼって質問をしたいと思います。
第一に、全国区の定数削減と地方区の定数是正についてであります。
私たちは、行政改革の必要性が叫ばれる中、行政改革の推進に説得力を持つには、国会議員みずからが率先垂範してみずからの姿勢を正すべきだとして、国会議員の定数削減並びに是正、国会議員への行き過ぎた特権の廃止、議会運営の充実と効率化などを提唱してまいりました。
中でも国会議員の削減については、衆議院は公職選挙法第四条の本則どおり四百七十一人に戻し、四十人削減とする、参議院全国区についても二十人の定数削減を提唱してまいりました。
今回の参議院選挙制度改正の一環として、選挙の公正を確保するため、地方区の定数の不均衡も是正すべきと考えます。
五十五年国勢調査によれば、一票の重みは、たとえば神奈川県と鳥取県のように、最大一対五・七三となっております。特に逆転区の問題は深刻であります。すなわち、北海道は人口五百五十七万六千人で定数四であるのに対し、大阪府は人口八百四十七万三千人、愛知県人口は六百二十二万二千人と北海道よりも多いのにかかわらず、定数は三であり、わけても神奈川県に至っては、人口六百九十二万四千人に対し定数はわずか二でしかありません。そのほかにも逆転現象の生じている区は少なくありません。こうした定数の不均衡は、改めて憲法を持ち出すまでもなく不合理であり、早急に是正されなければなりません。
総理は、この定数削減及び定数是正の問題に関し、一向に熱意が見られないのでありますが、どう対処されるおつもりか、明確にお答えをいただきたい。
また、自治大臣に対しては、これらの問題に具体的にどう対応し、検討されているのか、明らかにされたいと思います。
第二に、政党要件の緩和について伺います。
本改正案での政党及びその他の政治団体の要件は、五人以上の国会議員を有すること、直近の国政選挙で四%以上の得票を得たこと、十人以上の候補者を有することのいずれか一つに該当する政党などとなっております。
このような政党の要件は、実態としては、少数会派や無所属候補などを明らかに規制するものであり、憲法十四条における法のもとの平等、同四十四条による選挙人資格の差別禁止の定めにも違反するおそれがあります。国民意識が多様化し、多党化の傾向にある今日、政党要件を緩和すべきと思いますが、どのようにお考えになっておられるか、承りたいのであります。
第三は、投票方式についてであります。
改正案では、投票用紙に政党などの名称を自書すると定めておりますが、このような投票形態を採用すると、大量の疑問票や無効票が予想されます。また、たとえば「民主党」「自由党」「社民党」など、紛らわしい名称の政党が出ないという保証もありません。これらの事態に対応して、あらかじめ政党名、政治団体名を印刷した投票用紙にマル・バツをつける方式に変えるべきだと考えますが、その点いかがお考えですか、御所見を伺います。
第四は、議席の比例配分方式であります。
本改正案ではドント方式を採用しておりますが、西欧各国の実情を見るまでもなく、明らかに大政党有利の党略としか考えられません。どのような根拠でドント方式を採用したのか。
また、西欧各国で主流をなしている修正サン・ラグ方式、ヘアー方式などについても検討されたのかどうか、検討したとすればどんな見解をお持ちなのか、明らかにしていただきたい。
第五は、供託金についてであります。
本案では、売名候補や泡沫候補を抑えるため、さらに、物価上昇にスライドさせて一律二倍に引き上げるとして、全国区四百万円、地方区二百万円としておりますが、いままでの個人本位の選挙から政党本位の選挙に移行するというならば、個人の供託金はゼロであってもいいのではないでしょうか。また、全国区がなぜ地方区の二倍になるのかも不可解であります。高額の供託金を課することは、財産や収入によって差別してはならないという憲法四十四条から考えても疑問であります。さらに、選挙の公営化拡大という時代の趨勢からも逆行する考えではないでしょうか。
以上の点についても、どのようにお考えか、明らかにしていただきたい。
最後に、参議院において自民党が行った民主主義をじゅうりんする強行採決は、断じて許すまじき行為であります。民主政治のルールをつくる選挙制度の改正であることを十分認識して、各党の意見にも幅広く耳を傾け、慎重で十二分の審議を尽くすべきと考えます。
特に今回の改正は、いわば初体験の拘束名簿式比例代表制という制度であるだけに、提出者も十分検討した上での提案と言っておりますが、まだまだ検討の余地は十分にあり得ますし、参議院でも、その審議経過を見ると、各論についてとことん論議を尽くしたとは考えられません。これからの衆議院の審議の中で、修正すべき点が多々出てくることが予想されます。こうした修正の具体的な提案や建設的な意見に対して、謙虚に耳を傾け、修正に応ずる心構えを持つべきであると考えますが、先ほど来の答弁によりますと、修正に含みを持たせた答弁が行われております。残された二十五日間の衆議院の会期の中で、具体的に修正に応ずる用意があるのかどうか、あるいは今回は修正案を審議をして、来期成立をさせるというもくろみであるのか、具体的なスケジュールについて、腹構えについてお答えをいただきたいと思います。
以上をもちまして私の質問を終わります。(拍手)
〔参議院議員金丸三郎君登壇〕