鈴木善幸の発言 (本会議)
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○国務大臣(鈴木善幸君) お答えいたします。
わが国財政の現状は、穐山議員が御指摘されましたとおり、きわめて危機的症状を呈しておりまして、しかるがゆえに、私は内閣総理大臣就任以来、財政の再建を最も緊急の政策課題としてこれに取り組んできているところであります。すでに五十六年度当初予算において二兆円、御審議願っている五十七年度予算において一兆八千三百億円の国債減額を行いましたが、なお五十七年度においては十兆四千四百億円の公債を発行せざるを得ない状況にあります。
第二次石油危機が世界経済に与えた深刻な影響下にあって、財政再建を貫くには種々の困難が伴いますが、政府の当面の基本方針である五十九年度特例公債依存からの脱却を達成すべく全力を傾注してまいる決意であります。高度成長時代の惰性を脱却し、簡素で効率的な政府を目指すことは、わが国経済の長期的かつ安定的な発展と国民生活の安定のためどうしても必要なことでありますので、国民各位の御協力をお願い申し上げます。
次に、五十六年度の経済見通しに関するお尋ねでありますが、世界経済の停滞が長引くに従いまして、海外需要の落ち込みが急であり、五十六年十−十二月期の実質成長は前期比マイナスとなりました。景気の回復テンポは依然として緩やかなものとなっており、五十六年度の成長率は実績見込みの四・一%を実現することがきわめて厳しい状況であります。
一方、五十七年度におけるわが国の内外経済環境は、第二次石油危機直後の五十五年度、五十六年度に比べて好転するものと見込まれ、また五十七年度予算では、限られた財源の中で景気の維持拡大に種々配慮しているところであります。明年度の公共事業等の上期執行につきましても、過去最高の七五%以上とすることで各省間の検討を進めているところであります。
したがって、五十七年度の実質経済成長率の見込み五・二%程度は、今後適切な経済運営のもとで達成可能であると存じますので、御指摘のように所得税減税による景気対策を講ずることは当面考えておりませんが、いずれにせよ、所得税減税の問題は、今後、予算成立後直ちに設けられることとされている衆議院大蔵委員会小委員会で、中長期的な観点に立って所得税減税を行う場合における税制の改正並びに適切な財源等について検討されるものとなっておりますので、国会の御決定についてはこれを尊重してまいります。
所得税の物価調整制度を採用するようにとの御提案でありましたが、確かにそのような制度を導入している国もありますが、わが国とは国情も異なりますし、また、このような制度自体にも種々の問題が指摘されておりますので、わが国財政が置かれている環境も考え合わせますと、物価調整制度の導入というお考えには賛成いたしかねます。
最後に、大型間接税は導入しないとの決意を明らかにせよとのことでありましたが、従来から申し上げてきておりますとおり、財政の再建を進めるに当たっては、まず大型増税は考えず、何よりも歳出の節減合理化を第一に考えてまいりたいと存じます。
以上お答え申し上げましたが、残余の点につきましては所管大臣から答弁をいたさせます。(拍手)
〔国務大臣渡辺美智雄君登壇、拍手〕