加藤六月の発言 (建設委員会)

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○加藤国務大臣 国土行政の基本方針及び当面の諸施策について、私の所信を申し述べます。
 狭い国土、水資源開発のおくれ等の国土資源の面での制約に加え、人口の高齢化の進展、財政制約を初め最近のわが国をめぐる経済社会情勢はなお厳しいものがあります。
 このような状況の中で人と国土との調和を図りつつ、国民がより豊かで安定した生活ができるようにするためには、住みよい国づくり、地域づくりをより一層進め、国民に将来の希望と夢を持ってもらえるようにする必要があります。
 このような観点から、私は、以下に述べる諸施策を積極的に推進してまいります。
 第一は、国土計画の推進であります。
 まず、第三次全国総合開発計画の柱である定住構想の推進については、すでに、全国で四十四圏域のモデル定住圏計画が実施の段階に入っており、本年も、これらの計画の実施をさらに積極的に進めることとし、関係省庁による定住構想推進連絡会議を通じて、政府一体となって定住構想の推進に取り組んでまいります。
 また、昭和五十六年度より実施している田園都市構想モデル事業の着実な推進を図るほか、昭和五十七年度に創設された地域振興に関する各種情報の収集、提供を行う地域振興情報ライブラリーを拡充するなどの措置を講じてまいる所存であります。
 さらに、国土庁としては、現在国土審議会で鋭意進められている第三次全国総合開発計画のフォローアップ作業の成果を継承しつつ、新たな全国総合開発計画を策定するための準備作業に着手することとし、その一環として、昭和五十八年度においては、二十一世紀に至る人と国土に関する長期の展望を明らかにしてまいる所存であります。
 なお、関係省庁の公共事業を円滑に推進するため、引き続き国土総合開発事業調整費を活用し、事業及び調査の調整を行ってまいります。
 第二は、総合的な土地対策の推進であります。
 最近の地価動向を見ると、経済社会情勢の変化と一連の土地対策の展開等により、地価は比較的安定的に推移しております。このように土地をめぐる環境にやや落ちつきが見られる現在、国土庁としては、地価の安定傾向を長期的に定着化させていくとともに、今後の社会的要請に対応した的確な土地対策を確立し、国民生活の安定、国土の均衡ある発展のための基礎的条件を整備していくべきときであると考えております。
 このため、引き続き国土利用計画法による土地利用基本計画制度及び土地取引規制制度、農住組合制度、地価公示制度、国土調査事業等の土地対策を総合的に推進していくことに加え、公共の福祉を優先させた合理的な土地利用を従来以上に積極的に促進するための方策等についても検討を進めてまいりたいと考えております。
 第三は、総合的な水資源対策の推進であります。
 水は人間の生命、生活に欠かすことのできない資源であると同時に、産業経済活動を支える重要な資源であり、水需給の安定を図ることは国土行政を推進する上で基本的な課題の一つであります。
 このため、水源地域対策の充実を図り、水源地域住民の理解と協力を得て積極的に水資源開発を促進してまいります。
 また、「水の週間」行事の実施、雑用水利用の促進等水資源の有効利用に努めるとともに、緊急に対策を要する地域についての地盗沈下防止等対策要綱の策定等地下水利用の適正化を推進してまいります。
 さらに、近年における経済社会情勢の変化等に対応し、二十一世紀を展望した新しい長期的水需給見通しの検討に着手することとしております。
 第四は、大都市圏整備の推進であります。
 まず、三大都市圏の均衡ある開発整備については、引き続き整備計画等の実施を積極的に推進するほか、首都東京について、長期的観点からの首都改造計画の策定に向けての調査検討を一層深めてまいるとともに、近畿圏及び中部圏についても、おのおの新しい近畿の創生計画及び東海環状都市帯整備計画の策定を推進いたします。
 また、大都市への人口移動の終息など近時の大都市をめぐる新たな状況に的確に対処するための大都市圏整備制度の総合的、基本的な検討に取りかかります。
 さらに、筑波研究学園都市の育成整備、琵琶湖総合開発の推進、関西学術研究都市の建設など各地域の総合的整備についても積極的に取り組んでまいります。
 第五は、地方振興の推進であります。
 まず、国土資源に多くのゆとりを残している東北地方を初め、北陸、中国、四国及び九州の各地方について、引き続き地方開発促進計画を推進するとともに、新産業都市及び工業整備特別地域の建設、整備を進めてまいります。
 また、地域の自然や伝統を生かした魅力ある町づくり、生活環境と生産環境の調和した豊かな村づくりを進めるため、地方都市及び農山漁村の総合的整備を図ってまいります。
 過疎地域、振興山村、豪雪地帯、離島、特殊土壌地帯や奄美、小笠原諸島など自然的、社会的に厳しい条件に置かれている地域については、各種の特別事業の実施、生活及び生産環境の整備等を進めることにより、引き続きその計画的、総合的振興を推進してまいります。
 第六に、災害対策についてであります。
 昨年は七月の長崎県を中心とした豪雨災害を初め、台風第十号、十三号、十八号等が相次いで上陸し、全国的に多大な被害をもたらし、その被害額は史上最大の規模となっております。災害から国土を保全し、国民の安全を守ることは、国政の基本であり、治山治水対策を初め、地震防災対策、豪雪対策、活動火山対策等各般の災害対策を総合的かつ積極的に推進してまいります。
 特に、災害復旧の重要性にかんがみ、昨年の災害に係る復旧事業について、その促進を図ってまいります。
 震災対策につきましては、東海地震対策として大規模地震対策特別措置法及び地震防災対策強化地域における地震対策緊急整備事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律に基づき、防災体制の充実、避難地、避難路の整備等の地震対策緊急整備事業の円滑な実施を図るとともに、関係税制の整備を行うなど、その対策を一層推進いたします。
 また、災害応急対策の充実、都市防災性の強化等大都市震災対策の一層の推進を図るため、南関東地域を対象とする地震被害想定調査の取りまとめを行うとともに、その結果を踏まえ、震災応急対策調査を実施することとしております。
 さらに、災害時における情報の収集伝達等のための防災関係機関相互間の無線通信体制の整備を進めることとし、このため、新たに通信室を設置することとしております。
 最後に、国際化の推進であります。
 国土庁は、従来より所管行政について積極的に国際協力を行ってまいりましたが、昭和五十八年度においては、新たに都市等の国際交流の推進に資する戦略の確立及び開発途上国における水資源開発を中心とした総合的な地域開発計画の策定に関する技術協力推進体制の整備を図ることとしております。
 以上、国土行政に関する所信を申し述べましたが、これらの施策の強力な推進に全力を挙げて取り組んでまいりますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。(拍手)

発言情報

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発言者: 加藤六月

speaker_id: 20832

日付: 1983-02-09

院: 衆議院

会議名: 建設委員会