本岡昭次の発言 (公害及び交通安全対策特別委員会)
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○本岡昭次君 派遣委員の報告を申し上げます。
去る一月二十日より二十二日までの三日間、大阪府及び兵庫県の公害及び環境保全並びに交通安全対策の実情調査のため、宮之原委員長、梶原理事、沓脱理事、中村理事、中野委員及び私、本岡の計六名の派遣が行われました。
日程の第一日は、大阪国際空港において、空港騒音問題に関する周辺住民団体等から空港騒音問題に関する陳情を受けて、空港当局より空港の概要及び騒音対策の実施状況について説明を聴取し、その後管制塔などの空港施設や緩衝緑地帯を視察し、空港騒音対策の実施状況について調査を行いました。
次いで、大阪府庁において、大阪府管内における公害問題について当局より概況説明を聴取した後、地元住民団体から公害問題に関する陳情を受けました。
第二日は、大阪ガス株式会社泉北製造所で業務概要の説明を受けた後、工場施設を視察し、石油からLNGへのエネルギー代替による大気汚染削減効果等についての調査を行いました。
次いで、国道四十三号、阪神高速道路を視察し、途中の鳴尾交差点付近で沿道住民から交通公害に関する陳情を受けた後、鳴尾浜で鳥獣保護の現状を視察しました。
また、兵庫県庁において、公害及び環境問題について説明を聴取した後、国道四十三号及び阪神高速道路の自動車公害問題で沿道の尼崎市、西宮市及び芦屋市から要望を受けました。
第三日は、神戸市庁で公害問題について概況説明を聴取した後、須磨海岸を視察し、海岸環境整備事業等の調査を行いました。
以下、これらの調査事項のうち主要な点について若干報告をいたしたいと存じます。
まず、大阪国際空港周辺における騒音問題等について申し上げます。
同空港の利用状況は、旅客数では、五十七年において国内線千二百九十九万七千人、国際線三百五万四千人、合計千六百五万一千人となり、対前年に比較し減少傾向を示しております。
一方、貨物取扱量では、五十七年において国内線十二万八千五百トン、国際線九万四千五百トン、合計二十二万三千トンとなり、旅客数とは反対に増加傾向を示しております。
航空機の運航状況は、五十八年一月現在、国内線の発着回数は一日二百五十八回、国際線の発着回数は一週間三百八十八回となっております。
現在同空港周辺において講ぜられている航空機騒音対策のうち、音源対策としては、低騒音航空機としてボーイング747、ロッキード一〇一一等の航空機を就航させるとともに、現用機のエンジンの改良を進め、すでに終了しております。また、
これらの措置とあわせて便数の規制としては、五十二年十月から一日当たりの発着回数三百七十回、うちジェット機二百回に制限を強化しており、さらに飛行時間の規制として昭和五十年末の大阪国際空港騒音公害訴訟大阪高裁判決を契機として、原則的に午後九時以降の飛行を禁止したほか、騒音軽減運航方式等の諸施策を講じております。
さらに、空港周辺対策として、大阪国際空港周辺整備機構により、再開発整備、代替地造成、移転補償、緑地造成及び民家防音等の事業が進められております。なお航空機騒音については、昭和四十八年末に環境基準が定められ、大阪国際空港などは、改善目標として、十年以内に七五WECPNL未満または七五WECPNL以上の地域において屋内で六〇WECPNL以下とすることとされておりますが、現在までの進展状況では、本年末という期限内での環境基準の達成は困難ではないかと憂慮され、なお一層の努力が必要とされております。
一方、現行の騒音対策による移転は、申請主義であることの限界があり、地主、借地権者、たな子の複雑な権利関係の中で交渉が進展しないなどの問題が残されており、また移転補償により空地が生じ、町が虫食い状態になるといった問題や、さらに営業への影響も大きいということも指摘されております。
今回の派遣においては、騒音状況、空港周辺の緑地造成事業や移転跡地等をつぶさに調査しましたが、五十八年度予算において騒音対策事業を建設省の公園事業とあわせて町づくりをする方向が芽を出している点の説明も受け、今後の飛躍的な改善が期待されます。
なお、今回、空港周辺の川西地区や豊中地区の住民団体及び大阪国際空港騒音対策協議会から、午後九時以降の航行規制の厳守、環境基準の早期達成、計画的町づくり対策、商業者の営業補償等各種の騒音対策についての要望を受けました。
次に、大気汚染問題について申し上げます。
大阪府においては、窒素酸化物対策として大気浄化計画及び大気汚染防止法に基づく排出規制等を実施してきた結果、窒素酸化物の排出量は削減されているが、なお昭和六十年までに環境基準の確保が困難と予側されたので、昭和五十六年六月二日大気汚染防止法施行令の改正により、総量規制の導入が決められ、昭和五十七年十一月一日から実施されております。これにより二酸化窒素の環境基準は昭和六十年三月末までに達成することとしております。
具体的な削減対策としては、原燃料使用量の重油換算量が一時間当たり二キロリットル以上の特定工場等に対しては総量規制基準を適用し、特定工場以外の工場に対しては燃焼方法の改善、省エネルギー化等を促進することとし、また自動車に対しては、大阪市内都心部を中心とした自動車交通量・流対策を実施する等各種の対策を講ずることとしております。なお、総量規制基準は、新設工場については昭和五十七年十一月一日から、また既設工場については昭和六十年三月三十一日から適用することになっております。その他、二酸化硫黄については、排出規制の強化、燃料の低硫黄化等の対策により、昭和五十六年度は長期的評価では環境基準を達成しており、浮遊粒子状物質等は依然として環境基準に不適合となっております。また、一酸化炭素は環境基準に適合しており、光化学スモッグについては、予報、注意報ともに増加しているが、被害の届け出は減少しております。
なお、大阪公害患者の会連合会から、二酸化窒素の新基準を撤回し、旧基準値に基づく総量規制の早期実施、二酸化窒素、浮遊粒子状物質の環境基準の早期達成及び自動車交通量の抑制等についての要望がありました。
兵庫県においては、窒素酸化物の排出量は自動車排出ガス規制の効果等により減少しており、今後の窒素酸化物対策として工場、事業場の燃焼方法の改善等技術開発を指導すること等により排出量を減少させることとしております。
また、二酸化窒素については、一般環境大気測定局では昭和五十五年度及び昭和五十六年度において〇・〇六ppmを達成しているものの依然として高い濃度を示しており、さらに自動車排出ガス測定局では多くの測定局で〇・〇六ppmを超えておりますので、今後の一層強力な取り組みが望まれます。
兵庫県が窒素酸化物の総量規制を導入していない点について県当局にただしたところ、導入しないと決めたことはなく、その必要性、効果等を慎重に検討している段階であるということであります。
神戸市においては、硫黄酸化物の総量規制等各種の公害対策を積極的に推進したところ、硫黄酸化物の年間排出量は、五十六年度約二千七百トンであり、昭和四十七年の約二万トンに比較して大幅に減少しており、同様に二酸化硫黄の濃度についても昭和五十六年度〇・〇一ppmであり、昭和四十七年と比較し三分の一に減少しているとのことであります。さらに、窒素酸化物では、二酸化窒素の濃度は昭和五十六年では年平均値で大気監視局〇・〇二三ppm、自動車監視局〇・〇二八ppmと最近においては横ばい状況となっているが、排出量では昭和六十年度推計で約一万五千トンであり、昭和五十二年度の約一万六千五百トンに対し一〇%減少する見込みであります。
次に、交通公害問題について申し上げます。
大阪府と兵庫県にまたがる国道四十三号及び阪神高速道路により沿道住民は激しい自動車公害に悩まされております。国道四十三号と阪神高速道路の交通量は両道合わせて芦屋市においては一日十五万台を超えており、ことに自動車公害の元凶である大型車の混入率は、日平均で約三〇%であるが、深夜ピーク時には国道四十三号線が六二%、阪神高速道路が六七%にも達しております。
自動車排出ガスによる大気汚染の状況では、国道四十三号に設置された神戸市、芦屋市、西宮市及び尼崎市の四つの測定局において昭和五十六年度に測定した結果、一酸化炭素は環境基準に適合しているが、二酸化窒素はすべての測定局で環境基準を超えております。これはここ数年横ばい状況にあり、基準達成にはなお一層の交通公害対策の推進が望まれます。
次に、騒音及び振動の状況を見ますと、振動については昼夜とも要請限度を超える地点はありませんが、騒音については、昭和五十六年度の測定結果では第三種地域に指定されている西宮市を除く芦屋市、尼崎市では環境基準はもとより要請限度をも超えているのが現状で、この現状はここ数年横ばい傾向にあります。
阪神高速道路の公害対策として、環境施設帯の整備、遮音壁の設置、住宅防音対策、テレビ受信障害対策及び日照阻害対策を実施しており、一方国道四十三号においては、片側一車線削減による緑地帯の設置、遮音壁の設置、自動車走行速度規制及び無人交通取締機の設置、夜間の自動車走行車線の規制、系統信号の採用、民家防音工事への助成及び大型車の阪神高速道路への乗り上げの行政指導等各種の対策を実施しておりますが、今後さらに物資輸送システムの合理化等による自動車走行総量抑制対策、高速道路等への利用促進のための高速料金制度の検討及び大阪湾岸道路の建設等の対策が望まれています。国道四十三号と阪神高速道路は、昭和五十七年八月三日にいわゆる沿道整備法に基づく沿道整備道路の指定を受けましたので、今後沿道区域の整備に当たっては適正な都市機能の分担と良好な住宅環境を兼ね備えた町づくりを基本として各種の施策の推進が望まれます。
地元住民の鳴尾甲子園池開地区四十三号線公害対策協議会からは、大型車交通規制、さらに一車線の削減、沿道住民の健康調査及び低周波公害対策についての陳情を受けました。さらに、尼崎市、西宮市及び芦屋市の関係三市から交通体系の確立、沿道整備促進のための施策の確立等について今後一層強力に推進されるよう要望がありました。
次に、大阪ガス株式会社泉北製造所視察につい
ての報告をいたします。
大阪ガスでは、昭和五十六年度現在、都市ガスの供給量は六十七億二千九百万立方メートル、約四百四十万戸となっているが、そのうちLNG——液化天然ガスの割合が七〇%に達しております。LNGは今後のエネルギー供給事情の中で安定した供給が期待されていますが、さらに生産地において硫黄分などを取り除いてあるため、再び気化して燃やしても亜硫酸ガスやすすを発生しない等環境保全上期待されるエネルギーであるとの説明を受けました。
次に、浜甲子園鳥獣保護区について報告いたします。
保護区は、西宮市枝川町地先に位置する鳴尾川河口西部に残存する干潟を含む水面の区域で鳥獣保護区三十ヘクタールで、そのうち特別保護地区は十二ヘクタールとなっており、当地域に生息する鳥類は春秋に渡来するシギ、チドリ類、カモ類等約六十種が生息するため、今後とも十分な保護対策が望まれます。
次に、須磨海岸環境整備事業について報告いたします。
須磨海岸は、近年浸食が進み台風時には危険となったため、神戸市において昭和三十二年ごろから四十四年まで護岸補強工事を行いましたが、海水の汚濁が進み海水浴場として適さなくなりました。神戸市では、海水浴場保存のために海水浴場としての水質改善、防災のための海岸整備、自然環境の保全と海岸環境の創造等を基本方針とし養浜事業を実施することにしましたが、昭和四十八年度からは国の補助事業として海岸環境整備事業を進めてきました。この結果、昭和四十五年当時砂浜が三十五メートルだったものが現在は約百メートル、広さ七十二万平方メートルになり、海水浴利用者も約百万人を見るに至っております。
以上のほか、今回派遣に際して調査の際受け取りました要望書等につきましては、別途その要旨を会議録の末尾に掲載させていただきたいと存じますので、よろしくお願いを申し上げます。
以上で終わります。