柄谷道一の発言 (内閣委員会)

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○柄谷道一君 私は、民社党・国民連合を代表して、ただいま議題となっております一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案を初めとする給与関係三法案に対し、一括して反対の討論を行うものであります。
 反対の第一の理由は、言うまでもなく、政府案は労働基本権制約の代償として設けられている人事院勧告制度を無視し、公務員給与決定のルールを踏みにじるものであるということであります。政府は、五十六年以来、その都度異例の措置は繰り返さないと言明しながら、昨年は勧告凍結、今回は人事院制度の根幹とも言うべき俸給表の書きかえという暴挙を行おうとしているのであります。人事院勧告制度をなし崩し的に骨抜きにする政府のやり方は断じて認めることはできません。
 反対の第二の理由は、財政事情を理由にして公務員給与を抑制することは許されないということであります。国の財政赤字の理由は、今日まで本格的な行政改革に取り組まず、経済見通しを誤り、有効な経済政策の展開を欠いたいわば政府の政策失敗の結果であります。政府の政策失敗のツケを公務員に求めることは筋違いもはなはだしいと言えます。仮に財政事情を考慮するとすれば、定員削減、公務能率の向上、配置転換の促進などの行政改革を断行し、総人件費の思い切った抑制を図るべきであります。それができないから公務員全体の給料を抑制するというやり方は、本末転倒であり、責任をみずから回避するものと言えます。また、民間賃金準拠という人事院勧告制度を維持する限り、勧告の抑制は単に問題の先送りにすぎないこともあわせ指摘せざるを得ません。
 反対の第三の理由は、民主的労働組合運動の基本理念にのっとり、法と秩序を守りながら職務遂行に専念し、国民的課題である行政改革に率先してこたえるべく努力してきたまじめな良識ある労働運動を進めてきた公務員に対するはなはだしい裏切り行為であり、断じて許されないということであります。政府の措置は、違法ストを合法化する口実を与え、労使関係を不安定なものとし、国民が望む公正かつ安定した行政を阻害する結果を招くおそれがありますが、それは政府の責任と言うべきであります。
 以上、反対理由を述べますとともに、政府が二度と再びこのような過ちを繰り返すことなく、人事院勧告を完全実施することを強く求め、反対の討論を終わります。

発言情報

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発言者: 柄谷道一

speaker_id: 8572

日付: 1983-11-27

院: 参議院

会議名: 内閣委員会