竹下登の発言 (本会議)

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○国務大臣(竹下登君) お答えいたします。
 まず、専売公社の改革問題につきましては、五月二十四日に閣議決定を見ました新行革大綱に沿って引き続き鋭意努力しているところであります。これは総理からもお答えがありました。
 そこで、専売公社の改革については、わが国たばこ事業の健全な発展に資するため企業性の発揮が可能なものでなければならないと考えておりますが、同時に、葉たばこ耕作者、たばこ小売人等の方々への影響にも十分配慮することが必要であります。臨調答申の趣旨を踏まえながら、各方面の意見を配意しながら対処してまいりたい、このように考えております。
 企業年金のあり方でございますが、公的年金を補足するものとしての役割りが大きく期待されておるところであるという認識をいたしております。
 共済年金制度における企業年金部分の問題でございますが、公務員等の共済年金は、社会保障としての公的年金制度として機能をいたしますと同時に、職務の能率的な運営に資するものとなっておりまして、企業年金部分が含まれていると考えられておりますが、計数的に明確な区分を行う、これは非常にむずかしい問題であります。共済年金も公的年金の一つであることからいたしまして、厚生年金、国民年金、船員保険において制度の関係整理が行われる場合、その結果を踏まえまして、厚生年金等との整合性を確保するという方向で関係整理していく必要がございます。その際に、共済年金に含まれておると考えられます企業年金的部分の取り扱いにつきましては、公務員制度等の関係も踏まえて検討してまいりたい、このように考えております。
 次に、国鉄共済財政悪化の原因、責任の問題であります。
 この問題は、今日の国鉄共済年金財政の悪化、これは輸送構造の変化によります職員数の減少、職員の年齢構成のひずみによりますところの成熟度の高度化など、国鉄特有の原因があることも事実でありますが、より基本的には、やはり給付と負担の関係が長期的に安定したものとなっていなかったこと、また国鉄という一企業の年金保険集団で運営してまいりましたために、産業構造の変化に適切に対応し得なかったこと、これが主たる原因であると考えられます。
 この基本的問題につきましては、国鉄共済年金に限らず、わが国公的年金制度が抱えております問題でございますので、給付と負担のあり方、これを抜本的に見直すほか、制度全体の再編・統合を図っていく必要があると考えておりまして、何よりも相互扶助の理念に基づく社会保険制度の中でまず解決すべきものである、このように考えております。
 次が、仲裁、人勧との関係でございました。
 仲裁裁定につきましては、本年度の仲裁は完全実施が予算上可能であると現状では断言できない、そこで国会に付議しておるわけでございますから、政府としては国会の御判断をまつべきであるという考え方であります。
 次の人事院勧告につきましては、わが国の財政事情は、公債の発行残高がすでに百兆円を超えているなど異例に厳しいものがあります。今後とも引き続き行財政改革を進めて、もって財政の対応力の回復を図ることが最も緊急かつ重要な政策課題と心得ております。
 したがって、財政当局として申し上げますならば、人事院勧告制度の持つ重要性については十分認識しておるところではありますが、現下の財政事情を考慮いたしますならば、多額の財源を要する人事院勧告の取り扱いについては厳しい姿勢で臨まざるを得ない、このように考えております。
 いずれにいたしましても、本年度の人事院勧告の取り扱いにつきましては、現在給与関係閣僚会議において国政全般の立場から慎重に検討しているところであります。
 次に、租税負担と社会保障費負担の問題でございます。
 臨調答申では、「今後、高齢化社会の進展等により、長期的には、租税負担と社会保障負担とを合わせた全体としての国民負担率は、現状よりは上昇することとならざるを得ないが」、「現在のヨーロッパ諸国の水準」すなわち五〇%程度よりは「かなり低位にとどめることが必要である。」と、このように述べられておることは御承知のとおりであります。われわれといたしましても、答申の趣旨を尊重して対処していきたいと基本的には考えております。
 国民の負担率のうち、租税負担率につきましては、これまでも委員会等でたびたびお尋ねもありますし、お答えもしたことでございますが、現実の政策目標として、あらかじめ固定的に設定することにつきましては、ことに現在のような流動的な情勢の中にあっては慎重を要する旨お答えを申し上げてきたところでございます。同じような視点から、これに社会保障負担を加えた国民負担率を考える場合においても、将来の社会保障制度についてどう考えていくべきかという問題が加わるわけでありまして、今後、中長期的な経済展望の中におけるそのあり方については、やはり慎重に検討してまいる必要がある、このように考えておるところでございます。
 次に、本年度末までに年金制度の改革の成案を得ることという問題についての、本法案を撤回し改めて改正を図るべきではないかと。総理からお答えもございましたが、今回の統合法案は各種公的年金制度が分立している中で、まず国と公企体の共済組合制度を統合して給付要件を合わせること、そして国鉄共済組合に対して財政調整を行うことを主たる目的としておりまして、公的年金制度の再編・統合を進めるに当たってのまさに第一歩と位置づけるべきであると考えております。全体の再編・統合は一挙にできるものではございません。一歩一歩積み上げが必要であります。このことは、去る五月二十四日閣議決定をいたしました統合・再編についてのおよその方向と段取りについての目安の中でも、改革の第一歩としてこれが位置づけられておるところでございます。
 以上でお答えを終わります。(拍手)
   〔国務大臣林義郎君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 110015254X00719831007_016

発言者: 竹下登

speaker_id: 22013

日付: 1983-10-07

院: 参議院

会議名: 本会議