林義郎の発言 (本会議)
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○国務大臣(林義郎君) 伊藤議員からお話がございましたのは、健保本人給付率の引き下げは国民に財政の張じり合わせのしりぬぐいをさせるものではないか、こういうお話でございました。
実は、日本の医療費はいま一兆円ずつ伸びておる。もう大変なことでございますし、今後もこの傾向がほうっておくと続くと言われておるところであります。もちろん人口の高齢化や成人病の増加、さらには医療技術の高度化などによりましてという面もございますが、やはり医療費を取り巻く問題というのは国民的には大変な不信をもたらしていることも事実である。いろいろな点で新聞に出たりなんかしているわけでございますから、やはり国民の信頼をかなえられるような医療制度を築き上げていかなければならない。ほうっておきますと、私は国民や国の負担能力をはるかに超えてしまうようなことになってしまうのではないかと思うわけであります。
臨調答申でも指摘しておりますように、いろいろな点はやっていかなければならない。診療報酬や薬価基準の合理化、レセプト審査や指導監査の充実強化など医療費適正化対策を強力に推進していくことが必要でありますし、また不正や過剰診療をなくし、薬づけ医療の問題にもメスを入れていく方針であります。被用者本人の給付率の引き下げは、十割給付のままでは薬剤や検査が多過ぎるという弊害が出ておるわけでありまして、このような乱診乱療を抑制するためにも考えていかなければならないものだと思うわけであります。受診時に若干の負担をお願いしまして、プライスメカニズムが働くようにいたしたいというのが基本的な考え方であります。
本来、社会保険というものの果たす役割りは、病気になったときに大変多くの出費を強いられる、そうしたものにつきましてこれをカバーリングすることにあるだろうと思うわけであります。したがって、患者一人当たり五万四千円、低所得者の場合には三万円を超えるような場合には保険が全額をカバーしていこう、こういう制度になっておるわけでありまして、国民に過剰な負担となるようなことなく、病気になったときには安心して医療が受けられるような体制はぜひ堅持をしてまいりたい、こういうふうに考えておるところであります。
また、医療保険全体を通じて見ますと、被用者本人は十割、家族入院八割、外来七割、国保の入院、外来とも七割という給付について格差があります。御承知のように、国民健康保険というのは零細企業者である、自営業者である、あるいは農家の方々である、そういった方々の保険でありますから、そういった方々にしわ寄せをするようなことはいけない。やはり国民全体が公平の観点に立ってやっていかなければなりませんから、私は、給付率というものはできるだけ早い機会に一本化にしていくことが望ましいことだというふうに考えておるところであります。
こうした基本的な考え方のもとに立ちまして、今回の改正案を考えているところであります。単に財政的な観点から、その帳じり合わせのためにやったなどというものでは決してないわけでございます。この問題につきましてはいろいろな御意見がある。各方面の御意見も十分に拝聴しながら、給付と負担の両面にわたる見直しを行い、医療保険制度のトータルな改革を進め、国民の信頼のおける医療にしたいと考えているところでございます。
それからもう一つ、御質問の中でちょっとよくわからなかったのでありますが、生活保護につきましての地方負担増を考えているのではないかというような御質問があったようにお受けしましたので、この点についてお答えいたしますが、生活保護制度につきましては、来年度予算編成については特に地方負担の割合を増大させるようなことはいまのところ考えておりません。ただ、生活保護制度の運用につきましてはいろいろと問題があることも事実でありますし、その適正化を図っていかなければならない。引き続き国、地方公共団体が一体となりまして不正受給防止対策の徹底を期してまいりたいと考えております。(拍手)
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