安倍晋太郎の発言 (本会議)
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○国務大臣(安倍晋太郎君) まず第一に、対ソ関係の前途は厳しいが、その見通しをどう見ているかという御質問でございますが、今次サミットでソ連との政治対話拡大の決意を表明した宣言が採択をされたわけでありますが、日ソ間におきましても、日ソ関係が厳しい状況にあればあるだけにやはり対話を進めていかなければならない、こういうふうに考えておるわけでございます。こうした考え方に従いまして、日ソ政治対話強化のためいろいろと手を打っていることは御承知のとおりでありまして、グロムイコ外相の来日についても引き続き強く要請していく所存であります。北方領土問題を解決して平和条約を締結し、真の相互理解に基づく安定した関係を確立させるとの政府の対ソ基本方針によりまして、今後とも対ソ政治対話の強化拡大を図っていく所存でございます。
次に、サミットへの国民の期待であったところの平和・反核・軍縮の実現のため我が国は何をしたか、こういうことでございますが、今回のサミットにおきまして、我が国は平和と軍縮の問題を重要視いたしまして、平和の達成のために東西間の対話を進めるとの姿勢で臨みまして、ソ連に対しまして、現在中断しているところのINF交渉の再開あるいはSTARTの交渉の再開を強く呼びかけていく、この重要性を指摘する等積極的な努力をしてまいったわけであります。我が国の主張、考え方は、他のサミット参加国の支持を得て、東西関係と軍備管理に関する宣言等に反映されておりまして、現在の厳しい国際情勢のもとでの平和と軍縮の問題に対する西側諸国の積極的かつ一致した姿勢が示されたものとして評価をいたしておるわけであります。
次に、トマホークの持ち込みと非核三原則との関係でございます。
水上艦艇または潜水艦配備のトマホークは核、非核両用兵器でありまして、また米国政府は、トマホークの大部分は通常兵器であると述べております。さらに、トマホークの搭載能力を有することと実際にトマホークを装備することは別個の問題であります。いずれにいたしましても、日米安保条約上、艦船によるものを含め、核の持ち込みが行われる場合はすべて事前協議の対象であります。政府としては、核持ち込みに係る事前協議が行われない以上、米国によるところの核持ち込みがないことには何ら疑いを有しておりません。
最後に、イラン・イラク戦争の問題、同時にまた先進国の武器輸出も含めて政府の見解を問うということでございますが、イラン、イラク両国間では、両国が国連事務総長の相互都市不攻撃提案を受諾したことによりまして、部分的ながらも戦闘行為の停止が実現をいたしておるわけで、これは従来から我が国が両国に対して強く働きかけてきておりました点でございますから、こうした動きを歓迎いたしております。当面この都市相互不攻撃の実効性を確保していくということが必要でありまして、我が国としても、今後本件に関して国連より何らかの協力要請がある場合は、進んで協力をいたしたいと考えております。
ただし、これをもって一挙に戦闘が終息に向かうとは思われません。紛争の平和的解決には関係各国によるところの一層の外交努力が必要であることは申すまでもないわけで、この点、我が国は調停、仲介を行う立場にはないわけでありますが、両国と政治対話のパイプを有する数少ない先進主要国でありまして、国際社会に対する我が国の責務として、今後とも同紛争の拡大防止、早期平和的解決の環境づくりに引き続いて最大の努力を払っていく考えであります。
武器輸出につきましては、その実態が明らかになっていないため個別の働きかけは行っておりませんが、我が国は従来より一般的な形でエスカレーション回避のため武器輸出の自粛を関係各国に訴えてきてまいっておるわけでございます。そういう立場にあって、サミットの場におきましても、中曽根総理から関係各国に対する一層の自粛を呼びかけた次第でございます。
以上でございます。(拍手)
〔国務大臣竹下登君登壇〕