久保亘の発言 (本会議)

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○久保亘君 小野議員にお答えいたします。
 質問の第一点は、本法律案と政府案の基本的相違点はどこにあるかということでございました。
 先ほど概略は御説明を申し上げたのでございますが、基本的には、第一に憲法及び教育基本法に従って教育の政治的中立を確保すること、第二に国民の意見を広く正しく反映させること、第三に国民の参加を保障して合意のもとに改革を進めることについて、審議会の設置形態、委員の構成、審議方法などで両案は根本的に相違いたしております。
 第一に設置形態で言えば、総理直属の臨時的機関であるのか、文部省の恒常的機関であるのかで対立いたしております。教育基本法第十条に忠実に教育の政治的中立を考えるといたしますならば、権力の支配介入を可能な限りなくするために設置形態をどうすればよいかということはおのずから結論の出るところでございます。私の解釈が基本法の解釈だというような主張に基づいておやりになりますと、いろいろ問題が出てくると思うのであります。
 先ほど田沢議員の御質問にもお答えいたしたのでございますけれども、国民のための文部省として、文部省に民主的な活力をよみがえらせることが重要なのであって、文部省ではできないから総理の直属でやるというのは、明らかに政治権力の
教育介入でありまして、教育基本法に反するものだと考えております。私は、文部省の自己改革のためにも、中教審は従来の欠陥を克服しなければならないと思っておりますので、国民教育審議会を設置することは大変重要なことだと思うのでございます。
 もう一点、国民が必要としている教育施策を実行する責任こそ、回避してはならない総理の権限でございます。これが従来回避をされてきている中で、教育改革は総理が直接監督してやる、おれの機関でやるというところに非常に私どもは危惧の念を持つのでございます。そういう意味では、政府全体でやるべきことは、文部省が国民教育審議会において得た結論を実行する責任なのではないでしょうか。
 第二点の御質問につきましては、衆議院における修正点をどのように見ているかということでございました。
 委員の構成とか審議の方法などについては、この修正点をどう見るかということと関連してお答えを申しておきたいと思うのでありますが、その第一点は、審議会の委員の任命に当たって国会の同意を必要とするという点でございます。この点は、私どもの提案いたしております本法律案も全く同様の立場に立っておりまして、修正点に限って言えば賛成でございます。
 しかし修正が、同時に、委員が委員をやめた後まで生涯にわたって守秘義務を課することになっている点が問題でございます。同意を必要とすることが他の法律との関係でやむを得ず守秘義務を課すことになるのであれば、その守秘義務をなくするためにも審議会の公開が必要となってまいります。公開された審議会には守るべき秘密がないからでございます。教育改革の論議に秘密があってはならないという主張がございますが、私もそのとおりだと思います。そのためには、審議の公開と委員の国会同意とは一体のものとして考えなければならないのではないでしょうか。
 修正の第二点は、委員会の審議結果の報告の義務にとどまっておりまして、審議公開の原則に及んでいない点において私は修正の全体としては大きな問題を残したものになったと考えておるのでございます。
 もう一つ、この種の審議会においては、第二臨調の土光氏に例を見るごとく、会長の人事は極めて大きな意味を持っておりますが、政府案においては会長の指名は総理大臣の専権として原案のまま残されております。委員の互選とする私どもの提案とは、この点においても大きく対立いたしておるのでございます。
 最後に、衆議院における修正に当たっての公明党、民社党の御努力に私は深く敬意を表するのでありますが、政治的中立の確保と審議公開の原則において政府原案が修正されていないことなどから本法律案を提出いたしましたことを御理解賜りたいと存じます。(拍手)
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発言情報

speech_id: 110115254X02219840713_015

発言者: 久保亘

speaker_id: 7804

日付: 1984-07-13

院: 参議院

会議名: 本会議