森喜朗の発言 (本会議)

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○国務大臣(森喜朗君) 田渕さんにお答えを申し上げます。
 御質問の第一点は、臨時教育審議会を設置する理由についてのお尋ねでございましたが、戦後の我が国の教育は、いわゆる六・三制の学校制度を中心に普及発展してきたところでございますが、この制度は、教育の機会均等を実現し、国民の教育水準を向上させ、今日の我が国の発展と繁栄をもたらしたものとして高く評価されております。一方、近年における社会の急激な変化や教育の量的拡大等は、教育のあり方に対しましても大きな影響を与えており、今日さまざまな問題点が指摘され、教育改革への国民の期待は極めて高まっております。
 このような教育改革に対する国民的要請にこたえるためには、生涯を通じた教育の全般にわたる見直しが必要であり、文部省以外の行政各部の施策との関連を含め、総合的に検討を加える必要がある。このため、二十一世紀の我が国を担うにふさわしい青少年の育成を目指して、政府全体の責任で長期的な展望に立ってこの問題に取り組むべく、総理の諮問機関として臨時教育審議会を設置しようとするものでございます。
 御質問の第二点は、臨時教育審議会の中立性をどう確保するかとのお尋ねでございますが、教育改革を進めるに当たり、教育の中立性を損なうことのないよう留意すべきことは当然でございます。このため、臨教審の設置及び運営において、この点に最大の努力を払ってまいりたいと存じております。
 まず、委員の人選に当たりましては、教育改革は国民全体にかかわる重要な課題でございますので、国会における論議を十分踏まえ、広く国民各界各層の意見が反映されるように幅広い分野から適任者にお願いをいたすべく、今後慎重に検討いたしたいと考えております。
 また、審議会の具体的な運営に当たりましては、広く国民の理解と協力が得られますように、たびたび申し上げて恐縮でございますが、審議経過の概要を必要に応じて適宜公表する、地方公聴会あるいは教育改革に関しますアンケートや論文の募集など種々な工夫がなされるものと考えております。
 御質問の第三点は、臨時教育審議会では教育行政の中立性を確保するため行政機構の改革等も審議すべきではないかとの御趣旨のお尋ねでございましたが、臨時教育審議会においては、我が国社会の教育諸機能全般にわたり広くかつ総合的な検討をお願いしたいと考えておりまして、お尋ねの行政機構のあり方の問題も含め、具体の審議事項をどうするかについては審議会自身がお決めになることが適当であろうと考えております。
 なお、このたびの国の機構改革におきましては、文部省もこれまでの伝統を踏まえつつ、二十一世紀に向けて長期的展望に立って我が国社会の変化に対応する総合的な文教行政を推進していくため、内部機構の改編を行ったところでございます。
 御質問の第四点は、教育基本法を改正して義務教育九年を延長すること等は基本法の精神にもとるものではないのではないかとの御趣旨のお尋ねでございますが、政府といたしましては、ただいまの総理の御答弁のとおり、義務教育九年の年限を含め教育基本法を改正する考えは持っておりません。したがって、審議会の審議についても、憲法及び教育基本法の精神にのっとり審議が進められることを期待いたしておるところでございます。
 しかしながら、このことは、教育の理念や義務教育のあり方について自由な論議を拘束するものではなく、要は、二十一世紀を担う青少年のあり方について自由闊達な御論議が行われることを期待いたしておるところでございます。
 御質問の第五点は、来年度予算についてのお尋ねでございますが、政府全体といたしましても概算要求の枠組みが決まっていない段階でございますので、個別事情についてどういう概算要求を取りまとめることになるかは今後の検討課題でございます。ただ、私といたしましては、文教政策推進上必要な予算の充実確保については、今後とも最大限の努力を払ってまいりたいと考えております。(拍手)

発言情報

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発言者: 森喜朗

speaker_id: 27194

日付: 1984-07-13

院: 参議院

会議名: 本会議