増岡博之の発言 (社会労働委員会)
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○国務大臣(増岡博之君) ただいま議題となりました医療法の一部を改正する法律案について、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
現行医療法は、昭和二十三年に我が国医療の基本法として制定されて以来、医療体制の充実を通じ、国民医療の確保、向上に大きな役割を果たしてまいりました。
しかしながら、我が国の医療体制については、病床の増加等量的には相当程度の整備が行われてきた反面、病院、診療所などの医療資源が地域的に偏在している、あるいは、医療施設相互の機能の連係が十分でないといった指摘が、かねてよりなされているところであります。また、近年の一部医療機関における不祥事は、医療に対する国民の信頼を揺るがしておりますが、これを回復するためにも、制度の改革が強く望まれております。
殊に、本格的な高齢化社会の到来を間近に控え、医療需要は、今後ますます増大し、かつ、多様化していくことが予想されるところであります。二十一世紀を目指すこれからの医療は、このような状況を念頭に置いて、医療資源の効率的活用を図りつつ、人口の高齢化、医学医術の進歩、疾病構造の変化に対応して、国民に対し適正な医療をあまねく確保していくものでなければならないと考えます。そのためには、病院、診療所のあり方等を含め、医療制度について見直しを行い、時代に即応した制度の改革を図っていくことが必要であります。
このような観点に立った見直しの第一歩として、都道府県ごとに医療計画を策定して地域における体系立った医療体制の実現を目指すとともに、医療法人の適正な運営を確保すべく、医療法の一部を改正する法律案を第九十八回国会に提出し、御審議を煩わしたのでありますが、第百回国会において衆議院の解散に伴い廃案となり、成立を見るに至りませんでした。
しかしながら、医療制度の見直しは、本格的な高齢化社会において、すべての国民が適正な医療を受けることができるようにするための基盤づくりとして、極めて重要なものであることから、ここに再度この法律案を提案し、御審議を願うこととした次第であります。
以下、この法律案の主な内容につきまして御説明申し上げます。
第一は、医療法の目的を、病院、診療所等の開設及び管理に関し必要な事項並びにこれらの施設の整備を推進するために必要な事項を定めること等により、医療を提供する体制の確保を図り、もって国民の健康の保持に寄与することとしたことであります。
第二は、医療計画についてであります。
医療計画は、都道府県がこれを作成し、対象となる区域の設定及び必要病床数に関する事項を定めるものとするほか、病院の整備の目標、医療施設相互の機能の連係、医師、歯科医師等医療従事者の確保その他医療を提供する体制の確保に関し必要な事項を定めることができるものとしております。
この医療計画の策定を通じて、地域における各種医療機関の役割を明確にし、その機能の連係強化を図ることによって、地域の医療需要に沿った医療体制の確立を目指していきたいと考えます。
医療計画の達成の推進のための措置といたしましては、国及び地方公共団体は、病院等の不足地域におけるその整備等必要な措置を講ずるように努めるとともに、病院の開設者等は、その建物、設備等を病院に勤務しない医師、歯科医師に利用させる、いわゆる病院の開放化に努めるものとしております。
さらに、都道府県知事は、医療計画の達成の推進のため特に必要がある場合には、病院を開設しようとする者等に対し、病院の開設その他必要な事項に関して勧告することができることとし、これにより病床の適正な配置を図ることとしております。
第三は、医療法人の運営の適正を確保するための指導監督規定等の整備についてであります。
まず、医療法人の役員に関し、理事及び監事の定数並びに欠格事由を定めることとしております。また、都道府県知事の認可を受けた場合を除き、医療法人の開設する病院または診療所の管理者はすべて理事に加えることとするとともに、その理事長は医師または歯科医師である理事のうちから選出することとしております。
次に、都道府県知事は、医療法人の業務または会計が法令に違反している疑いがあると認める等の場合には、医療法人の事務所に対する立入検査を行うことができることとするとともに、このような違反等の事実が判明した場合には、必要な措
置をとるべき旨を命じ、その命令に従わないときは、業務停止命令または役員の解任の勧告を行うことができることとしております。
最後に、この法律の施行については、医療法人に関する規定は公布の日から起算して六カ月を経過した日から、医療計画に関する規定は公布の日から起算して一年を超えない範囲内で政令で定める日から、それぞれ施行することとしております。
なお、衆議院において、医師または歯科医師が常時一人または二人勤務する診療所についても、医療法人の設立を認めるものとすること、その他所要の修正が行われております。
以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。