河野洋平の発言 (エネルギー対策特別委員会)
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○国務大臣(河野洋平君) このたび科学技術行政を担当することになりました河野洋平でございます。
第百四回国会に当たり、科学技術庁長官といたしまして、所信を申し述べさせていただきます。
石油を初めとするエネルギー資源に乏しく、エネルギー源の八割以上を海外からの輸入に依存している我が国のエネルギー事情及び依然として不安定な石油をめぐる情勢等にかんがみれば、我が国が二十一世紀へ向けて経済の安定成長と国民生活の向上を実現していくためには、石油にかわる多様なエネルギー源の研究開発利用を促進し、エネルギーの安定供給の確保を図っていくことが最重要課題であります。
このために、科学技術の果たすべき役割は極めて大きく、政府といたしましては、従来より、石油代替エネルギーの中心的役割を担う原子力の研究開発を初め、石炭や自然エネルギーの研究開発、エネルギー有効利用技術の開発等を推進してまいったところでありますが、今後ともより一層その推進に努めてまいる所存であります。
これらエネルギーの研究開発を総合的に進めるため、政府はエネルギー研究開発基本計画を策定し、昨年七月にその改定を行ったところでありますが、今後ともこの基本計画に沿って研究開発の推進を図ってまいることといたしております。
昭和六十一年度における科学技術庁の施策といたしましては、まず、原子力の研究開発利用の推進であります。
原子力の研究開発利用につきましては、安全確保を大前提として、引き続き積極的に取り組んでまいります。その際、電源三法の活用による地域住民の福祉の向上及び地域振興のための施策等を講ずるなど、国民の理解と協力を得つつ、その推進を図ってまいります。
原子力発電の円滑な推進を図るためには、自主的な核燃料サイクルの確立が不可欠であり、ウラン濃縮、使用済み燃料の再処理、放射性廃棄物の処理処分等について所要の技術開発等を進めるとともに、民間における核燃料サイクル施設立地計画の推進に必要な措置を講じ、円滑な事業化を促進することとしております。
次に、核燃料の有効利用を図るため、高遠増殖炉原型炉「もんじゅ」の建設、新型転換炉実証炉計画の推進等新型動力炉の開発を積極的に進めてまいります。
また、人類の究極のエネルギー源と言われる核融合につきましては、昭和六十二年度の臨界プラズマ条件達成を目指して、臨界プラズマ試験装置JT60による実験を継続することとし、原子力船につきましても引き続き研究開発を進めることとしております。
こうした原子力研究開発利用の多様化の中で、原子力安全規制行政の充実を図るとともに、安全研究の推進等の各種安全対策を引き続き強力に展開し、安全確保に万全を期す所存であります。
その一環として、放射性廃棄物の処理処分の安全規制及び原子力施設の検査体制の充実を図るために、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律案を国会に提出いたしました。本法律案の成立を心からお願い申し上げます。
この他、原子力以外のエネルギー研究開発につきましては、太陽光エネルギー転換技術等自然エネルギー分野の研究開発、超電導材料技術等のエネルギー有効利用分野の研究開発などの推進を図ることとしております。
以上、昭和六十一年度における施策の概要を申し述べました。
私は、科学技術行政の責任者として、各省庁と協力しつつ、エネルギー研究開発利用の積極的推進に全力を尽くす所存でありますので、委員各位の御指導、御鞭撻をお願い申し上げます。