海部俊樹の発言 (本会議)

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○国務大臣(海部俊樹君) 文教に関する御質問を四点に分けましてお答えをさせていただきます。
 御指摘のように、いじめの問題については文部省といたしましてもこれを重大に考えて、ただ、原因は学校、家庭、社会、それぞれ複雑に絡み合った要因がたくさんあろうと思います。例えば学歴偏重の社会の風潮とか、点数に頼り過ぎる入学者の選抜とか、あるいは豊かな心とか、人間的情操をはぐくむ徳育教育が不十分ではないかとか、あるいは兄弟の数の変化による家庭における切磋琢磨、思いやりの心を大切に育てる、そういった環境条件が希薄になっておるのではないかなどなど、複雑に絡み合っておりますし、また、直接児童生徒に触れていただく学校現場においても、教師自身の発言として、常日ごろ、接する児童生徒と心の通いを持って、何事も打ち明けられるような状況を醸し出しておくことが大切なのではないかという言に見られるように、主として起こる学校の場でまず一致協力して取り組んでいただく。同時に、御家庭や地域にも御協力をいただきながらこの問題の解消には対処をしてまいりたいと思っております。
 二つ目の、臨教審の審議がこの荒廃の真の原因を示していないのではないかという御指摘でございますが、今まで出ました「審議経過の概要」を先生も詳しくお目通しいただいておると思いますが、教育の歴史、現状、荒廃の原因等について詳しく掘り下げた議論をしておりますことが、あの「経過」を読みますと明らかに出ておりますし、また、いじめの問題を中心にした緊急の審議や対応をとっておりますことも「経過」の中に出ております。近く第二次答申が出てまいりますが、その中には教育荒廃の諸要因として、掘り下げた論議のもとに答申が出てくると思いますから、国民の皆さんの御期待に沿うことができるものと私は信じております。
 三番目の、偏差値教育の解消、管理教育の是正についての御意見でありますが、偏差値教育につきましては、やはり個性を尊重し、一人一人の児童生徒の個性を伸ばしながら、入学者選抜のときに偏差値だけに必要以上に頼り過ぎておるという現状を改革しなければなりませんから、これはその改革に向けて今取り組んでおる最中でありますし、また、管理教育とおっしゃいますが、学校は児童生徒が集団生活を通じて、将来社会人として世に出る前に、徳育、知育、体育の調和のとれた人間形成を図る場であります。その教育目的を達成するために、適切な校則や規則等を設けて、これを守っていくように指導するということも学校教育の重要な役割と私は考えておりますので、御理解をいただきたいと思います。
 最後に、六年制の中学校についての御指摘でございますが、これは御承知のように、第一次答申で、個性を伸ばし選択の機会を広くしていく、こういう趣旨から単位制高等学校の制度とともに六年制中学校の発想は提案されたものでありまして、例えば体育系の中学校とか、あるいは芸術系の中学校とか、選択の幅が広くなるわけでありますし、また、人生の重要な青春の時期に、三年ごとに小刻みの入学試験が芸術科とか体育系なんかのところで一段階抜けるということは、ゆとりと個性を尊重することに、また教育課程の一貫性に役立つのではないかと私は判断しますので、これは有意義な提言であったと受けとめております。(拍手)

発言情報

speech_id: 110415254X00319860130_008

発言者: 海部俊樹

speaker_id: 5376

日付: 1986-01-30

院: 参議院

会議名: 本会議