宮澤喜一の発言 (本会議)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○国務大臣(宮澤喜一君) 昨年九月のニューヨークにおけるG5の決定を今日の段階でどう考えておるかというお尋ねでございました。
決定そのものは、御承知のように、殊にアメリカのドルを中心といたしました各国の為替関係が経済の基調、いわゆるファンダメンタルズから非常に外れておる、したがって、そのドルを、高過ぎますドルを調整をしなければならないというのが合意であったわけでございます。その結果として確かに、ドル高の是正はかなり急激に進展をいたしまして、その結果アメリカ国内の保護主義の動きというのはある程度鎮静することに貢献したであろうと私は思います。ただしかしながら、それがアメリカの貿易収支に余り顕著に今日までのところ影響を及ぼしておらないのも事実でございます。この八月、九月になりましてアメリカの貿易赤字が少しずつ減っておることは確かでございますが、今後これがさらに進みますことを期待をいたしておるわけでございまして、いわゆるJカーブ等がございますゆえか、今日までのところ思ったほど顕著な影響を及ぼしておらないのは事実でございます。
さて、そこで、我が国にとってこれは何であったかというお尋ねでございましたが、自分の国の通貨が価値が上がりますことは、長い目で見れば決して悪いことではございませんし、殊に原料、燃料を輸入しております我が国といたしましては、それが安く入手できるというようなことは、ただいまの卸売物価が一〇%以上下落しておりますことでもおわかりいただけるわけでございますが、ただしかし、我が国の場合にはこの円高が余りに大幅に急激に起こりましたために、国民経済がこれに対処することに非常に苦しんでいるということは事実でございます。殊に、製造業を中心に企業の業況判断が非常に停滞感を深くしておりますし、雇用情勢も心配な状況になってまいっております。そのゆえに、このたび総合経済対策を決定し、補正予算の御審議をお願いいたしておりますことは、ただいま総理大臣が述べられたとおりでございます。
次に、この間にあって、私とアメリカのベーカー財務長官がどういう話をしておったかというお尋ねでございました。
最初に九月の初旬、次に九月の下旬から十月にかけまして、最初はサンフランシスコ、次にワシントンで両国間の経済問題、世界経済、世界金融等の話をいたしました。そして、協力の方途を相談をいたしたわけでございますが、ちょうどIMF総会の際に行われました七ヵ国蔵相会議の決定が私どもの相談の内容をある程度あらわしておると思います。すなわち、七ヵ国蔵相会議におきまして、各国の政策協調によって為替レートの安定に寄与し、レートの大幅な調整なしに各国間の国際的不均衡を是正するように努力をしようというのが両者の一つの合意でございます。
次に、日本銀行の公定歩合の引き下げにつきましてお尋ねがございました。
ただいまの段階ではいまだに決定が行われておりませんので、未決定の問題として申し上げざるを得ませんが、先般の総合経済対策におきまして、金融も適切、機動的に運営をするという決定をいたしております。それに基づきまして、日本銀行総裁としては、景気情勢あるいは為替の安定等を頭に置かれてそのような決定をお考えになっていらっしゃるのではないかと想像をいたしております。そうといたしますと、それは総合経済対策の有効な推進に資することであると思っております。
次に、このたびの補正予算との関連で、いわゆる十八カ月予算ということをおまえはどう考えておるかというお尋ねでございました。
ただいまの我が国の経済状況はかなり深刻でございますので、一度の補正予算をもってそれが手直しができるというふうには考えておりません。したがいまして、これは一遍の対策で済むとは思っておりませんが、御承知のように、行財政改革路線の中でのことでございますので、おのずから来年度の予算編成にも厳しい態度で臨まなければならない、ただ、その中で公共事業につきましては、何とか事業量、事業費は確保をいたしたい、いろいろ工夫をいたさなければならないと思っておるところでございます。
それから、公共事業の重点配分について御指摘がございまして、それは御指摘のとおりと思います。既に北海道につきましては、重点配分の方針を決定いたしておりますし、東北、九州等の地域につきましても、雇用情勢等を配慮しつつ、主管大臣におかれましてそのような配分作業を行っておられると承知をいたしております。(発言する者あり)北海道は、もちろんそういう方針を既に決定をいたしております。
それから、交付税特別会計の借り入れについて御指摘がございました。
この点は、おっしゃいますように、昭和五十九年度の地方財政対策の改革の原則を決めましたときに、新規借入金の措置は原則としてやめるということを実は申し合わせておるわけでございます。そういうところから申しますと、今回借入金をいたすことになりましたのは、いわば緊急避難と申しますか、極めて例外的な措置だと申し上げざるを得ません。どうもまことに遺憾なことでございますが、こういう方法によらざるを得なかったということでございまして、その点は何とぞ御理解をお願いいたしたいと思います。
最後に、事務職員の給与等の問題についてお話がございました。
確かに、三年間の暫定措置として、国、地方間の財政関係は、基本的にこれ以上変更するような措置は講じないということは合意をいたしておるわけでございますけれども、一般的に、行財政改革の中での補助金の見直しというものはさらに進めていく必要があるというふうに考えておりまして、御指摘の問題は、これから予算編成をいたします過程を通じまして各省庁ともよく協議をいたし、検討いたしたいと考えております。
以上でございます。(拍手)
〔国務大臣葉梨信行君登壇〕