斎藤十朗の発言 (社会労働委員会)
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○国務大臣(斎藤十朗君) ただいま議題となりました老人保健法等の一部を改正する法律案について、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
人口の高齢化が急速に進む中で、増加の避けられない老人医療費を適正なものとし、国民がいかに公平に負担していくかということは、老人保健制度を長期的に安定したものとしていく上で不可欠の課題であります。
また、今後急増すると予想される寝たきり老人等の要介護老人に対し、保健・医療・福祉を通じた総合的な施策の展開が求められております。
こうした状況等を踏まえ、老人保健制度を幅広く見直すこととし、老人保健法等の一部を改正する法律案を第百四回国会に提出したところでありますが、継続審議となった後、第百五回国会にお
いて衆議院の解散に伴い廃案となり、成立を見るに至らなかったものであります。
しかしながら、老人保健制度の改正は、今後の本格的な高齢化社会において、国民が安心して老後を託せる制度を確立するという観点から、極めて重要なものでありますので、ここに再度この法律案を提案し、御審議を願うこととした次第であります。
以下、この法律案の主な内容につきまして御説明申し上げます。
第一は、一部負担の改正であります。現在、外来の場合一月四百円、入院の場合二カ月を限度として一日三百円となっておりますが、これを改め、外来については一月千円に、入院については期限を撤廃して一日五百円に改定することとしております。健康に対する自覚と適正な受診、さらには世代間の負担の公平という観点から、被用者保険本人や在宅療養者とのバランスも勘案して、定額制を維持しつつ、一部負担金の額の引き上げをお願いするものであります。
第二は、加入者按分率の引き上げであります。昭和六十一年度は八〇%、昭和六十二年度以降は一〇〇%に引き上げることとしております。老人医療費につきましては、老人加入率の高い保険者ほど負担は重いものとなっており、各保険者間の老人医療費の負担の不均衡は一層拡大しております。このため、加入者按分率を引き上げ、どの保険者も同じ割合で老人を抱えるようにし、負担の一層の公平化を図ることとしております。
第三は、老人保健施設の創設であります。寝たきり老人等の要介護老人にふさわしい医療サービスと生活サービスを提供する施設として、老人保健施設を創設するとともに、この施設を利用する老人に対する新たな給付として、老人保健施設療養費を支給することとしております。
以上のほか、特定療養費制度を導入するとともに、老人保健施設の創設に伴う医療法、社会福祉事業法の改正なども行うこととしております。
また、国民健康保険法を改正し、正当な理由がないのに保険料を滞納している者に対し、給付を一時差しとめる等の措置を講ずることとしております。
なお、この法律の施行期日は、本年十一月一日としておりますが、老人保健施設に関する事項は公布の日から一年六カ月を超えない範囲内において政令で定める日としております。
以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要でありますが、この法律案につきましては、衆議院において、外来の一部負担金は八百円とすること、加入者按分率については、昭和六十二年度から六十四年度までは九〇%とすること、この法律の施行期日を昭和六十一年十二月一日に改めることを内容とする修正が行われたところであります。
何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。