宮澤喜一の発言 (予算委員会)
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○宮澤国務大臣 ただいま、このたびの税制改正がいわゆる金持ち優遇ではないかということについて御指摘がございましたが、事実はまさにそのとおりではなく、いわゆる勤労者を中心にいたしまして、そういう人々に対しての減税が一番大きい、そういうことをねらいにいたしました税制改正を御提案をいたしております。
すなわち、このたびの税制改正によりますと、平年度では勤労者のいわゆる標準世帯でございますと、大体四百三十万円程度まで一番低い軽減税率一〇%の適用になります。現在はそのところに一〇・五、一二というような税率がございますが、全部一〇%になりまして、それから四百三十三万円から八百八十万円余りのところまでは一五%一本になります。したがいまして、いわば会社に入られまして、社会に出られまして、そのコースをほとんど終わるに近いところまでの方が、勤労者にしますと一〇%あるいは一五%、それ以上の税率はないということになりまして、現行の課税と比較をいたしますと、階層によりまして違いますが、ほほ二けた、三〇%に近い減税のところまでがございまして、したがいまして、国民の一番中軸であります勤労者にとっての減税が非常に大きいということになります。
もとより、それとの関連におきまして最高税率も、ただいま申し上げましたのは住民税、所得税合わせましてのことでございますが、最高税率も引き下げましたけれども、しかし、それでもなお我が国の最高税率、今度、合わせますと六五になるわけでございますが、それでも世界でやはり一番高い最高税率でございますし、しかも、このたびの改正にあわせましてキャピタルゲインでありますとかあるいは土地の重課というようなこともお願いをいたしておりますので、そういう人々にとりましてはなおかなりきつい税制になっております。
繰り返して申しますと、まず課税最低限を二百五十九万円に上げまして、しかも勤労者にとってはほとんど生涯を一五%までの税率で過ごせるといったような税制を考えたわけでございます。
なお、続きまして、いわゆる非課税貯蓄についての扱いが場合によっては金持ち優遇ではないかという御批判があるのを耳にいたしますが、現在の個人貯蓄の七割ぐらいまでがこの非課税貯蓄によっておるところを見ますと、それは、いわゆる零細な方々もこの制度は御利用でございますけれども、七割となりますと、これは自然、所得の大きな人が余計利用しておられることは間違いがございません。そこで、これを老人でありますとかあるいは身体障害者でありますとか母子家庭でありますとかいう方々のためには全く免税にする、現在の制度をそういう方々のために適用することにいたしまして、その方々以外のためには二〇%の一本の税率をお願いをする。
これをいわゆる富裕な方々がこの制度を今まで利用しておられた形態から考えますと、御承知のように一人につきまして三百万円の三倍、九百万円の利用が可能でございますから、標準世帯でございますと三千六百万円の利用が可能であったと思われます。それがこのたびは全部課税になるわけでございますし、おまけにこの方々はその上になお例えば割引債券も使っておられたと思いますので、実はこの非課税貯蓄を改めますことは、本当に援助の手を差し伸べるべき人々のためには非課税の制度を置く、それ以外の方々にはひとつ納税をお願いしたい、こういうことでございますので、実際の負担は所得の大きい人の方が余計になるということは恐らく間違いないことだというふうに考えております。