山下元利の発言 (予算委員会)

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○山下(元)委員 税制の問題につきましては、そのうち間接税等につきましてもお伺いしたいと存じますが、さて、私も議員歴二十年をつい先日迎えたのであります。この前の自民党大会で、総裁である中曽根総理大臣から表彰いただきまして、ありがとうございました。
 その二十年を迎えまして、つらつら思いますのに、我々議員の使命は何であるか、また一議員として在籍し、そして国家国民に対する責任とは何かということをいつも考えるのであります。それは、常に先んじて未来を見据えて、国際社会において日本が迎えておりますところのあらゆる難局、難関を先頭に立って志を持って切り開いていくことであると思います。洞察力と判断力、決断力を持ってあらゆる局面に勇気を奮って対処することであると存じます。
 我が国国内におきましては安定しているように見える状況でも、いざ一歩外へ出ますならば国際情勢という熾烈な嵐が吹いているのであります。昨年のことはことしの参考にならない、それが現下の国際情勢でありますし、特に国際経済情勢は厳しい局面を迎えているのであります。ことしになってからの急激な円高、それによるところの不況、そして雇用の不安、こうしたことを考えますときに、私どもはこの国際経済の難局に処するために全力を尽くさねばならないと思います。
 一国の総理としての御苦労も並み並みなことではないと存じますが、あえて私が常々心配していることを申し上げますならば、最も我が国が友好関係にあらねばならない米国におきますところの財政の赤字であります。
 宮澤大蔵大臣、この前はG7で大変御苦労さまでございました。それらについてもお伺いしたいと思いますけれども、米国の財政の悪化というものと、その産業の空洞化であります。財政の赤字と空洞化という問題は我が国にとって無縁なものでございましょうか。私は、近来我が国におきましても、油断するならばそれに類似する状況になるのでないかという危惧を持つのであります。ぜひともこれらの問題について真剣に考えなければならない。そして、一たび産業が空洞化いたしますと、それを立て直すことは実に容易でないのであります。
 実は私、きのう私の地元のある奥様から手紙をいただきました。途中でございますが、ちょっとそれを読み上げてまいりたいと思います。この奥さんは、私の足もあなたと同じ大学の法学部で学んだ、その三年の秋、第一回の学徒出陣で出征し戦死いたしました、出征の際の東京駅頭のにぎわい、そしてまた戦死公報の悲しみを鮮やかに覚えているのでございますが、同じ大学に同じころ学んだあなたを大変身近に感じておるというふうなお立場で手紙をいただいたのです。
 その方が、「私達は、今、充分に幸わせな――との国に比べても幸わせな毎日を送れるのは、祖国日本に住むからです。何年後、何十年後、空洞化した日本で」、この奥さんが「空洞化した日本」ということを言われる。まさに空洞化ということをこれほど国民の皆さんが広く心配している。その「空洞化した日本で孫や子が苦しむことのないよう、国の方針に随うのが国民の義務と思います。」こう書いておられます。
 まさに私は今後の空洞化を排し、そしてそのことによって予想されますところの円高の倒産であるとか失業ということを防止するようにせねばなりません。これはよく考えますと、規模としてはアメリカほどではございませんが、先ほども申しましたように、日本の財政がだんだん悪くなりつつある、赤字公債に依存する体質を持っている、それをこれ以上進行させていいのかどうかということを考えるのであります。
 財政の強力な基盤の上に立つ政策展開なくしては国際経済に対処していくことはできませんし、今、奥さんが心配されたことのように、将来ともに責任ある国民経済運営を図り、私たちの子供や孫に未解決のツケを回すなどということは、我々の責務として避けなければならないと思います。また、まさにそのところにこそ総理のお進めになってこられた行財政改革があったのではないかと私は理解するのであります。
 今後は国際経済のいかなる状況にも対処し得るためにも、何としても国の財政の立て直しと強化が大事であると思います。急務でございます。もう、二、三年先まで待っていいという問題じゃないと思うのであります。財政を立て直し、そのことによって内需拡大を図り、産業の空洞化と失業を防ぐことが必要であると存じます。この前のG7におきましても、この貿易黒字減らし、そして内需の拡大は、まさに国際公約になっております。
 総理大臣は施政方針演説において、円高の進展に対し、雇用の安定や地域経済の活性化を図り、世界経済活性化へ積極的貢献を行っていくためには、内需を拡大し景気を活気づけるべく、最大限の努力を傾注しなければなりませんと言われております。いかにして内需を拡大するのでありますか。内需拡大、内需拡大ということは、言葉は通ります。しかし、そのために私どもは景気を活気づけるための方策をとらねばならないと思います。そこにこそまさに財政の作用があると思うのであります。
 ここに、実はこの前大蔵大臣が御苦労になりました先進主要国大蔵大臣・中央銀行総裁会議の共同声明がございます。これはやはり国民が心配しておりました点でありますが、「為替レートを当面の水準の周辺に安定させるために緊密に協力することが約された。」私は、大変これはよかったと思います。どうぞひとつこのことを、国民の皆さんに安心してもらうために国際間の協力をお願いいたします。しかし、それで、この合意だけでいいかというと、私は決してそうじゃないと思うのであります。冒頭申しましたように、国際経済情勢というのは非常に厳しいのであります。
 ところで、ここで、「日本国政府は、内需の拡大を図り、それにより対外黒字の縮小に寄与するような財政金融政策を続ける。」こう言われております。その中に、「今国会に提出した税制全般にわたる抜本的見直しは、日本経済の活力の維持・増進に資するものである。」今度の税制改正は「日本経済の活力の維持・増進に資するものである。」と言われておる。
 私は、先ほど申しましたように、空洞化、企業倒産あるいは失業の不安等に対処するためには、やはり日本経済の活力を増進しなければならないと思います。まさに日本経済の急務であります。税制改正をこうした観点から見まするときに、これについての御所見をお伺いしたいと存じます。

発言情報

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発言者: 山下元利

speaker_id: 996

日付: 1987-03-03

院: 衆議院

会議名: 予算委員会