吹田愰の発言 (本会議)

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○吹田愰君 私は、自由民主党を代表いたしまして、ただいま議題となっております昭和六十二年度補正予算三案に対し、賛成討論を行うものであります。(拍手)
 我が国経済は、ここに来て急速に景気の底入れ感が広がっておりますが、製造業を中心に停滞感が続き、雇用情勢の悪化が懸念されております。また、我が国を取り巻く経済環境は、大幅な貿易不均衡、これを背景とする保護主義の動きなど引き続き厳しく、我が国への貿易不均衡の是正、内需拡大を求める声は依然強いものがあります。
 このような経済情勢を打開するため、政府は、我が党がさきに打ち出した総合経済対策要綱を受けて、去る五月、総額六兆円を上回る財政措置を伴う緊急経済対策を決定し、内需を中心とした景気の積極的な拡大と貿易不均衡の是正に全力を尽くすことを内外に示したのであります。この緊急経済対策は、さきに行われましたベネチア・サミットにおいても各国から高い評価を受けていることは御承知のとおりであります。今回の補正予算は、この国際公約ともなった緊急経済対策を財政面から裏づけるものであり、極めて時宜にかなった措置であると確信するものであります。
 以下、本補正予算の内容について賛成の理由を申し述べます。
 賛成の第一は、内需拡大を強力に進めるため、公共投資の追加を中心に、予算規模二兆円を上回る実効ある大型補正となっている点であります。
 今日の経済情勢では、政府主導型による内需喚起のための財政出動が急務であり、公共投資は即効性あるいはいわゆる民間投資への誘発性が期待できるなど、最も有効な手段であることは言うまでもありません。今回追加された公共投資は、新規用地取得を必要としない事業を中心に、国民生活関連の環境施設整備、住宅投資、文教・研究施設などの社会資本整備に重点を置いて配分が行われるなど、十分な気配りがなされており、高く評価するものであります。
 賛成の第二は、対外経済対策に特段の配慮を講じている点であります。
 政府は、政府調達特別対策費として一千十一億円を計上し、政府みずから率先して輸入の拡大に取り組むとともに、後発発展途上国向けの無償資金協力の拡充等を図るため、経済協力特別対策費を計上し、国際的責務に対する積極的な姿勢を示しておるのであります。これらの措置は、我が国の調和ある対外経済関係の形成に資するものとして評価すべきものであります。
 賛成の第三は、行政改革の成果であるNTT株の売り払い収入の活用についてであり、国債の償還財源に充てるという基本原則は維持しつつ、その一部を活用して、国民共通の資産を形成するため、社会資本整備を図っている点は、まさに特筆大書すべきであります。これは、公債の増発を抑えながら、公共事業、民間活力の事業に無利子貸付制度を導入し、経済社会の整備を促進し、地域経済の活性化を図ろうとするものであり、財政の現状からして妥当な措置であります。
 以上、三点にわたり補正予算に対する賛成の理由を述べましたが、世界第一の債権国となった我が国としては、世界経済の安定と繁栄のため、国際国家日本として積極的な役割を果たすとともに、調和ある対外均衡を図りつつ、持続的な成長を確保し、国民生活の安定と質の向上を実現することが必要であります。このため経済構造の調整が強く要請されているのでありますが、政府におかれましても、かかる見地に立って中長期的な政策を推進され、その推進に当たっては万全を期せられることを申し述べておきます。
 最後に、残された大きな課題である税制改革の問題につきましては、現在、衆議院に設けられた税制改革協議会において鋭意協議、検討が続けられているところでありますが、特に国民の待望しておる減税が速やかに行われることを期待いたしております。しかし、それには同時に恒久的財源確保が必要欠くべからざる前提であり、実りある成果が得られるよう要望いたします。(拍手)
 討論を終わるに当たり、この際、一言申し述べます。
 中曽根総理は、内閣総理大臣に就任されて以来、政治の見直しと新しい政治の建設のために「戦後政治の総決算」を唱えられ、この四年有余の間、目覚ましき働きをされたのであります。すなわち、内政にあっては、電電、専売、国鉄の民営化を初め、行財政の合理化、医療や年金の改革など、諸般の改革を果敢に実行され、また外交においては、国際社会の中において常に世界の平和と繁栄のために日本の果たすべき役割を見事に敢行され、国際国家日本の地位を築き、二十一世紀への日本の大道を開かれました。まさに仕事師内閣の面目躍如たるものがあります。このことは後世の歴史家の高く評価するところでありましょう。(拍手)
 これまでの総理の決断と実行に深く敬意を表し、本補正予算に対する賛成討論を終わります。(拍手)

発言情報

speech_id: 110905254X00519870717_010

発言者: 吹田愰

speaker_id: 34698

日付: 1987-07-17

院: 衆議院

会議名: 本会議