宮澤喜一の発言 (本会議)
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○国務大臣(宮澤喜一君) 過般御審議をいただきました補正予算におきましては、御記憶のように、NTT株式売却収入の一部を活用いたしまして、その範囲におきまして建設公債の追加発行を抑制いたしました。また、特例公債の増発を避けたいために、六十一年度の剰余金の見込み額の一部を使わしていただきました。これらはすべて我が国が財政再建途上であるということの認識に基づくものでございまして、したがいまして、今後とも財政再建の努力を放棄してはならないと考えておるところでございます。
次に、今回の利子非課税制度の改正で分離課税の税率が三五%から二〇%に今度なるということは、高額所得者に有利ではないかという御指摘でございました。
この点は、実態を考えてみますと、現行では一人当たり九百万円までの非課税枠があるわけでございますから、標準世帯で申しますと三千六百万円までの枠がある、これは低所得者では利用できない大きな枠でございますので、高額所得者はそういう大きな枠を利用し得るのが現在の制度でございます。仮に三千六百万円といたしますと、それが五分に回りますと百八十万円でございますから、今度は二割の課税になりますが、従来は免税でございますので三十六万円の追加負担になるはずでございます。しかも、高額所得者はなおそのほかに割引債を購入しておると考えられます。ワリチョーでございますとか、ワリコーでございますとかいうものは、一六%の分離課税取りっきりでございますので、そういうことを考えますと、今回の制度が高額所得者に有利になるとは実際問題としては申しにくい、実質的には公平な税制になるのではないかというふうに考えておるわけでございます。
次に、利子課税がどれだけの歳入になるかということについては、すぐに大きな歳入にはなるまいと言われますのは、これは御指摘のとおりであります。そこで、例えば定額郵便貯金、郵便年金などは、いつ、どの時点で解約されるかということの予想が困難でございますし、また、どの時点でどのぐらいの利払い額が出るかということもわかりませんので、これから数年間どういう歳入の経緯をたどってまいりますかは、実は必ずしも今から予想がはっきりできませんで、終局的には国、地方、両方合わせまして一兆六千億円余りの歳入になるのではないかと予想いたしますけれども、そこに行きますまでに恐らく数年間かかるのではないかと考えております。したがいまして、そのようなものはいわば恒久財源とは言えないではないかと言われますことは、確かにそこへ行きますまでに何年かかかるということは御指摘のとおりでありますけれども、しかし、そこへ行きますと、いわゆる完全平年度化いたしますと恒久財源になると、こういうふうに考えておるわけでございます。
それから次に、国債のいわば上乗せ償還、仮に買い入れ償還をいたすといたしますと、現在額面以上しております国債につきまして額面で買い入れるわけにまいりませんので、額面以上で買い入れ償還をいたしますとなりますと、それが国庫にとりまして有利かどうかということは、実は必ずしもさように申せないという場合が多うございまして、したがいまして、買い入れ償還ということを現在としてはやっておらないわけでございます。
それからもう一点、いわゆるBタイプの貸し出しについては、将来その公共事業への補助金を出して償還をするのであるから、その財源はどうなるのか、それはいわは追加支出になるのではないかというお尋ねであったわけであります。
私どもが考えておりますのは、仮に毎年十億円ずつある地域に下水道の補助金を出しておる、十年いたしますと百億円でございますが、その地域を一体として団地なら団地で一遍に開発してしまいたいというケースはたくさんございます。その場合に、百億円一遍に支出することができますれば開発が一度に進むということがございますから、そういうふうに今回いわば実質的には補助金の前渡しをいたしてしまいたいと考えておるわけでございますから、そういう意味で申しますと、十年後にはしょせん百億になるべき支出を一時にするということでございますので、新しい財政負担にはならないと、こういうふうに私どもは考えておるわけでございます。
それからもう一点、NTTの株式売却の収入につきまして、先ほどもお答え申し上げましたが、仮に自動的に計算をいたしまして二百五十万円で売れるといたしますと、手数料を差し引きました三年分の収入は十四兆三千百億円でございますが、これは現実に売れるか売れないかといったような問題がございますことはもとより御承知のとおりで、私どもとしては、毎年度、国会の御審議をいただきまして、その都度の売却限度を国会の御審議にかけたいというふうに考えておりますし、現実にただいままたそういたしております。
最後に、この財源を減税に使うべきか否かという問題、あるいは国有地の売却に関しましては、総理大臣が既にお答えになりまして、重複をいたしますので省略をいたします。(拍手)
〔国務大臣葉梨信行君登壇、拍手〕